痛かったのは報われなかった別れ際の作り笑い。泣けない代わりにここでなら泣けるだろうか。今なら笑えない代わりにここで笑えるだろうか。許せなかったのは彼女の答えじゃない。許せなかったのは見繕った自分。消せなくても消えるわけじゃなくても、いつの日か #そして灰になるから 時間はやさしい
2016-05-04 00:04:08青空に目を細めて 困ったように 笑ってみせる 祈りはあちらこちらに 散らばり きみのカタチを作り 一瞬にして 消えてゆく #そして灰になるから どうか 病に凍りついた笑顔が溶け もう一度芽吹けるように (病)
2016-05-04 00:06:00#そして灰になるから 心配しないで。貴方に迷惑はかけないわ。さぁっと風に飛ばされて消えるだけよ。誰も気にも留めないわ。そういうものなのよ。私って、ほら、燃え易いじゃない? だから今更灰になったってハイになる人なんていないわ。 みんな「あらそうなの」って言って「残念ね」で終わりよ。
2016-05-04 00:47:11無様なカタチで息づく祈りは ただひたすらに砕けるばかり 近付いては離れる 揺らいだままの明日は 嘲笑ってこの胸を殴りつける 口から零れる弱々しい毒が 世界を汚してしまうなら キミを苦しめているなら このまま終わらせようか #そして灰になるから 潰える夢に泣いてくれ (病)
2016-05-04 05:10:45思い出は燃やしてしまいましょう 美しいものから順番に 跡形もなく消えてしまえばいい やがて痛みも苦しみも燃え尽きて #そして灰になるから 両手でそれらを掻き集め 夜明けの海に撒くのです どうか安らかに眠れますように 願わくば来世は報われますように さようなら 哀しき恋の病
2016-05-04 08:14:52歪な絆と爛れた愛情を、ただ見詰める。飽きてしまったら、もう堪え兼ねたなら、蝋燭を態と倒して。轟とした炎に包まれて、皆で焦土へ還りましょう。 #そして灰になるから
2016-05-04 08:58:53あたたかいものはいずれ冷たくなって腐ってしまうもの。 #そして灰になるから 、温度すら感じられなくなった君を硝子瓶に詰めて。叶うならずっと傍に居させて。
2016-05-04 09:14:19口から漏れた嘔吐物。これで終わりかと嘲笑う。 醜い姿だけは晒したくなかったはずなのに、プライドなんてないと嘯いていた。 繕う笑顔も浅ましい、こうやって僕は朽ちていく。 #そして灰になるから そうしたら今よりは美しいだろうかと縋り付く。 朽ち果てることには変わりないくせに (病)
2016-05-04 09:25:03これはとても強い病であって、既に完治の見込みはなく、感染拡大を防ぐ為に僕はもう死ぬしかないのだと内なる僕が言うのです。 お前は罪人なのだと嘲笑うのです。 今に十字に掛けられ火で炙られ苦痛に呻いて #そして灰になるから それがお似合いの末路だと。だから安心して逝けと、彼は
2016-05-04 12:13:53ゆるやかにわたしのからだはこわれて あなたはそれにほほえんだ いぞんしていくこころはほころび ゆいいつだけをもとめたから おのれのねつりょうで わたしはもえた ぐずぐずにくずれ #そして灰になるから もう終わりです。終わりなのです。 わたしはもう、治らないまま。死んでいくのです。
2016-05-04 20:04:46キミを送る花を束ねた。 #そして灰になるから 造花のような恋だった。 鮮やかな毒を隠さずに忍ばせて、 弛緩する脳髄で快楽に溺れて。 極彩色の夢想に魅せられて、 苦痛めいた良薬を吐き出した。 ほら、咲き乱れた衝動で飾ってあげるから。 もう逝きなよ。 (05/05:花)
2016-05-04 23:37:27侵食される痛みの痕を白い仮面の奥に隠して、輪郭をなぞる指で漏れる声を押し潰して。そうして道化を演じる彼があんまりいじらしいものだから、零れ落ちる血痕を誰ひとり指させずいる。鮮やかだった命の色はやがてくすんで黒くなり、やがて風に運ばれて #そして灰になるから 誰もが彼を殺したのだ。
2016-05-04 23:59:59生命全ての末路は明白、朽木燃やせば #そして灰になるから 悲願は無く。最愛の君が粉末になろうと、現代科学で鉱物にしてあげる。 輝く君をボディーピアスにした。左胸から君が離れる時、僕の血肉も削がれ共に死ぬ。これで一瞬も離れずに一緒だ。 神にさえ君を渡したくないこの独占欲は(病)?
2016-05-05 00:23:56散らない花を一体誰が愛でるのか。水を吸わない造花の薔薇も、朽ちることのないプリザーブドフラワーも、平面に描いた力強い青葉も。 #そして灰になるから 艶かしいほどの命を彩る極彩色は、最後には全部単一色に。蝶よ、花よと美しく。
2016-05-05 01:13:24桜の並木越しに海を見ていた きみのことも真正面から見れずに いつも遠く白い雪の花の舞う フィルター越しの恋だ #そして灰になるから 花びらは散っても美しいまま 心を淋しくカタチ取り 流れてゆく (花)
2016-05-05 01:22:19次のところに行きたいからはねるんだよって、順番の話じゃないの。君の筆跡は綺麗だった。 #そして灰になるから 、世界は美しいね。 センスに欠けた内側でうみだしたもの、難読。僕が、どんなに打ち込んでも、宙に浮くばかりだ。美しくないね。何1つ地に着かないで、養分にすらなれないんだよ。
2016-05-05 16:21:51いつまでも綺麗なままではいられない 咲いて散って…枯れて せめて汚い姿は見せないように火をつけた #そして灰になるから 美しいあの日々も、一緒に
2016-05-05 16:23:42短いのが流行っていても好きだと言われて伸ばし続けたわたしの乙女心、今に負けるなと言われ仕舞い続けた彼の野心、泣きたくて泣きたくなくてひっこんだ彼女の涙、「嫌いじゃない」、そういって隠したあなたの恋心。美しいものはいつになっても届かずに #そして灰になるから
2016-05-05 21:12:28もう、さよならも言えなかった。 燃え尽きるまでは決して消えない衝動。 流れる涙も無意味なまま。 嗚咽すらも届かない業火の中で、 刻まれた瑕疵だけをなぞろう。 このまま囚われて、苦痛に喘ぎ、悶えれば。 #そして灰になるから 。 (何も失くなった場所に手向ける花は、)
2016-05-05 21:58:56渡せなかったひと束。想いを込めた言の葉。もう届かないんだって、届けることさえ叶わないんだって、あなたに見てもらえる時は決して来なくて。火を灯して、 #そして灰になるから 、ぜんぶぜんぶ、なくしてしまおう。 さよなら、
2016-05-05 22:13:54朝夕祖母は仏壇の前に坐した。丸まった背中越しにお供えの花が鮮やかだった。そっと傍に坐ると、頭を撫でてくれ乍ら「いずれおばあちゃんがいなくなったら、時々思い出しておくれな。仏様になってもずっと見ているよ」。やがて必ず訪れる別れの日に怯え、私は祖母に縋りついた。#そして灰になるから
2016-05-05 22:43:57君が腐敗して春になり、湧き上がる思い出は簡単で安っぽかった。生きていたい、と言う君は、私から見れば命に幻想をもっていた。君は光らない種だと、周りを見れば分かるでしょと、教えてあげたかった。傲慢かな、いいえ、お揃い。歌のように色のある感情的な生を送れない私も。 #そして灰になるから
2016-05-05 22:54:14