忍殺二次創作短編【イクサ・イズ・サツバツ・ライク・モノトーン・フラッシュ】

ニンジャの……イクサ!(オリジナルのニンジャ中心です)
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「いえ、そんな!さすがのワザマエでした、センパイ!」きらきらした瞳でそんなことを言われ、ワイルドローズは苦笑する。彼女と仕事をするようになったのはいつからだったか。相棒のディスコに押し付けられた形だが、なんだかんだ彼女はついてきている……20 #4215tk

2016-04-10 20:20:15
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

いつの間にか、スクイールはPVCコートを拾い上げていた。それを受け取ろうと歩み寄りかけたワイルドローズは「そこから離れてッ!」突如ざわめいたニンジャ第六感に従い、叫ぶ!反射的にスクイールが跳ぶと同時、彼女の背後の壁が内側から弾け飛んだ!21 #4215tk

2016-04-10 20:24:24
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「フム。今のアンブッシュを避けるか」瓦礫を踏み砕き、現れたのは一人のニンジャ。左右の腰に二振りずつ、背に交差させるようにして二振りのカタナを背負った異様な風体だ。「少なくとも当初のターゲットどもよりは練れている。成る程」「シツレイだけどアナタ、どこのどなた?」22 #4215tk

2016-04-10 20:28:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

スクイールを下がらせ、ワイルドローズは問う。アトモスフィアでわかる。先の三人とは比べ物にならぬほどの使い手!六振りのカタナを携えたニンジャはオジギを繰り出した。「ドーモ。アマクダリ・セクトのアステリスクです」「ドーモ、アステリスク=サン。ワイルドローズです」23 #4215tk

2016-04-10 20:32:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

カタナを構えようとするスクイールをワイルドローズは制する。「こちらはスクイール=サン……アマクダリ・セクト?なんでそんなのがここに」「ここいらで暴れていた野良ニンジャどもの掃討が俺の任務だ」アステリスクは腕組みをし、答える。「先を越されたようだが」24 #4215tk

2016-04-10 20:36:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

言いながらもアステリスクがわずかに距離を詰めたことを、ワイルドローズは見逃さない。「それはご愁傷様……もうお仕事は終わりでしょう?帰ってバーにでも行ったらどう?」「否。仕事はまだ終わっておらん」アステリスクが言う。「ニンジャはまだいるのでな」25 #4215tk

2016-04-10 20:40:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

成る程。ワイルドローズは理解した。詰まる所、間が悪かったがためにアマクダリのニンジャとことを構えねばならなくなったらしい。市井のニンジャとは比べ物にならぬ練度を持った連中と。彼女は笑みを浮かべた。ヤバレカバレではない。満足気な笑みを。26 #4215tk

2016-04-10 20:44:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そう。じゃあさっさと仕事を終わらせてあげるわ」ワイルドローズはカラテを構えた。アステリスクが片方の眉を跳ね上げる。「ほう。協力してくれるのか」「ええ。ついでに休暇に行ってくるといい」雨脚が強まる。「もっとも、行き先はジゴクになるだろうけど」27 #4215tk

2016-04-10 20:48:19

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

成る程。ワイルドローズは理解した。詰まる所、間が悪かったがためにアマクダリのニンジャとことを構えねばならなくなったらしい。市井のニンジャとは比べ物にならぬ練度を持った連中と。彼女は笑みを浮かべた。ヤバレカバレではない。満足気な笑みを。26 #4215tk

2016-04-11 20:02:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そう。じゃあさっさと仕事を終わらせてあげるわ」ワイルドローズはカラテを構えた。アステリスクが片方の眉を跳ね上げる。「ほう。協力してくれるのか」「ええ。ついでに休暇に行ってくるといい」雨脚が強まる。「もっとも、行き先はジゴクになるだろうけど」27 #4215tk

2016-04-11 20:04:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

アステリスクの目が細まった。「その言葉。ワザマエ通りか増上慢か、試してやろう」「ドーゾお手柔らかに。アマクダリのお兄さん」おどけるワイルドローズ。彼らは睨み合う。その構えは対称的だ。ワイルドローズは小刻みにステップを踏み、アステリスクは両腕を組んだまま不動!28 #4215tk

2016-04-11 20:08:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「「イヤーッ!」」両者の間に火花が散った!同じタイミングで投げられた各々の飛び道具が衝突、消滅!ワイルドローズは口の端を歪めた。彼女が投擲したのはデン・ジツをエンハンスしたクナイ・ダート。直撃すればもちろん、掠っただけでも麻痺を免れぬ危険な代物だ。29 #4215tk

2016-04-11 20:12:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

しかしアステリスクはそれをスリケン迎撃……否、違う。こちらと同様、相手もまた牽制目的。狙いがまるで同じということに他ならない!つまり「「イヤーッ!」」カラテでカタをつける算段!両者は同時に地を蹴った!アステリスクの瞳に薄紫の炎が灯る!「アシュラ・イアイド!」29 #4215tk

2016-04-11 20:16:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

おお、見よ!同色の燐光がアステリスクのカタナを包み、一斉に自律抜刀!タイミングをわずかにずらしながらイアイを放った!(キネシス・ジツ……!)ニューロンが加速し、時間が鈍化する。ワイルドローズは笑った。血がざわめく。「イヤーッ!」彼女は回転する!30 #4215tk

2016-04-11 20:20:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

左右から迫るカタナを両手のサイバネ爪で弾く。右斜め下から斬り上げてきたカタナが、左手首より先をケジメした。ワイルドローズは左肘に格納されたプラズマ・カタナを展開。左斜め下から斬りかかる敵のカタナを斬り払う。そして倒れ込むようにして右手を地面に突き、倒立。31 #4215tk

2016-04-11 20:24:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

即座に脚を折り畳み、左右斜め上から同時に斬りかかってきたカタナを回避。ワザマエ。「イヤーッ」ゆっくり回転する視界の中、ワイルドローズは見る。弾かれたカタナを受け止めたアステリスクが、二刀をもってすくい上げるような斬撃を放つ瞬間を。「……イヤーッ!」32 #4215tk

2016-04-11 20:28:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ワイルドローズは右腕の力だけで跳ね上がり、アステリスクに肉薄する。体を捻ると同時、彼女の爪先から、腰から、両肘から!仕込みプラズマ・カタナが展開する!これが彼女最大の武器。ソウルがもたらしたデン・ジツを組み合わせることによって実現したサイバネティクスだ!33 #4215tk

2016-04-11 20:32:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……影が交差する瞬間、小さく弾けるような音がした。34 #4215tk

2016-04-11 20:36:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ワイルドローズは水を蹴立ててアステリスクの後方に着地、ややよろめいた。胸のあたりにバツの字の傷。生身の……然り、相方と違ってオモチシリコン製ではない……バストが覗く。時間の流れはもう正常に戻っている。彼女は痛みに顔をしかめた。アステリスクはイアイ姿勢のまま。35 #4215tk

2016-04-11 20:40:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「俺に油断はなかった」「でしょうね。アタシも同じ」二人のニンジャは背を向けあったまま言葉を交わす。離れた場所でイクサを見ていたスクイールは息を呑んだ。アステリスクの首、そして腰が。斜めにずれていく。アステリスクが苦笑した。「ならばこう言うべきだな。オミゴト」36 #4215tk

2016-04-11 20:44:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ワイルドローズが振り返り、ザンシンする。「ハイクは詠まないの?アステリスク=サン」「……イアイドー/閃光めいて/サツバツな」アステリスクが目を閉じる。同時、彼の体は分断され路上に散らばった。「サヨナラ!」爆発四散!……ただ重金属酸性雨の音が、周囲を満たした。37 #4215tk

2016-04-11 20:48:03