丸越名南店をモデル？にした短編小説…？！

【夜空ニ輝ク一等星】Gilgamesh🍋Lemon @Limone_di_Crema

ジャンク屋は言った。 私は漬物屋だと。 その声は皆の声に掻き消された。 尾張にあるというガジェットとプラモデル、フィギュアの飾られた店内には、無数の漬物が置いてある。 漬物屋というには風変わりな雰囲気に僕は息を飲んだ。 嗚呼、ここが噂の…そう理解するのには時間はいらなかった。

【夜空ニ輝ク一等星】Gilgamesh🍋Lemon @Limone_di_Crema

ヒトのつぶやきに対して反応したり、アクションを起こすとあるSNS界隈では名の知れた店だ。 しかし、実際に目の当たりにするのには些か不思議な感覚が僕を襲う。 ゲームセンターにあるような筐体の小さなものが延々とゲームを映し出している… 頭では理解はした。だが、体が付いてこない…

【夜空ニ輝ク一等星】Gilgamesh🍋Lemon @Limone_di_Crema

そんな事を考えている間に少し時間が経っていたのだろう。その店の方が話し掛けてきた。 「どうかされましたか？」 「えっ！？あ、イヤ、大丈夫です…」 オカシな客が来ることも多いのだろう、僕に不思議がる事もなく会話を続ける。 「"いろいろ"置いてあるのでじっくり見てください。」

【夜空ニ輝ク一等星】Gilgamesh🍋Lemon @Limone_di_Crema

『"いろいろ"』 何かを悟られたようだ… 彼の言葉に導かれるように、店内を見て回る。 SNSで知らなかったら入らなかっただろう。漬物に直接関係のないものが無かったら知ってても入らなかっただろう… そのくらい漬物に興味がない。当たり前にあるものだからだ。 態々買うほどでもない…

【夜空ニ輝ク一等星】Gilgamesh🍋Lemon @Limone_di_Crema

そんな意識が僕にはあった。 ガジェット、ゲーム機、プラモデル、フィギュア。 それはここの店主のただの趣味かもしれない。 しかし、それは会話のキッカケになることもある。 なんで置いてあるの？そんな単純な発想でもキッカケには変わりない。 僕は自然とおすすめの漬物を尋ねていた。

【夜空ニ輝ク一等星】Gilgamesh🍋Lemon @Limone_di_Crema

僕はそのまま勧められた漬物をレジに置いた。 こんな不思議な店で勧められたものが不味いわけがない…そんな妙な説得力がある。 僕はそれを持って帰路に付いた。 酒の肴にもなる。もちろんご飯のお供にも。 そんな事を考えている間に家に着いていた。 あれから僕の食卓に漬物が並ばない日はない。