第４回おそチョロわんこそば

吟花@固定で企画宣伝中 @ginka_rin

【マフィリー】「これ、なーんだ」背中に触れる冷たい無機物の感触に息を飲む。残業で遅くなった帰り道。目の前に広がるのは赤い海で。「見ちゃったのは災難だったねぇ。口止め、しとかないと」耳元に落ちる冷たい声に体が震えて愉しそうに歪んだ唇が視界に入った瞬間、闇に引きずり込まれた気がした。

綾羽 @aymt2016

【朝の挨拶】洗面所の鏡越しに目が合って、そのまま後ろから抱き締められた。「おーはよ、チョロ松」「おっ、おはよ、邪魔しないで髪整えてんの」「えー、俺とお揃いじゃんこれ。直さなくていいよ」そのままうなじにキスされる。「あと、これもお揃いね」…こいつ僕が痕付けたの気付いてたのか…！

綾羽 @aymt2016

「…どうしました？」困った顔で聞いてくる目の前の美人に俺は緩く首を振る。伊達の黒いプラフレームの向こうから、綺麗な翡翠が俺の姿を映す。「うん、別に何でもないっていうか…」「嘘はいけませんよ、私に話せないことですか…？」言えねえよ、こんな綺麗な恋人がいていいか悩んで寝れないなんて。

綾羽 @aymt2016

【すき】「俺のが好きだって！」「僕の方が！好き！！」酔っ払いバカップルの喧嘩ほど不毛なものはねえ。「俺！」「僕！」あ、と思った時にはチョロ松がおそ松のパーカー引き寄せてキスしてた。せめて、せめて代金払ってくれりゃあオイラだって黙っててやるっての、てやんでえ！仕方なく後ろを向いた。

綾羽 @aymt2016

【旅に出る】お揃いの山高帽、お揃いのステッキ、色違いのトラッドスーツスタイル。撮影の途中にスタジオを抜け出した。「何でお前笑わなかったの」「何か緊張しちゃって」一拍遅れて二人で笑う。「あーもー俺達堅苦しいのは駄目だよな！」「いっそラブラブ２ショットでもで撮ってもらう？」「名案！」

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【彼パーカー】「えっと…すーすーする…」赤いツナギの胸元からは白い肌がちらり。裸ツナギさせるとか流石カリレジェ、俺天才かな。居心地の悪そうなその姿に向かって更に一言。「俺、袖通して着ねえよ？腕抜いて腰のところで巻くの分かるだろ？」ああその困り切った顔…ほんとぞくぞくすんだよねぇ。

綾羽 @aymt2016

【元気がない】おそ松兄さんがどうやら今日新台で大敗したらしく、帰って来てからずっと元気がない。深夜みんなが寝静まってから寝れない様子のその手を引いて居間に下りた。これは最終手段だけれど恋人のためなら仕方ない。パジャマの前を開いて一言。「…僕のおっぱい揉んだら、兄さん元気出る…？」

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【日常】「こらー！」カンカンなチョロ松がすっ飛んできて、これは長時間説教コースだと瞬時に判断した俺は、咄嗟にその唇を俺の唇で塞いだ。こうしときゃ後で何とでもなる。「なっ、ぁ…」「んー、ちょっと唇荒れてんな」「お、お前のせいだろ…！第一今みたいに…」ほーら、論点もうずれただろ？

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【医者マネ】「…俺、外科医だから。お願いだから内科っぽい仕事させないで」額の冷えピタを替えながら説教してくるおそ松が僕を心配してくれるのが分かるから文句が言えない。「ごめんなさい…」「ま、俺の世話に本格的になられたらもっと困るんだけど」そう笑ってくれる恋人は世界で一番カッコいい。

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【ジャスマネ】「好きだよ」伝えられるその言葉の意味は痛いほどに分かる。好きな相手に好きだと言われることがこんなに辛い人間なんて、なかなかいないんじゃないだろうか。「僕も『君たち』が好きですよ、おそくん」「…だから、違うんだって」違わないと叫びたい気持ちを、僕は今日も一人飲み下す。

綾羽 @aymt2016

【キン執】陰謀と欲と裏切りの上に立つ揺れる玉座の上、それでもここに固執したいわけがある。「キング、難しい顔をしていらっしゃる。アフタヌーンティをお持ちしました」誰よりも厳しく誰よりも俺に甘い、チョロ松を俺の手の中に閉じ込めておくために。…お前のためなら、血の道だって進んでやる。

綾羽 @aymt2016

【医者】気付いたらベッドの上で、隣にいる泣きそうな顔をしたチョロ松がその目から涙を零す。「ばか！医者の不養生とか！」「え…？」「オペ終わってすぐぶっ倒れたんだよ！…し、心配、させんな…！」伸ばしたい腕は点滴に阻まれる。この一パックが終わったら、すぐに抱き締めてやるから待ってて。

ﾌｸﾞﾊﾟﾝﾁきぬさや( '-' @MotimotiSasan

【吟しづ】「…ね、今日はやっぱり外食にしない？」「え、今日も？」まあいいけどと言いながら腰を浮かす彼女に、わたしはそっと胸を撫で下ろした。料理が下手なこと、まだバレてないよね…？「しづきさあ、料理苦手なの？」「ひぅっ！？」え、え、なんで分かったの？盛大に狼狽えてしまい、その反応を

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見た彼女の瞳がすっと細められてた。これは、まずいやつ。極々たまにしか見ないけれど本気で怒ってるときの表情だ。「あのさあ、しづき、別に料理が下手でもわたし気にしないからね？」でも、だって、なんて心もとない反論は唇で塞がれた。「彼女だからとか、女だから料理できなきゃいけないとか、

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そういうくだらない理由で隠し事してるならわたし起怒るからね」もう怒ってるじゃん…！声に出さずに目で訴えるとともに、彼女の怒りポイントが予想外で首を傾げた。「吟花さあ、」「うん」「秘密作られるの嫌で怒ってるの？」「うん」むくれた顔が子供っぽくて可愛らしくて愛おしくて、「もう、わたし

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【吟しづ】「あ～！もう！俺のチョロ松がこんなにかわいい！」大好きなキャラクターに自身を重ね、彼女はぎゅううとわたしを抱きしめた。甘えてくれるのはうれしいけど、そこにあなたの感情はあるの？「吟花、あのさ、嬉しいんだけどさ、」「ん～～？」あなたの目の前にいるのは「しづき」なのに、

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あなたはまだ「長男」のまま。わたしは「妹」じゃなくて「彼女」って言ってるのに！ ーーそうやって分かりやすく膨れる彼女がかわいいから、わたしは今日も「長男」のフリをして肩なんて組んでみせるんだよ、しづき。

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隠し事ないから」「うん」「不安にさせてごめんね」「うん」「すきよ」「うん」「返事は？」「好き」「うん」すき、すき。交わす言葉も少なく背中に腕を絡ませた。

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【雨】「あ、雨だ」「チョロ松」「おそ松兄さん」「「傘貸して」」一瞬の静寂。直後、雨音に負けないくらい大きな怒号が響き渡った。「なんでお前傘持ってないの信じらんねえ！」「それはこっちのセリフだよ！」言えない、言えない。ひとつの傘に入りたくてわざと傘を持ってこなかったなんて。

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【マフィリー】「なあんでこんなところに一般人がいるの？」不機嫌そうにこちらを睨みつける彼の右手からは止めどなく赤色が流れてきていて、あまりの痛々しさに目を逸らしたが、残りの左手で思いっきり頬を掴まれた。「俺にケガさせたんだからさあ、逃げるなよ、お前」心臓ごと掴まれた気がした。

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【煙草】ふーっと息を吐けば、白い煙がそっと浮かぶ。煙草を吸う時、兄さんはいつだって何か遠くを見つめている。それは僕には見えない何かで、一体何をみているんだろうか。それが知りたくて僕も煙草を吸い始めたけどそれが何かわからない。「チョロ松、お前に見えなくてもいいんだ」切ない声で言うな

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【雨】どうしてこうなった。僕はちゃんと天気予報も見たし、傘も持ってきた。だというのに何故こんなに狭い。「なんでもってこないわけ？」「いーじゃんかー」無理矢理この狭い傘の中という空間に割り込んでくる。もう僕まで濡れるじゃないかと思っていた。だけど濡れているのは兄さん肩だけだった。

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【先生生徒】「あらら、チョロ松くん？」屋上で煙草を吸っているのを先生に見られた。やばい、って思ったのに、だ。「火、持ってるでしょ？頂戴」「え、あ、はい」一緒になって煙草を吸う。変な先生。普通なら怒るところでしょ？「チョロ松くんは悪い子だね。でも、先生の前だけにしなよ？煙草も」

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【煙草】火を灯す。それは小さく、ゆらゆらと揺れる。その先にそっと近づき、先端がジリジリと灰になる。煙草なんてと最初は思っていたのに、だんだんその仕草が当たり前で、それを見るのは自分だけだと思うと誰に対するものかもわからない独り占めしているのがたまらない。「俺の前だけな、吸うのは」

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【雨】ざあざあと滝が落ちるほどの音がする。俺たちの身体はべちょぬれだ。さっきまで雲行きは怪しくなどなかったのに。ゲリラ豪雨というやつだ。いつ止むかわからないが公園の遊具に身体をくっつけ、暖を取る。「なんか昔もこんなことあったな」「うん、そうだね」懐かしさが心地いい。