鏃の飛んで行った先

妄想で綴った艦これ二次創作 誤字脱字は各々で添削してください 主に別媒体に移植する用にまとめ 時系列もあえてちぐはぐにしてます
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さつら @satura222639

「何から話すかなあ」 「ではこの鎮守府の成り立ちから」 「長いよ?」 「記録するのがお役目なので」 「だよねえ」

2014-07-23 19:08:00
さつら @satura222639

『この鎮守府のことを話そう』 とは言っても,至って普通だよ。表向きはね ここは私の最後の家であり、隠れ家であり、終の棲家なんだよね そして君達は愛おしい我が子なんだ、ある意味文字通りにね そうだなあ、今からちょっと前の話だ まだ人類が、我が軍が、あいつらに始めて接触したころだ

2014-07-23 19:11:44
さつら @satura222639

そりゃあひどいもんだったよ、数の暴力 こっちの質が高くてもその上を行く、数の暴力 倒して食われて斃して喰われて、繰り返してたころだなあ 奴さんたちが出てくるのは深海、海の底 頭の螺子一本だか二本だか外した連中が危険を承知で潜って調べたんだ 生きて帰ってこなかったけどね

2014-07-23 19:16:47
さつら @satura222639

その代りのその英雄たちはあるものを見付けた 稚魚って言うのかな~ 深海棲艦に成りかけの奴を拿捕して海上に引っ張りあげたんだよ 自分たちと引き換えに、「之が反撃の狼煙と成り得る」って最後に通信送ってさ 馬っ鹿だよねぇ、でも彼らは英雄だったよ

2014-07-23 19:23:00
さつら @satura222639

死ぬ気で生き残った人達が回収したそれはすぐさま分析、研究され 実験と失敗を幾度も繰り返し、希望が絶望に勇気が狂気に変わったころ それは出来た君達の艤装の雛形、目指したものは[究極汎用機] 高望みしすぎだっつうのってね。しかし完成したそれも問題があった

2014-07-23 19:28:45
さつら @satura222639

今で言う空母、戦艦、潜水艦総ての機能を持ってるんだ 当然使う人にもそれが要求される 艤装からフィールドバックされ続ける情報を捌きつつ戦う んな事出来る人間いるわけねーじゃん 精々操作するので手一杯だっての だから犠牲者は出続けた、あるものは発狂、あるものは廃人、あるものは死んだ

2014-07-23 19:47:07
さつら @satura222639

あまりに人材を浪費するものだから絶望と狂気に突き動かされた彼らはこう考えた (これに耐えうる人間を作ろう) もうね、戦場もさ、その頃は地獄だったわけだ そんなふざけた計画が通っちまうくらいにさ 形振り構ってられなかったんだろうね…

2014-07-24 03:14:51
さつら @satura222639

そうして艤装を操る艦娘、つまり君たちを作り出す研究が急速度で進められた 遺伝子から始まり人体のありとあらゆる研究が一気に進み 果ては魔道学とか言う訳解んないものにも手を出して そうしてえげつないことやり続けて艦娘の雛形も出来上がった10人くらいかな

2014-07-24 03:18:42
さつら @satura222639

何で娘だったのかって? …昔から言うだろう? 船は女性が多い、と まあ験担ぎってやつさ、そうまでしてでも勝たないと今まで犠牲にしてきたものが総て無駄になるしね まあともあれ彼女たちは艤装を纏い海を駆り、反撃の狼煙を上げた …ここまでは良かったんだけどねえ

2014-07-24 03:23:28
さつら @satura222639

…お察しの通り、無理だったんだ。 深海棲艦と戦いながら、偽装から流れてくる情報を一人で捌き続けて 10回出撃できれば良い方だった、一人、また一人、壊れて沈んでいった ただ一人を除いて 生き残り、戦い続けたその子は、所謂天才とも、化け物とも、言えたね

2014-07-24 03:30:16
さつら @satura222639

その子はまさしく一騎当千の活躍だった 何よりも彼女を育てた人の教育の賜物かもしれないね 戦場に送り出さなきゃいけない、だけど戦えるのはこの子だけ こんな女の子に、でももう後がない、でも私に何が出来る? その子を育てた人はそう考え続けてたそうだ

2014-07-24 03:37:55
さつら @satura222639

優しいねえ、優しいよねえ、自分で作っといて。 だけどその悩みが彼女に愛を教えた、情を教えた、心を作り上げた 兵器ではなく人としての、兵器でありながら人としての 心を持った彼女は、作った人を母と呼び、彼女に報いるために 艤装の負荷を精神力で押さえ込み、敵を倒し続けた

2014-07-24 03:41:44
さつら @satura222639

…だけど無理していることに変わりはなかった 一戦、一戦、繰り返すごとに彼女は壊れていった …だけど戦い続けた 帰還する度に母と呼ぶ人の泣きそうな顔で笑いながら 「おかえり」 と抱き締めてくれるのが嬉しくて それだけのために、戦い続け、とうとう近海から敵を一掃することに成功した

2014-07-24 03:52:42
さつら @satura222639

近海から敵を掃討し、防衛線を敷く事に成功した彼女だったけれども代償に右腕と右目、後下半身に後遺症を残し、戦えなくなった …まあ彼女を作った連中も、馬鹿じゃなかったけどね 究極汎用機の反省を生かし汎用性を取っ払い、空母、戦艦、潜水艦と特化型にして負荷を抑える研究もしっかりしてた

2014-07-24 03:57:31
さつら @satura222639

んで持って艦娘の量産計画もね、やってることはえげつないけど 業を何処までも背負い続ける覚悟を持って全員続けてたんだろうね じゃなきゃ、 「結局君一人に任せてしまった、ありがとう、申し訳なかった」 なんて 土下座しねえわな …まあこれで掃海作戦と言われたものは終わったんだよね

2014-07-24 04:08:26
さつら @satura222639

其れからやや経って、兵站と体制が整い、鎮守府が各所に設置され艦娘を配備し、指示と管理をする提督役を任命し 始まった訳だねえ、私たちの日常が … 「こんなところかなぁ、すっかり話し込んじゃったよ。もう夕方だ」 「…」 「その最初の艦娘が気になるって顔だね」 「ええ、ですけど…」

2014-07-24 04:16:42
さつら @satura222639

「察しは着いてるんじゃないかなぁ? 君は聡い子だもの」 「では…やはり…」 「最初に言ったろ?」 『ここが私の家であり隠れ家であり終の棲家だと』

2014-07-24 04:19:23
さつら @satura222639

「やあおはよう、イムヤはいつもかわいいなあ」 「嬉しいけど、急に後ろから話しかけないでよ。吃驚したじゃない」 「それが可愛くてついねー」 「…まあいいけど」

2014-07-24 14:11:11
さつら @satura222639

「良い夜だねえ川内ちゃん」 「そうだねえ、月がきれいだ」 「惜しむらくは満月ってところかなあ」 「そうだねえ、私の好きな夜戦は出来なさそうだよ」 「こわいなぁ」 「そう仕込んだのは誰よ」 「それもそうか、いやははは」

2014-07-25 02:12:43
さつら @satura222639

「夜戦、しよっか」 「ん、いいよ」 「じゃあ後で演習場ね」 「はいはい、了解」 「今日は勝たせてもらうからね」 「あっはっは、50年早いよ小娘」 … 戦績 川内:5勝76敗7分け

2014-07-25 02:15:25
さつら @satura222639

「イムヤってさあ」 「なぁに司令官」 「いつも後ろ向いててわかりにくいけど、良い身体してるね」 「…そう言うからあまり見せたくないんだけど」 「OK、自重するからこっち向いて」 「…ヤダ」

2014-07-25 18:36:27
さつら @satura222639

いむや~勝率はどう? 「1~3割って所じゃないかしら」 ん、じゃあ皆休んで疲れがとれたら出撃で 「何時も通りね、了解」 焦らず行こうか、運以外の要素は排除したからね 此処からは最高の賭けだよ

2014-08-11 03:32:01
さつら @satura222639

ひっそりと、野端に咲く花のように それが私の鎮守府 誰かに知られても知られなくとも のんびりと、気ままに…

2014-08-13 03:30:48
さつら @satura222639

「んー…」 「どうしたの?司令官」 「いやなに、うちの艦隊はさぁ、私が育てたじゃん?」 「そうね、貴方と言う先生は他にいなかったわ」 「ん~とねぇ…私も出撃した「それはだめ」 「…なんでぇ?」 「…司令官はもう少し自分の体のことを労わるべきよ」

2014-08-13 03:41:24
さつら @satura222639

「元気だよ?」 「そうね、片腕義手で下半身半不随な所を除けば概ね元気ね」 「わぁお、辛辣ぅ」 「貴方が言ったじゃない、死にに行くような心構えで出撃するなって」 「…」 「まだ居なくならないで、そばに居て」 「…わかったよ、可愛い娘の頼みだもの」 「そうよ、ずっと一緒に居てよ」

2014-08-13 03:45:09
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