剣kenn氏による『日本の新しいリアリズム ―― 安倍首相の戦略ビジョンを検証する』論文への感想

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剣kenn @hskenncutter

フォーリン・アフェアーズに掲載されたマイケル・オースリンの寄稿を読んだ。安倍政権の安全保障政策を肯定的に論じたものだ。さすがにアメリカの対日研究者だけあって本当によく見ている。ここ20〜30年の日本の安全保障政策の変遷をきちんと追いかけていて、流れもきちんと記述されていた。

2016-04-15 19:49:58
剣kenn @hskenncutter

オースリンの寄稿で面白かったのは鳩山由紀夫政権についての評価だ。「日米間にくさびを打ち込む一方で、中国や韓国への接近を試みた」とはっきり書いてあって大笑いした。米国人らしい率直な表現だ。菅直人については「これといった実績を残せずじまいだった」と蛇足みたいな扱い。これまた妥当としか

2016-04-15 19:55:05
剣kenn @hskenncutter

冷戦終結で日米同盟の不透明感が増した時期に、北朝鮮の弾道ミサイルが日本列島上空を通過したことが「日本にとってのスプートニクショック」になった、というのがオースリンの見立てだ。これ以後、日本は安全保障について国連中心主義を捨て「古典的なリアリズム路線」を取るようになったと。

2016-04-15 20:02:09
剣kenn @hskenncutter

テポドンショック以後、日本は「国家とはパワーを模索するものであり、日本を防衛する唯一の方法はより強力な複数のパートナーを作り、もっと積極的な外交政策を展開する必要がある」と考えるに至ったとオースリンは見ている。テポドンだけでなく拉致問題発覚の影響も大きいと思うが概ね首肯できる。

2016-04-15 20:07:06
剣kenn @hskenncutter

安倍総理が第一次政権時代からパートナー諸国との安保協力を拡大したがっていたこともオースリンは見逃さない。さすがだ。国家安全保障会議の局長に谷内正太郎さんを選んだことも重要な決定と書いてあった。本当によく見ているなとここでまた驚く。武器輸出解禁や防衛費増額の記述が続く。肯定的評価。

2016-04-15 20:15:13
剣kenn @hskenncutter

冷戦期を通じて日本はアジアで孤立し米国が唯一の同盟国だったともオースリンはハッキリ指摘している。だから安倍総理は豪州・インドと新しい関係を構築したのだという含みだ。準同盟国2カ国についての記述、さらに東南アジア諸国やNATO・英仏との安保協力強化についても書き漏らしていない。

2016-04-15 20:22:11
剣kenn @hskenncutter

安倍総理が単なる「反中」ではないとの指摘も重要だ。もちろん拡大する中国の脅威に焦点をあててはいるが、微妙なバランスを取ろうとしてもいるのだと。確かに安倍総理はセキュリティ・ダイアモンド論文でも「日中関係の安定は大事だ」と確かに認めていた。オースリンもそのことを分かっているわけだ。

2016-04-15 20:29:10
剣kenn @hskenncutter

オースリンが安倍政権の安保政策を肯定的に論じた結びの言葉は、政治家や官僚よりもむしろ多くの日本人国民一般を勇気づけ励ましてくれるものではないだろうか。すなわち「現在の日本は、アジアを豊かさと安定へと導く『リベラルなシステム』を強化し、擁護していくために古い制約を解体しつつある」と

2016-04-15 20:34:18
剣kenn @hskenncutter

ま、結局、毎度毎度おんなじことを指摘しているのですが、安倍総理は海外では立派なリベラル政治家として認識されているということですね。分かりましたか?日本の自称リベラルの皆さん? というところで連投おわり。

2016-04-15 20:36:18
御蔵 @okura_mikura

日本の新しいリアリズム ―― 安倍首相の戦略ビジョンを検証する | FOREIGN AFFAIRS JAPAN foreignaffairsj.co.jp/articles/20160… 大火力氏~

2016-04-17 20:39:59