【髭切】源氏兄弟歴史&説話まとめ【膝丸】

個人的に髭切&膝丸の関連説話、史跡、来歴などについて調べたことをゆる~くまとめました。 あくまで個人の意見、考察であることをふまえたうえでお読みください。 ・平家物語とは? ・膝丸のキャラ造形と義経 続きを読む
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げんまい@備中 @genmaicha62

「剣巻」では宇治の橋姫の由来が最初に語られているけど、後半の綱(兄者の一騎討ち台詞参照)が鬼と出会うのは京の一条戻橋で場所が全然違うし、鬼の性質も異なる(前者は出現場所を選ばず、後者は橋という境界に縛られており綱は通り魔にあったようなもの)その上後半ではこの鬼が橋姫だとは一言も

2016-03-26 19:35:45

【参照】「剣巻」の「創作」態度―宇治の橋姫をめぐって 渡瀬淳子『早稲田大学教育学部学術研究 国語・国文学編』 (54),13-24,2005

「曽我物語」と幸若舞「剣賛談」「十番切」について

げんまい@備中 @genmaicha62

「剣巻」の獅子ノ子対小烏→友切を代表するように太刀が斬り合う話は刀剣伝書や「太平記」「つるぎ賛談」等にも繰り返し登場するテーマなのですが、「曽我物語」以上に滾るストーリーはないと思っていて…誰かとこの気持ちを分かち合いたい…実質的には最終対決は髭切 対 膝丸ですよね!?

2016-07-01 22:55:56
げんまい@備中 @genmaicha62

「剣巻」では薄緑所有で仇討をした五郎が捕まった結果、頼朝の元で二振りが揃いましためでたしくらいの感じでさらっと書かれているのですが、「曽我物語」では殺意は無かったと後で弁解しているとはいえもう少しで頼朝&髭切vs五郎&友切(曽我ではこの名前)でリアルファイト寸前までいったという…

2016-07-01 23:07:48
げんまい@備中 @genmaicha62

昨日呟いた「十番切」(五郎が殺意を持っているver. つるぎ賛談の続編)を読んでたら衝撃的な事実が分かったんですが、これ、他の曽我物語にもある設定なのかな…私が読み逃していただけかな…ちょっと確認してきます

2016-07-03 00:10:32
げんまい@備中 @genmaicha62

幸若舞「十番切」で五郎が仇討ちに使用した膝丸(この時の名は蜘蛛切)は五郎が頼朝の襲撃に失敗した後に、 五郎本人の斬首に使われていることが分かりました。頼朝の命によって… 多分「仮名本曽我物語」には無い設定かと思います…なんてこったい…

2016-07-03 00:27:58
げんまい@備中 @genmaicha62

時宗(五郎)が太刀を取り出し、「これにて切れ」との上意なり。時宗、此太刀を見て、「前略~この太刀にて、某が首を斬られん事の不思議さよ」 髭切と膝丸が斬り合う「剣賛談」の続続編(間に「夜討曽我」が入る)がこの「十番切」なので、この太刀は間違いなく膝丸ですな…

2016-07-03 00:34:25

※実際に幸若舞に登場するのは鬚切と膝切(五郎が持っている時は蜘蛛切)で膝丸ではないのですが、明らかに剣巻の髭切&膝丸の設定をベースにして曽我物語と組み合わせて話を作っているので、とうらぶクラスタ的にはほぼ膝丸だと思ってしまってもよいかと思います。

最上家の鬼切丸について

げんまい@備中 @genmaicha62

【速報】複写依頼をかけていた山形の刀剣資料に北野天満宮さんで表紙だけしか見れなくて歯嚙みしてた「鬼切丸太刀伝来記」がおそらくではありますが全文掲載されていました;;;;ありがたやありがたや…これで髭切の調査が捗ります!!! pic.twitter.com/2XBEz6hwyg

2016-04-05 19:04:55
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げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 「伝来記」によると、最上家の鬼切丸は源満仲→頼光→義家→箱根権現→頼朝→足利→斯波→最上と伝わったとされています。どこまで史実に沿った内容なのかは分かりませんが、「剣巻」と違って義朝を介してはおらず、箱根権現が登場するあたりは「曽我物語」の影響があるかと

2016-04-11 21:24:16
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 足利氏→斯波氏と伝来したとすると「太平記」にある新田義貞が佩刀していた鬼切(巻17&20参照)は別の太刀なのか?と思ってしまいますが、最上は足利の分家斯波氏からさらに分かれた家なので故意に新田を省略したのかもしれません。

2016-04-11 21:29:09
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 ちなみに「太平記巻二十義貞自害の事」には佩刀についての記述があるのですが「一振りには銀を以て金ハバキの上に鬼切と云文字を沈めたり。一振りには金を以て銀ハバキの上に鬼丸と云文字を入らる。」とあり、鬼切と鬼丸(国綱)はペアルックだったと。膝丸さんこちらです

2016-04-11 21:33:22
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 「伝来記」にも享保17年(1732)の「上覧覚書」にも道具についての記述は白鞘や刀袋、刀掛しか記録が見らませんでした。佩刀する為の鞘や鐔などの拵えは早い段階で使用されなくなったのでしょうか。

2016-04-11 21:44:27
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 太刀として佩かれることがなくとも鬼切丸は病魔を祓う剣として江戸時代にも伝えられ、最上氏の参覲交代時に共に江戸⇄大森(滋賀県)を移動した際には刀箱の下をくぐると「おこり」という病気に罹らないと道中の民衆の間では有名であったと『郷土史夜話』等で紹介されて→

2016-04-11 22:03:04
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 います。『伝来記』にも「朝敵退治、悪摩降伏、国家鎮護之神剣ト信仰罷在」とあるのですが不思議と盛り過ぎだとは感じさせません。流石は兄者…

2016-04-11 22:06:31
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 ちなみにこの『鬼切丸伝来記』は明治二年(1869)に最上家当主の義連から京都の留守官御伝達所へ提出されたものので、私が参考にしたものは「刀剣山形」掲載のそれの写本です。もちろん成立は『平家物語 剣巻』『曽我物語』『太平記』よりもかなり後年です。

2016-04-11 22:52:31
げんまい@備中 @genmaicha62

そういえば今日の資料探しで髭切と膝丸の過去の展示図録を見てきたのですが、髭切の方の図録説明文が英語併記でdemon slayerとあり厨二病の発作が

2016-03-14 20:44:23

→2001年 京都国立博物館 「北野天満宮神宝展」図録より

げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 昨日は膝丸の刃文について触れたので今日は髭切(鬼切丸)について。昭和二年(1927)四月に旧国宝に指定された際に選定委員の一人、松平頼平が記した「鬼切丸安綱太刀説明書」にはこうあります。以下引用→長さ二尺七寸九分二厘、その姿秀麗にして、肌には一面に

2016-04-13 23:33:36
げんまい@備中 @genmaicha62

@genmaicha62 映りあり。のたれ乱れの刃文また華やかにして、力に充ちておる。物打の辺に少し疲れを見せておるが、一種名状し難い高古の品格がある。作者は在鍛冶として最古の人と知られる、伯耆の巨匠安綱である。(引用終わり) 「高古の品格」という表現がぴったりですね…!

2016-04-13 23:38:19

大覚寺 薄緑の謎

げんまい@備中 @genmaicha62

先日の京都国立博物館での刀剣展示「刀剣を楽しむ―名物刀を中心に―」では膝丸(太刀 銘□忠)は古備前近忠説が推されていましたが、同じ京博で1992年に行われた特別展「嵯峨御所大覚寺の名宝」では同じ備前でも一文字宗忠の作風に近いのではないかと別の説が唱えられていたみたいで興味深いです

2016-04-13 00:02:45
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