藤本由香里先生「メディア芸術祭マンガ部門大賞『ヒストリエ』と、功労賞『栗原良幸』氏」を語る

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

メディア芸術祭の内覧会と授賞式から帰宅。受賞されたみなさま、ほんとにおめでとうございました！　感動してしまいました。みなもと先生はこのところお祝い続きだし、山本直樹さんは今日、すっごく男前度が上がっていた！　規制の対象になりつつ、国から受賞する、っていうのがいいよね。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

マンガ部門大賞は岩明均さん『ヒストリエ』。あとで聞いたら、岩明先生は公式の場にはほとんど顔を出されないそうです。たぶん、講談社漫画賞以来、10年以上ぶりだとか。ご挨拶させていただいたのですが、たしかに、ほんとうに律儀に全身全霊で作品に打ち込んでいらっしゃるように見えました。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

岩明さんは『ヒストリエ』を"最後の作品”と位置づけ、今まで何十年もこの作品を描くために資料を集め、構想を練り…していらしたとか。今までの作品は『ヒストリエ』を描くための習作だとか。『寄生獣』でさえも…？

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

だから編集部も、『ヒストリエ』を十全に描いていただくための体制を、十年はかかる、という予想の基に組んだそうです。完成したら必ず歴史に残る傑作になるから。今、9年たって、物語の3分の１も行っていない。クライマックスはまだまだこれから。うん。ここからいよいよ面白くなるドキドキがある。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

岩明さんはアシスタントを一切使わず、槍の1本まで自分で描いていらっしゃるそうで、それもびっくり。それは時間がかかるだろう！　しかし、この先を読めるのが楽しみになってきました。なんという贅沢。これが日本に生まれた幸せ。アメリカではこんな体制は組めないと思う。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

今日は、功労賞に『モーニング』『アフタヌーン』を創刊した栗原良幸さん。編集者として発見したこと、として、「どれでもいい、マンガの中から2コマを抜き出せば、必ずそれ以外のコマが頭に浮かんでくる」「日本人は『コマの思考』を発見した」と。コマについての考え方が欧米と日本では全然違う。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

日本では1つのコマには一つの時間しかない。欧米のコマには、その中に複数の時間がある。日本では1つのコマには一つの時間しかないから、「その瞬間に必要なベストの顔が描ける」。」しかし複数の時間がある欧米のマンガでは、ただの「ある人の普通の顔」になる。まさに至言。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

それから栗原さんは、「キャラクターというのは赤ちゃんのとき持っていた完全性をそぎ落としていった結果、生まれる。設定としての善人は偽善的だが、悪をそぎ落とした結果の善人は人を説得する」

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

栗原さん、かわぐちかいじ先生、永井豪先生のトークが2月6日午後1時から、国立新美術館３階講堂で行われます。同日４時半からは、山本直樹さん、みまもと太郎先生、永井豪先生、細萱敦さんのトークが。私は行きます。

すがやみつる @msugaya

栗原さん、お元気でした？ RT @honeyhoney13: 栗原さん、かわぐちかいじ先生、永井豪先生のトークが2月6日午後1時から、国立新美術館３階講堂で行われます。同日４時半からは、山本直樹さん、みまもと太郎先生、永井豪先生、細萱敦さんのトークが。私は行きます。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

@msugaya 栗原さん、お元気でしたよ。そして嬉しそうでした。私もなんか嬉しくなりました。

すがやみつる @msugaya

.@honeyhoney13 ３年くらい前、講談社でバッタリお会いしたんですが……。ぼくが「モーニング」に描いた頃は、休刊寸前でした。ぼくの株マンガが話題になって部数が下げ止まり、直後に本宮さんが始まってV字回復しました。

すがやみつる @msugaya

.@honeyhoney13 そのあと『一番わかりやすい株入門』というマンガ版株式入門マンガを出してもらったのですが、長く売れるようにと、コミック扱いでなく、一般書籍扱いしてくれて、結局、60万部くらいまで行きました。

藤本由香里　9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

@msugaya　そんなことがあったんですね！　栗原さんのお話ってもっと聞きたいです。