【村上部長 ①① もしかして?】

村上部長のお話 ①①
1
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①】 結婚して早くも半年 「おい、丸山。ここまた間違ってる」 「あ、すみません」 「それから大倉、この前の見積もりやけどな…」 慌ただしく過ごす日々は相変わらずで 変わった事は 彼女が部署を移動した事 それは結婚を決めた時に上司に言ったのは俺やから仕方ないけど

2016-04-28 23:18:11
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ②】 帰って来ると 『今日安田さんが会議中寝そうなのをずっと耐えててすごく面白かったんですよ』 とか 『錦戸さんにまたお菓子貰ったんです』 とか報告してくれる彼女 ええんやけど 楽しそうで ついついそういう時は 「他の奴の話はええわ」

2016-04-28 23:18:29
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ③】 なんて言って彼女の口を塞いで 押し倒したりする 『もう。信五さんが教えろって言ったのにっ…』 何て言われても もう止まらへんし 「そやけどやっぱり楽しそうすぎるわ」 『もう。相変わらずヤキモチ焼きですね』 そんな風に言って受け入れてくれる彼女

2016-04-28 23:19:02
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ④】 そんなある日 “部長。奥さん体調悪いんですか?” 「え?朝はそんな感じなかったで?」 大倉の彼女に言われる “さっき、給湯室で会ったんですけどしんどそうだったんですよね。彼女も大丈夫って言ってたんですけど…” 「そうか。ありがとう」

2016-04-28 23:19:28
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ⑤】 居ても立っても居られんくて 彼女の部署を覗きに行く 「おい。何してんねん」 振り返ると横山がおった 「あぁ。あいつは?」 「はぁ?仕事中じゃ見たわかるやろ」 「そやな。体調悪そうとかないけ?」 「大丈夫そうやけど」 パソコンに真剣に向かってる彼女

2016-04-28 23:19:47
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ⑥】 「今日あいつ定時け?」 「あー。多分な」 「ほな、迎えに来るって伝えといて」 「何で俺が…」 戸惑ってる横山を無視して仕事に戻る 色々考えたけど 特に思い当たる節もなくて 新生活で疲れたんかもしれんし とにかく今日は定時で一緒に上がる事にした

2016-04-28 23:20:04
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ⑦】 「帰るぞ」 『ここまで迎えに来なくても…』 「たまにはええやんけ」 いつも通りに見えるけど ずっと彼女を観察してみる 料理中 時々胸をさする動作をする彼女 まさか… 一瞬浮かんだ考え そういえば最近来てない気もするし でも元々不規則やって言ってたし…

2016-04-28 23:20:27
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ⑧】 目の前の彼女のスマートフォンの中で管理されてるそれ ジッとにらめっこしてみる 『信五さん?大丈夫ですか?ごはんできましたよ?』 知らん間に食卓に並んだ料理 『お腹空きましたね』 何て言って食べ始める彼女 こういうのは単刀直入に聞いてええんやろか…

2016-04-28 23:20:42
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ⑨】 じっとしてられへんし 食器洗う彼女の横にぴったりくっついて立ってみる 『信五さん変ですよ今日。どうしたんですか?』 「え?そうか?普通やん。たまにはちゃんと手伝おうかなって」 『ゆっくりしててください。折角定時で帰ってこれたんですから』

2016-04-28 23:20:56
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①⓪】 「定時で上がれたんやからゆっくり相手してもらわんと」 顔を真っ赤にした彼女 『信五さんのエッチ…』 「別にゆっくり一緒にお酒飲もかなって意味やけど?」 『なっ…』 「それなら期待に応えんとなー」 と彼女の腰を寄せる 『期待してませんっ…』

2016-04-28 23:21:12
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①①】 面白くなってついつい揶揄ってしまう 「そういえば体調悪いん?」 『え?あー夏バテですかね…少し食べれない時もあって』 「大丈夫か?無理すんなや?」 『ありがとございます。大丈夫です』 「今日は先に風呂入ってこい」 そう言って彼女から食器を取り上げる

2016-04-28 23:21:24
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①②】 『いいですよ。信五さんどうぞ』 再びスポンジを持とうとするのを阻止して彼女を追い出す 本人に自覚がないなら 俺の思い過ごしかも知れへんし ほんまに夏バテかも知れへんし 彼女をゆっくりさせるしか俺にはできひんけど 彼女と入れ違いでおれも風呂に向かう

2016-04-28 23:21:37
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①③】 上がってくると彼女はもうベッドの中で 「大丈夫か?もう寝るか?」 いつもよりも早い時間で 俺も布団に潜る 背中を向けている彼女 チラッてこっちを見て 『信五さんのせいです』 何のことかわからんくて 身体ごとこっちを向かす

2016-04-28 23:21:52
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①④】 『信五さんが変態だから悪いんです』 何て目を潤ませて言う彼女 「やっぱり期待したん?」 おでこに軽くキスをする 『してないです』 「したくせに」 パジャマのボタンに手をかけるけど全然抵抗しいひんし 「体調大丈夫なんやな?」 頷く彼女

2016-04-28 23:22:04
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①⑤】 ゆっくり時間かけて めっちゃキスをしながら進めてく 触れるところ触れるところを敏感に反応する彼女 『んっ…ゃっ…信五さん…』 「何や?」 『どうして…今日はそんなにゆっくりっ…』 「たまにはええやろ」 挿れるまでに時間をかける

2016-04-28 23:22:12
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①⑥】 「結婚して飽きたって言われるんも嫌やでな」 『そんなことっ…』 「めっちゃ感じてるな」 『やぁっ…』 彼女の知り尽くしたポイントを焦らすようにゆっくりと攻める いつも以上の締め付けに 「あ、あかんっ…」 『私もっ…無理ですっ…』 そのまま果てる

2016-04-28 23:22:18
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①⑦】 ずっとくっついていたいけど 寝息を立て始めた彼女 風邪を引かんようにして 抱きしめて俺も眠った 翌朝目を覚ましたら目覚ましよりもかなり早い時間 すでにベッドにおらん彼女 リビングに行くとソファに座ってボーッとしとった

2016-04-28 23:22:21
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①⑧】 『おはようございます』 「めっちゃ早いやん。どうしたん?」 『え?あ、はい…』 「ん?」 『なんかずっとムカムカしてて…』 と顔色もあんまり良くなくてグッタリしてる彼女 もしかしてがまた頭に浮かぶ ベッドに寝かせて仕事を休ます

2016-04-28 23:22:23
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ①⑨】 「落ち着いたら病院いけや?んで、必ず連絡して?定時で帰ってくるから。あ、ご飯とかええしな」 『ハイ…』 「無理すんなよ?すまんな。一緒にいてやれんけど」 『ごめんなさい』 1人にするん不安やけど仕方ないし 早めに出社して 猛スピードで仕事する

2016-04-28 23:22:24
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ②⓪】 ずっと携帯を気にするけど連絡はないし ようやくお昼過ぎに来た連絡 “病院に行ってきました。詳しくは帰ってきたら話します” やって 俺は大急ぎで帰宅した 「ただいま」 『お帰りなさい。今日はすみませんでした』 「ええねんそんなんそれより…」

2016-04-28 23:22:26
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ②①】 『着替えてきてください』 話が先に聞きたいのをとりあえず落ち着かせるために着替える リビングのソファに座ると 彼女が取り出してきたのは2冊の冊子 「え?2冊…?」 『双子だそうです…』 紛れもない母子手帳は2冊あった

2016-04-28 23:22:28
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ②②】 「ほんまか!え?双子?!まじか!」 子どもができた喜びも それが双子やった驚きも どっちに喜んでええんかわからんくらい混乱してる俺 「ここにおるんか…」 そっと彼女のお腹に触れてもまだ全然わからない 『ここにこうやっているんですって』

2016-04-28 23:22:30
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【もしかして? ②③】 まだ顔なんかもわからへんくらいの写真を見つめる 「とりあえず無理はするなよ」 悪阻の始まった彼女はしんどそうで 時々心配になる せやからできるだけ家事は手伝う俺 そんな姿に笑う彼女 「早く大きくなれよー」 毎日お腹に話しかける日々が始まった

2016-04-28 23:22:49