【創作】人間になったバケモノの話

駅から大学までの道を自転車で移動してたら思いついた話。
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抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

人間になりたがったバケモノがいた。魔女はバケモノを人間のする代わりに呪いをかけた。「人間に嫌われ続けなければならない」という条件守ること。嫌われれば生きられる、嫌われないようにすると自分が弱っていく。心からバケモノのことを愛して全てを受け入れる者が現れれば呪いは解ける。ってお話。

2016-05-20 00:05:26
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

嫌われないように自分の命を削り続けたバケモノは瀕死の状態で友達になった女の子の髪を切ってしまう、それが女の子の親に見つかって噂は瞬く間に広まりバケモノは街中の人に嫌われる。おかげでだいぶ長く生きられるようになったけどこんなの僕の望んだ人間の姿じゃないって嘆くバケモノ。

2016-05-20 00:07:40
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

何年もひとりぼっちで人間の姿で暮らすバケモノの元にある日少女が現れる、彼女は昔自分が髪を切ってしまったあの女の子だった。「僕を恨んでるんだろ。あんなにひどいことをしたんだ、もう会わせる顔がない。」「私覚えているのよ。あのとき、あなた泣いていたわ。ぜんぶ話してくれないかしら。」

2016-05-20 00:11:46
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

バケモノは覚悟を決めて全てを話した。自分の本当の姿、人間になりたかったこと、嫌われなければならない理由、ひとりぼっちだった数年間のこと。少女は涙を流しながらバケモノの話を聞いていた。「こんなにたくさんのこと、一人で背負うには重すぎるわ。私も一緒に背負う。これから先、ずっと。」

2016-05-20 00:16:36
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

こうして少女とかつてバケモノだった少年は二人で手を取ってその生涯に幕を降ろすまで幸せに暮らしましたとさ……。おしまい。

2016-05-20 00:18:00