実話怪談本から見えてくる著者の姿

高田公太😼 @kotatakada

デビュー九年目にして、初の単著。青森県在住37歳、高田公太です。 恐怖箱 怪談恐山 (竹書房文庫) 竹書房 amazon.co.jp/dp/480190677X/… @amazonJPより

加藤AZUKI @azukiglg

仕事で実話怪談に多く接してきましたけども、著者によってその傾向とかって結構違う。例えば、思考停止怪談に偏る人、日常がメチャクチャに壊れていく話に引っ張られる人、ロジカルに理解しようと取り組んでそれを諦める人、同調する人、逃げ惑う人などなど。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

単純に怪談が好きだから聞き集めている、という人が多分多いんだろうなとは思うんですけど、同時に「怪談でなければならなかった理由」みたいなものが著者それぞれにあって。本当なら怪談じゃなくたってよかったはずなんですよ。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

自分の人生ではない他人の人生を聞くに当たって、「幸せな記憶」とか「笑える話」とかでも良かったはずなのに、なぜ「怖い話」や「不愉快な話」をわざわざ聞いてしまうのか、と。なぜ怪談でなければならなかったのか、というのは「怪談作家だから」ではないんですよね。これが。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

怪談として昇華しないといけない理由ってのは、これまた著者によって結構違うようで。だから当然というかなんというか、著者が「ああ、俺はこれを書かなきゃ」と思う話ってのが、著者によって結構違ってくる。これが、「著者毎の個性」とか「本ごとの傾向」とかになってくる。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

この「怪談を書く理由」であるとか、「怪談でなければならなかった理由」とかってのは、著者自身の「これまでの経験」とかと多分密接に関係あるんじゃないかなとは。「埋め合わせたいこと」とか「後悔」とか「願望、希望」とか、まあそういうの。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

実話怪談は創作（著者がネタから全て考える作り話）とは違って、聞き取りを行った体験者（話者）が存在するわけで、その体験者の人生の中で起きたことの一部を聞き取って、読み物として書き起こしてるわけで、言うなればノンフィクションに主法敵には近いと思う。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

このとき、「その話者の体験に同調したり、共感したり、抜け落ちている何かを見出したり、期待したり」というのが、著者側にもあって。著者自身の人生の中での「後悔や期待」とか、まあ価値観みたいなもので補い合う、みたいなのが起きてくるわけで。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

怪談じゃなくても、他人の人生に起きた出来事を批判的に見たり、同情的に見たりするでしょう。人によって切り方とか、写し取り方が違う、みたいな。これは、実話怪談でも同じで、著者の意識によってやはり「あったることが同じでも、どう感想を抱くか」が違ってくる。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

その「向き合い方」の違いが、怪談の描き方に出てくる。なので、実話怪談もまた、「体験者の人生の記録」と「著者の人生観の断片」の複合物なのかなーとは思う。小説もそうだけど、文章はその著者そのものの一部であり、実話怪談でもそれは同じ。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

で、「高田公太という人にとっての怪談」とは、そして「体験者の人生に何を見出したか」というのが、彼の書いた怪談に現れてくるわけで。文を読む、本を読むというのは、その著者自身を読み解くのと同じなわけでして。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

そういったことを、まあ読者はいちいち踏まえなくてもいいんですけどｗ、「恐怖箱 怪談恐山」という本を通じて、高田公太という人の一面が見えてきたりするのが結構面白かったので、気が向いたら手にとってみてください、ということです。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

まあ、Tweetはこんな具合でアレなんですけどね！www QT @kotatakada: 加藤さん、話長ぇ。しかし、最後にめちゃくちゃぼくを褒めるはずだから我慢してリツイートしてる。 #怪談恐山

加藤AZUKI @azukiglg

恐怖箱で直近の単著というと、つくね乱蔵さん@t_ranzo の「恐怖箱 厭魂」、神沼三平太さん@3peta の「恐怖箱 叫怪」、高田公太課長の「恐怖箱 怪談恐山」なわけなんだけど、つくねさんの怪談は「無慈悲」、神沼さんの怪談は「無神経」、高田課長の怪談は「無常」って印象。