臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama でもそれは、ちょっと違ったみたいなんです。 今、私は身をもって知りました。 もし、私が一歩を踏み出せたなら。 ピンチの時には、誰かが手を差し伸べてくれることもあるんだって――。 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama パナーシェ・クラリト 所属：連合 クラス：メイジ HP81 SP33 調査点0 戦功17 OP：《昼行灯の軍師（師匠）》 「師匠、師匠！ただ今帰りました！」 #GC_LOS #臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

戦争は終わったようです。 結局、私は最後まで「戦えた」かどうかは分かりませんでした。 でも、この戦争の最後の3日間、私は……戦場に出られてよかったなって、なんだかそう思いました。 「師匠、ただ今帰りました！」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

いつもの部屋で、大きな兎の師匠は私を迎えます。 「おお、帰ったか。戦場はどうじゃった。良い修行はできたかね」 「……そ、それが」 良い修行、できたのでしょうか。 「活躍はできなかったようじゃの。じゃが、お前の顔を見ればわかる。少なからず得た物はあったようじゃな？」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 戦場で、得た物。 「し、師匠……私、初めて『仲間』がそこにいるって、思ったんです」 「ほう？」 「でも、それだけ……です。味方に魔法は撃っちゃうし、教えてもらった手当ての方法も、沢山の人に役立てることはできませんでした……」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「最後の日なんて、自分からピンチに突っ込んじゃうし……でもそこで、連合の人たちが助けに来てくれて。なんだか心強いって、この人たちがいれば怖くないかもって、ほんの少しだけど思えたんです」 「パナーシェ」 「は、はひっ！」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 顔を上げると、師匠はにこやかに笑っていました。 「どうやら、お前はこの3日間で大きく成長したようじゃの」 「せ、成長？」 「そうじゃ。パナーシェ、お前が戦場に出たのはたった3日間じゃが、そこで2つの大切なことを覚えたんじゃよ」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 2つの、大切なこと……。 「まず、お前が感じておるように、仲間を見つけたということ。パナーシェ、お前の周囲は全て敵というわけではない。そしてまた、強大な敵にたった1人で立ち向かわねばならぬわけでもないのじゃ」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「仲間を見つけ、仲間と共に戦うこと。それがお前がこの世界で生き残り、この世界の影に立ち向かうために必ず必要となることなのじゃ」 「師匠……」 私は、ひとりじゃない。私を食べようとする影に、共に立ち向かってくれる人がいるということ。 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「そして何よりも、パナーシェ、お前自らが勇気を出して戦うという道を選ぶことができた、ということじゃ」 「！」 師匠の言葉に、思わず目を見開いた。 「し、師匠、私は最後まで慌てっぱなしで……自分からピンチになっていただけで」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「自分から窮地に陥っていたこと、それは事実かもしれんな。じゃがパナーシェ、お前は何故、窮地に立とうと思った。何故、あの危険な渓谷へ行こうと思ったのじゃ」 「それは……」 それは。私が、あそこに行ったのは。 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「最後に何か、少しでも戦力になりたいと思って……」 そうだ。 あの渓谷が敵に囲まれやすい地形で、危険なのは分かっていた。 でも、せめて何か。 何か、連合のためにしなきゃって。 私が戦わなきゃって、思ったんです。 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「それでよい」 師匠は、満足げに頷きました。 「結果はどうであれ、お前は自ら戦うことを決心した。戦場に行く前のお前には決して出来なかった決断、出せなかった勇気じゃ。それをお前は、自ら学び取った」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama その時の師匠の顔は、とても眩しくて。 「よし、合格じゃ。お前がそこまで成長してくれれば、儂は安心して旅立つことができる」 「……師匠？」 「儂は少し、この家を空ける。この世界の影に立ち向かうため、少しばかり会談せねばならんからな」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama ……え？ 「師匠……どこかに行ってしまわれるのですか？」 「ああ、少しの間じゃ。儂が家を出ている間、ここはお前に任せる」 「えええええええっ！？」 ちょ、ちょっと待ってください師匠！私何も聞いてませんよ！？ ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「以前のお前にこの家を任せるには、少しばかり心配じゃったのでな……急遽修行に出てもらったというわけじゃ」 「師匠ー！？そんな目的聞いてません！」 「儂が出ていくと分かっては、お前は戦争どころではないじゃろう？」 「そうですけど！！」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「パナーシェ、すまないがこれは外せぬ用事なのじゃ。影の組織……パンドラの暗躍を止めるため、儂は行かねばならぬ」 「う、うう……」 師匠…… そんな。こんなことなら、昨日の晩御飯は師匠の大好きな人参にしておくべきでした…… ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 行ってほしくない。なんだか師匠は大きなことをしているようですが、それだけ危険も大きいはず…… でも……きっと、私が止められることでもないのでしょう。 「師匠……」 「分かってくれるな、パナーシェ」 「……はい」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 師匠……どうか、ご無事で。 「因みに、どこに行かれるのです……？」 「ああ、条約領じゃよ。あそこには有名な酒場もあるというからの。お前にも土産を持って来よう」 「条約領ですか……それはまた、遠いですね」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「何、移動には馬も借りる。途中で仲間とも合流する手筈じゃ。心配する必要はない」 師匠は、そう言うと私の頭に手を置きました。結構背伸びして。 「パナーシェ、お前は儂の可愛い弟子じゃ。良い子で待っておるんじゃぞ」 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama かくして、師匠は旅立っていきました。 私は不安でいっぱいです。戦場で仲間と戦う勇気を学んだと言っても、人は簡単には変われません、私はまだ、怖い。 どこに敵が潜んでいるか、 誰が私を食べようとしているのか、 私には分からないのですから。 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama 「ひいいっ！？あ、あ、貴方私を食べる気ではありませんかっ！？」 今日も町は賑やかです。 頑張れ私。 負けるな私。 恐れるな、前を見ろ。 仲間と共に、勇気を持って。 タクトを握り、進め。 一発だけなら、誤射かもしれないんだから……。 ＃臆病兎の晩餐

ノア＠パ君SGO＠返信遅くなります @okurikedama

@okurikedama ……後に私は条約酒場の恐ろしさと野蛮さを噂に聞き、師匠を追いかける中で、過去と現在、未来が入り乱れる大混乱に巻き込まれることになるのですが。 それはまた、別の話――。 GC大戦ロスタイム　fin. ＃臆病兎の晩餐