- tasobussharima1
- 849
- 3
- 0
- 0
「なぁ、あんたは何で俺達と戦ってるんだ」 『……そんなことも知らんのか、ブッシャリオンのパイロットよ』 南極大伽藍。徳カリプス帝国の拠点にガンジーら5人は居た。ブッシャリオンは既に搬入され、強化改修は始まっている。 「いや、こうして俺達に協力すんのに、何で普段戦ってんのかってな」
2016-04-01 12:04:06『協力ではなく、利害の一致だ。そして……目指すべき理想が違うが故に戦う。当たり前のことだ』 ガンジーと田中ブッダは空を見上げる。そこには、これから向かう月が輝いていた。 「これが終わったら、また敵同士なんだよな……」 この僅かな平穏は、強大な敵によって齎されている。
2016-04-01 12:08:04『それが嫌ならば、徳カリプス帝国の軍門へ下れ。お前とて、使い走り程度ならば役に立つであろう』 「なっ、ばっ、誰が嫌だって言った!」 そして、二人が見上げる月の表面に。巨大な曼荼羅の模様が浮かび上がる。 「月が……」 『始まったか。予定より早い』
2016-04-01 12:12:04「あれは、徳ジェネレータなのか……?」 『そうだ。ブッシャリオンの改修を急がせる。合体・変形機構をオミットすれば、あと一日で完成できよう……不出来な弟子の手助けもしてやらねばならんな』 不気味に輝く月の模様。夜を徹してブッシャリオン改修を行う田中ブッダとミラルパ博士。そして……
2016-04-01 12:16:05「こいつが……ブッシャリオンなのか」 「そうだ。新たなブッシャリオン」 『ブッシャリオン・改とでも言ったところだ。急造故、旧ブッシャリオン1の形態しか取れないがな』 「微妙にしまらねぇ名前だな……」 『この機体を、得度兵器用の弾道飛行ブースターをクラスタしたもので月まで運ぶ』
2016-04-01 12:20:02「……クーカイ、ガラシャ。行くぞ、決戦だ」 「……ああ」 「まって」 新たなブッシャリオンへ乗り込まんとする二人を、ガラシャが呼び止める。 「お守り、作ったの」 「マニ車か……」 「お守りなんて、必要ねぇよ」 そう言いながらも小さなマニ車を受け取るガンジーとクーカイ。
2016-04-01 12:24:02「じゃあ……ブッシャリオンG!出撃だ!」 「そのG、ガンジーのGじゃないだろうな」 「いくよ!」 ガンジー達がコックピットへ乗り込み、高らかに叫んだその時。南極大伽藍に敵襲来を告げる警報が鳴り響く! 「畜生、こんな時に!」 「こんな時だからだろう!」 接近するは二機のマニ円盤!
2016-04-01 12:28:01「クーカイ星の戦士!クーカイ13号」「同じく、クーカイ48号」 マニ円盤上のホログラムに、二人の僧侶が写し出される。 「どうしてこの場所が……?」 訝しむクーカイに答えるように、クーカイ48号が答える。 「我等クーカイ星人は、どれ程離れていようと同胞の居場所を感じ取れるのだ」
2016-04-01 12:32:08