創作:山ヒバ

山ヒバ小噺。そのときは、お前に腕いっぱいの花束を。
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ワトは歩く城 @watokadu

→いつかオレにもやって来るであろうその日もちょっとは楽しみかもしれねぇと、言ったら空にいるあいつは「迷惑だ」と顔をしかめるだろうか。それともこの空みたいにキレイに笑ってくれるだろうか。…訊きたくても、花束を持ってくその日まで答えはないけど。

2011-02-04 00:12:09
ワトは歩く城 @watokadu

→青い青い葬送の空には喪の色とは思えないほど眩しい白い雲が浮かんでいた。「…オレは、花束かなぁ」「え、どうして?」「いや久しぶりにあいつに会うからさ」何か持ってかないと機嫌損ねそうだし。そう言って微笑えば、ツナも顔をくしゃりと歪めて「山本らしいね」と笑った。そう思えば、→

2011-02-04 00:11:37
ワトは歩く城 @watokadu

→ツナも可愛いがっていた若者だった。「ちょっとでも寂しくないようにさ、向こうに持っていってもらおうと思って」「そっか」「…山本はさ、天国に何を持って行きたい?」「あはは、オレらの場合天国に行けるか微妙だけどな」「まあそうだけど、例えばだって」「…そうだな」ふと空を仰ぐ。→

2011-02-04 00:11:25
ワトは歩く城 @watokadu

深く深く穿たれた穴に黒い棺がゆっくりと納められていく。もう何度と見てきたその光景は、哀しみと共にどこか神聖さも感じる。「棺にね、愛用してた銃を入れてあげたんだ」いつの間にか横にツナが立っていた。一緒に棺にかけられる土を眺める。亡くなったのはツナの直属の部下で、→

2011-02-04 00:10:47