
昔からよく言われたこと。いろんな言い方あったけど、要約すると「物語にベタはない。描写にベタがある」というような意味でした。たとえば”物語の基本パターンはすべてシェークスピアが書いてしまった”なんてことがよく言われるけど…
2011-02-03 10:10:17
人間がやることなんてある意味たかがしれていて、パターンは限られているともいえる。だからストーリーはありふれてても仕方ないし、ありふれててもかまわない。たとえば「二人の男がひとりの女をめぐって争う話」をベタだと否定してもしょうがない。
2011-02-03 10:10:38
そう言われたら「当たり前じゃん」って思うだろうけど、実際にネームやってるときはそういう”客観性”をなかなかもてないもの。描いてるものがどうにも面白くないとき、つまんないのはストーリーの大枠や構造がダメだからと思ってしまいがちなもの。
2011-02-03 10:10:59
もちろんストーリーに問題があることも多いけど、それはテーマとストーリー(の構造)の相性が悪かったり、結局のところキャラクターがいまいちなだけだったりで、ストーリーそのものには罪はないことも多いのです。
2011-02-03 10:11:10
大事なのはそのストーリーをキャラクターがどう演じるかだし、作家がどう描写するかだと思う。「プロットはシンプルに、描写は深く」ということもよく言われると思う。
2011-02-03 10:11:25
ある作家さんが言ってた。歴史もので、何週にもわたる大きい戦のエピソードなんかになるとプロットはいやでも壮大になる。何十人もの人物が絡むし、作戦も複雑だし。そのプロット組むのが一苦労なんだけど、大事なのはそれを「沈める」作業。
2011-02-03 10:11:35
それこそそういうプロットは文章にして読むと面白いんだけど、漫画としてはそれが前面に出てはいけない。水面に浮かびあがろうとする巨大なプロットを渾身の力で沈めて、人物の面白さで話をはしらせないと。
2011-02-03 10:11:49
もちろん奇想天外で面白い物語も存在するけど、結局漫画においてはすべて魅力的なキャラクターや鋭い描写あってこそなのだと思う。そうでないならわざわざ漫画で描かんとあらすじ書いてのっけときゃいいわけだ。
2011-02-03 10:12:02
はやいもんで次回ちば賞まで一か月切りました。前回に引き続き今回も大賞受賞者はその作品を「単行本化」して書店で発売できる権利あり。前回受賞者の単行本は、60pの描き下ろし(4月に30p×2週連続で掲載)を加えて5月か6月に店頭に並びます。
2011-02-03 10:12:19