まん鰐愛の行方~毛玉にもたらされた悲劇~

まんじゅう×鰐の夢物語だよ!真実の愛を探しもがき苦しんだまんじゅうさんの魂のシャウトを聞け!
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@manzyuutarou

待ち合わせの喫茶店に行くと、もうあの人が店の中に居て、ボックス席でコーヒーを飲んでいた。私は急いで店に入り、すぐさまあの人の座っている席の向かいに座った。「待ちましたか?」とりあえず聞いた。あの人は眉間にシワを寄せると「見せろ」と低い声で言った。

2011-02-04 01:44:51
@manzyuutarou

鞄に手をかけながら「あまり喫茶店で広げる様なものじゃ・・・」と呟くと、あの人は益々シワを寄せて私を睨んだ。ここまで来たんだ。今更隠しても仕方ない。そう自分に言い聞かせて、鞄の中から例の物を出した。

2011-02-04 01:49:57
@manzyuutarou

今まで自分があの人を思い描いた本。あの人の全てを自分のものにしたくて描いた本。世に言う同人誌である。あの人はその本の表紙を見て眉をぴくりと動かして眺めた。「随分描いてたんだな。」あの人は私が初めて描いた発禁本を手に取った。

2011-02-04 01:55:27
@manzyuutarou

あの人は表紙を眺めて「俺はもっと目尻細い」と呟いてパラパラと本をめくりだした。中は本当にそういうシーンしか描いていない。あの人はたまにめくるのをやめては目を見開いて中身をガン見した。ああ・・・そのページはあなたが漏らしてるコマが・・・。

2011-02-04 02:01:06
@manzyuutarou

あの人は段々震えてきた。店員が私に注文を聞こうと寄って来て、あの人が読んでいる本にぎょっと驚きながらも私に注文を聞いた。ミルクティーを頼んだ。あの人はまた次の本を手に取った。それは多分あなたがショタ化した本だ。

2011-02-04 02:04:15
@manzyuutarou

「こんな馬鹿みたいなこと言うガキが居るかっ・・・」あの人は歯を食いしばりながら言った。そうですね「お兄ちゃんのカルキ臭い牛乳飲みたい!」なんて言うガキ居ませんね。私は段々消えたくなってきた。

2011-02-04 02:08:04
@manzyuutarou

どんどんと私の妄想を形にした本が本人に読まれて行く。さすがに泣きたくなってきた私は「あの・・・もういいですか・・・?」と聞いた。その瞬間あの人は手にしていた本を私の顔にぶつけた。「人の事をこんな好きに描いておきながら今更何だ!!!」あの人は顔が真っ赤になっていた。

2011-02-04 02:15:34
@manzyuutarou

店員にも客にも構わずあの人は叫んだ。「こっこんな恥ずかしい・・・その、なんだ、変態みてーな姿描いて何が楽しいんだ!!!気持ち悪い!!!」あの人の目尻から涙が溢れていた。「俺のこといつもそういう目で見てたんだろ!頭の中じゃ犯したいとか思ってたんだろ!ヘドが出そうだ!!!」

2011-02-04 02:20:58
@manzyuutarou

私はただ謝るしか出来なかった。すみません。すみません。でもあの人の怒りはおさまる訳が無かった。すぐさま店員が来てあの人をなだめようとしたが、あの人はうるさいと叫ぶと店員は怖じけずいてしまった。あの人は私の胸倉を掴むとぶるぶると震えながら「お前を信じたのが間違いだった」と言った

2011-02-04 02:26:41
@manzyuutarou

私はそのまま背負い投げされ客席に飛んだ。客は悲鳴を上げて避けた。私は机にぶつかり、コーヒーとケーキまみれになった。痛かった。でも、それよりも、あの人を傷つけてしまった悲しみからくる痛みが大きかった。

2011-02-04 02:35:25
@manzyuutarou

今私は狂っているのかいないのかわからない

2011-02-04 02:36:51
@manzyuutarou

あの人はそんな私の姿を冷ややかに見た後、店の人にコーヒー代と弁償代だと言ってブラックカードを渡し、店を出て行った。私は体の痛みをこらえ、急いで席に戻り、本を鞄に入れて、走って店を出た。あの人を追い掛けた。

2011-02-04 02:41:02
@manzyuutarou

あの人は歩幅が広いしズンズン歩くからすぐに見失ってしまう。だから懸命に走って追い掛けた。「待って!!!話を聞いて下さい!!!」私は出せる限りの声を張り上げた。あの人はぴたりと止まった。

2011-02-04 02:46:01
@manzyuutarou

やっとあの人に追いついた。「あの・・・あなたに黙ってこんな本を描いてたのは謝ります。でもっ・・・」息切れをこらえながらもあの人を見てちゃんと自分の気持ちを伝えようとあの人を見た。するとあの人はとてつもなく冷めた顔をしていた。

2011-02-04 02:49:38
@manzyuutarou

冷めた顔で見られた私は不覚にもゾクリとした。それからあの人は私に抑揚のない声で言った。「言い訳はいい。それにもうお前とはオサラバだ。」どういう事だ。「俺は結婚する。」まさかの答えだった。

2011-02-04 02:53:21
@manzyuutarou

私は抱えていた鞄を落とし、しまいには膝まで落とし、へたり込んでしまった。あの人はフンッと鼻で笑いながら「てめーみたいな奴はそうやって妄想しながらオナニーしてりゃいいのさ。一生な。」そう吐き捨て、その場を去って行った。私は道の向こうに揺れる黒いコートをいつまでも見つめていた。

2011-02-04 02:58:03
@manzyuutarou

アパートに戻った私は泣いた。泣いて泣いて泣きぬいた。あの人を失ったのは自分のせいなのに悔しくてたまらない。こんな虚構に夢を描いて何になるのだ。大切な人を現実で愛せなくては意味がないじゃないか。そう思うと益々涙が溢れた

2011-02-04 03:01:39
@manzyuutarou

泣きながら私は今までの事を思い出した。夏休みのある日、私は実家に帰省をしていた。するとあの人もたまたま帰省していると聞き付けた。あの人は私の家の近くに住んでいた人で、大きな会社の社長をしていた。私は昔からあの人を知っていたし、あの人も私を知っていた。

2011-02-04 03:08:59
@manzyuutarou

久しぶりに会ってみようとあの人の元に行った。あの人は相変わらず可愛い人だった。私はデートと称してあの人を誘った。あの人は子供の遊びと解釈し意外にも素直に付き合ってくれた。少し納得いかないが。

2011-02-04 03:12:11
@manzyuutarou

たった一度のデートだったが私は心の底から楽しめた。あの人もそれなりに楽しんでくれた様だ。だから二度目のデートも申し込んだ。あの人はいいよと答えた。嬉しくてその日は右手の上下運動がいつにも増して激しかった

2011-02-04 03:15:29
@manzyuutarou

しかししばらくして私の元に変な毛玉が現れた。生意気にハデなサングラスまで着用している。あの人について話があると私に近づいてきた。私は警戒しながらもついて行った。毛玉は「あれは俺のモンだから取るな」と切り出して来た。いきなり何を言い出すんだこの毛玉。

2011-02-04 03:18:45
@manzyuutarou

私はお前がそんな事言える資格はあるのかと吠えたが「あいつは俺のフィアンセなんだ」とニタニタ笑って言った。バカな。あんな素晴らしい人のフィアンセがこんな毛玉な訳がない。私は色々吠えたが毛玉はあの人との惚気話しか喋らなかった。非常にムカつく

2011-02-04 03:24:09
@manzyuutarou

しばらくするとなんとあの人が来た。私は確認しようとあの人に話しかけようとしたが、あの人はすぐさま毛玉の元に行き、何かを喋った。おいやめろ毛玉あの人に気安くキスをするな。私はイライラしてその場から離れた。途中あの人が呼ぶ声がしたが怒り心頭で聞こえないフリをした

2011-02-04 03:27:15
@manzyuutarou

ねぇこれ最終的にまんじゅうの略奪愛なんだがやっぱドフ鰐?

2011-02-04 03:31:32
@manzyuutarou

もういいやあんまり人居ないと踏んで略奪愛ね

2011-02-04 03:34:26