ジュピターCの追跡管制のために、Microlockという新しいシステムも開発された(NASAのエクスプローラー計画のページに写真が載っている)。こちらを担当したのはマリー・クロウリーさん。
2016-06-03 02:37:11新型ノーズコーンの試験として行われたジュピターCの初打ち上げは1956年の9月、ケープ・カナベラルの第5発射台から。乗せられなかった人工衛星の代わりに、砂袋が積んであった。
2016-06-03 02:37:24で、翌年1957年の10月4日。このとき、ワシントンDCでIGY参加国の会合があって、JPLの第2代所長ビル・ピッカリングが出席している。このとき、ソ連代表は会合で「我々の人工衛星打ち上げは目前です」と発言しているんだけど、
2016-06-03 02:37:38ピッカリングをはじめ各国代表は(...どこの国も人工衛星準備中だって言ってるし。うちもそうだし)と思ってソ連代表の発言をあまり気にしなかったらしい。
2016-06-03 02:37:50そして10月4日の夜、ピッカリングはいきなり報道陣に取り囲まれて「ラジオ・モスクワによればソ連は人工衛星を軌道に乗せたと言っていますが」とやられてえらい目にあった。
2016-06-03 02:38:04お蔵入りになったオービター計画の関係者はそれはもう悔しがって、ヘレンさんの「第4段に砂袋なんかじゃなくて人工衛星が積んであったら、あれが世界初の軌道に乗った人工物体だったのに!」という言葉がすべてを表している。
2016-06-03 02:38:17スプートニク・ショックのとき、フォン・ブラウンが「60日あれば人工衛星を打ち上げてみせます!」と啖呵を切った(陸軍少将に「いやいやウェルナー、90日だって」と訂正されたw)のは、こういういきさつがあったことによる。
2016-06-03 02:38:31とはいっても、ヴァンガード計画があったためJPL側にはすぐにキャッチアップ計画の許可が降りず、全員歯噛みしながら何が来てもいいように新たな人工衛星計画を練り始めた。これが「プロジェクト・レッドソックス」という名前で、
2016-06-03 02:38:42ヴァンガード爆発のとき、マスコミにはえらい言われようで、中でも「STAYPUTNIK」が面白い。「居座りニク」みたいな感じですかね。このとき、ニューヨーク証券取引所がシャットダウンしたそうだ。全テック銘柄ストップ安、みたいな感じだったのかな。
2016-06-03 02:39:09この後の章では、60年代に入っていきます。メインはアポロじゃなくてマリナー2号みたい。JPLの歴史だからね。
2016-06-03 02:41:15『ロケット・ガールズ』1960年代の章に、JPLの“グッドラック・ピーナッツ”の始まりが出てきたぞ。アポロ計画と並行して走っていた月探査計画、レンジャー計画が1~6号まで失敗に失敗を重ねたあげく、1964年7月の7号打ち上げのときに成功を祈って始まったんだそうだ。
2016-06-05 12:40:54JPLで最初にピーナッツを回したのは、エンジニアのリチャード(ディック)・ウォレスさん。レンジャー7号が今度こそ成功しますように、とパサデナのJPL コントロールセンターで始めた。
2016-06-05 12:43:52ディック・ウォレスさんによると、「ミッション・オペレーションルームでピーナッツを回せば、みんな緊張や不安が少し和らぐんじゃないかと思ったんだ」とのこと。
2016-06-05 12:51:15お、今年の4月22日付のカッシーニブログで、グッドラック・ピーナッツの始まりについて取り上げてる。 Lucky Peanuts saturn.jpl.nasa.gov/news/22/#.V1Oj…
2016-06-05 12:59:24『ロケット・ガールズ』はますます面白くなっている(というか面白くない部分はない)。アポロ11号より前に、アメリカが「やったソヴィエトに勝った!!!」と実感できた宇宙プログラムは、1962年のマリナー2号の金星フライバイだったとのこと。そういう視点でマリナー計画を見たことなかった。
2016-06-05 13:28:05スプートニク、ガガーリンに次いで、ルナ1号に無人月探査でも先を越されたので、アメリカには「ソ連に勝った」といえるものがなかった。JPLでは、よし太陽系探査だ!と考えていて(ブレてない人たち)、 複数の探査機を一度に打ち上げ、月、金星、火星探査をいっぺんにやる計画で突っ走っていた
2016-06-05 13:32:02NASAができて、JPLは無人宇宙探査部門、と位置づけられたけれど、NASA全体の最優先プログラムには月探査計画があって、JPLにはだいぶ不満があったらしい。
2016-06-05 13:34:06「金星や火星探査で、ほかの星の生命だって見つかるかもしれないのに、あんな石ころだらけの月なんかさー」という気分があったらしい。やや、「あのぶどうはすっぱいにちがいない」の匂いもするけど。
2016-06-05 13:35:58アメリカの初期の無人月探査計画レンジャー計画が1号から6号まで失敗続きだった理由は、JPLが月じゃなくて金星や火星をやりたくてやる気なかった、というのもあるそうだけど、当時JPLと海軍のロケット(アトラス・アジェナ)の連携が取れていなかった部分もあるらしい。
2016-06-05 14:04:12@ayano_kova 訂正。アトラス・アジェナは海軍じゃなくて空軍のロケットです。今じゃ空軍/LMのロケットとJPLの連携がとれないなんて考えられないなー。
2016-06-05 14:20:37特に上段のアジェナを作った、“新興”企業ロッキードと、レンジャー探査機本体を作ったJPLとのコミュニケーションがうまくいってなかった。JPLは自分たちの月・金星・火星同時探査“ヴェガ”計画のために上段ロケットを開発するつもりで(実現していたらヴェガロケットだ。ややこしいw)、
2016-06-05 14:07:22ヴェガ計画が許可されなかったのでアジェナを作ったロッキードに不満たらたら。こういう部分てミッションに如実に出るので、レンジャー1号から6号まで、打ち上げ失敗やら太陽電池パネル展開失敗やら、カメラ動作不良やら全部違うところで失敗している。
2016-06-05 14:09:33