【第一回】一チョロうどん【4*3一本】

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】しとしと降られる後姿だけを眺めていた。霧雨のせいで視界はぼやけていて、いつもの黄緑色がひどく不鮮明だ。「いちまつ、」自分の名前なんてただのクズを指すだけの単語だと思っていたのに、いつからそこに救いを見出したのだろう。冷えた指先を暖めてほしかった。 #一チョロうどん

二期作 @uxxx_xxx

【4*3一本】梅雨は苦手だ。元々明るくないぼくが更に憂鬱になる。猫だって、この時期には僕の手の届かない所で雨宿りをする。でも、兄さんに「一松が家に居るから梅雨は好き」なんて言われてしまったから、きっと単純なぼくはくるりと手のひらを返し兄さんの隣で梅雨も悪くないと思ってしまうだろう

higuruma＠( ﾟдﾟ )＜ﾋﾟｴ……。 @higu39

【4*3一本】あ。お前の色。傘にぽつぽつと当たる雨の音に紛れてしまうほどの小声で呟かれたそれを、聞き逃さなかった己の耳に感謝した。視線の先の紫色は空から降る雨に濡れ鮮やかに咲いている。「僕、好きなんだよね。」お前の色の花。だなんて、そんな可愛い顔で微笑まないでよ。キスしたくなる。

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】チョロ松の指先は細い。といっても、女性らしいわけでもなく骨ばっていて爪の形も深爪気味だ。「ねえ、チョロ松にいさん。爪切らせて」「また？いいけどもう指の無いよ」「足でいいから」そう返せば仕方ないなと差し出される脚に、どうしようもなく興奮した。 #一チョロうどん

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】「あー、降ってきちゃったね」校舎口で諦めたように兄はわらう。珍しいこともあるものだ、そういえば長男にぶん取られていたのだったか。「どうしよっか一松」「もうちょいここで雨宿りしてる」ズルい僕は、鞄の中にある折り畳みの存在をそっと忘れることにした。 #一チョロうどん

higuruma＠( ﾟдﾟ )＜ﾋﾟｴ……。 @higu39

【4*3一本】足が速いっていうのはいいね。猫背で愚図な自分と違いピンと背を伸ばしてまっすぐに土を蹴って、クラスメイトをどもを容赦なく抜いていく真剣な姿にどうしようもなく見惚れてしまう。あの走りを見る事と、午後の退屈な授業だったらどっちを取るかだなんて、そんなの猫だってわかるだろ。

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】しなやかに弛むふとももとふくらはぎはまるで猫のようにしなやかに舞う。いやそんな高さくぐったほうが早いデショ、なんて思うような位置に設定された棒を彼はいともたやすく飛んでしまうのだ。「見てたか？一松」にやりと笑うその表情に、昔の彼を見つけた気がして。#一チョロうどん

蒼鈍 @aoonb89

【4*3一本】くるり、くるり。紫紺の花が、僕の頭上で緩やかに咲った。 雨粒を弾き、水溜りを跳ね上げて。ぱしゃん。斑に色を変えた僕の足元を見たのだろう。「濡れるよ、チョロ松兄さん」少しだけ呆れたように、猫が鳴く。

二期作 @uxxx_xxx

【4*3一本】「今日の獲物は警備が相当厳しいらしいね」「貴方が予告状なんて出すから警備が厳しくなるんですよ」わざとらしく溜息を吐く上品な燕尾服の男の目は楽しくて仕方が無いと言うふうに輝いている。おれは彼のこの顔にそそられる。でも、まだダメだ。夜は長いから、今夜も二人で楽しもうか。

higuruma＠( ﾟдﾟ )＜ﾋﾟｴ……。 @higu39

【4*3一本】昔の話だろ。顔を顰める横顔も嫌いじゃない。そうだね昔ね。うちの長兄と散々暴れまわって悪童の名を欲しいままにしていた一つ上の兄は、今ではすっかりオタクな自称常識人だ。それでも時折、例えば末弟の銀玉で稼いだ金を巻き上がる時なんかに浮かべる笑顔も、俺には堪らないんだよ。

0034 @0034ichichoro

【4*3一本】この季節のライブは辛い。会場に着くまでに足元はグッショリ。安い作りの地下会場は湿気がこもり、脂ギッシュな野郎の臭いも倍増。せっかくの限定のポスターも紙袋も土砂降りの雨から守るの本当大変。雨宿りしてから帰ろうかと思ったら目の前にずぶ濡れの猫が一匹。 #一チョロうどん

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】「今夜も盗りに来たんです？」猫の形から影が伸び、長いマントをはためかせたそれに向かって問えばそれはボクの足元へと降り立った。「ヒヒッいいね」執事の仕事は館の平穏を守ることだ。「盗らせませんよ」「そういわれると余計欲しくなる」人のモノは、余計にね。 #一チョロうどん

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】ステップにあわせて紙袋が揺れる。特典付きCDにポスター、それに今回はなんとサイン入りチェキとタオルまでゲット。ゆるむ頬を抑えようともせず帰路へついていた最中、闇から伸ばされた手に首根っこをつかまれた。「……浮気」おお、なんと怖い顔をしているのか。 #一チョロうどん

蒼鈍 @aoonb89

【4*3一本】真横で土下座する僕の恋人。その前で腕を組んで、キッと眉毛を吊り上げるのはドライモンスター。え、まってこれ何を目的とした修羅場なの？「浮気は」「しません」「猫」「節度を守ります」「兄さん」「愛してます！！」だからお兄さんを僕にください！っておいお前もそいつの兄だから！

higuruma＠( ﾟдﾟ )＜ﾋﾟｴ……。 @higu39

【4*3一本】獲れるもんなら獲ってみろ。そういう挑発的なのも性癖だからたまんないんだけどさ、「ひひっ、いいねぇその顔。汚したくなる。」敗北で汚してやりたくなるよ刑事さん。まぁせいぜい頑張りな。と言い捨てて今夜の偵察は完了。宝は添え物で、本命はアンタって知ったらどんな顔するかねぇ。

🥦こなつ🥦 @konatsu_numa

【4*3一本】「何故貴方がここに…」陶磁器のように白い肌、男性とは思えぬ麗しき館の執事が、怯えたように唇を戦慄かせる。館を取り囲む幾重もの警備を過信していたのだろう。緊張した面持ちで護身用のナイフを構える彼に、僕は言う「僕に盗めないものなんて、貴方くらいですよ」　#一チョロうどん

二期作 @uxxx_xxx

【4*3一本】「折り入って相談があります」「ダメです」一松のその顔は良くないことを連れてくる。「猫…飼いたいんだけど」1LDKのアパートでギリギリの生活をしている僕らにそんな余裕はない。理由を聞けばチョロ松兄さんが寂しくないように、だなんて言うからお前が構ってくれれば寂しくない→

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】銀玉数えてみっつよつ。ソレを眺めながら、自傷をこめて嗤った。ああ、こうやっていると自分がクズの一員だと自覚させられる。やかましいくらいの演出音に耳が痛い。もしこれが当たったら、高い猫缶買って神社の境内に行こう。そこにきっと、彼が待ってるハズだから。#一チョロうどん

誤字脱字予測変換混入そのままの欲望のままにDCBL夢(モブ兄受)を書いてるだけの垢 @CrazycatAlice

【4*3一本】一松が抱きしめている猫に嫉妬したなんて言えない。少しでもいいから僕も構えよっ!!なんて、｢かまってほしいの?｣｢!?え、あの!?｣猫越しにこちらを見ている一松の嬉しそうな笑顔に腹が立つっ!｢お前なぁっ!!｣｢ほら、チョロ松｣にゃ～おって可愛く鳴いて?

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】「お兄ちゃんは許しませんからね！」赤色はぷいと頬を膨らませた。いやそれボクの特権なのに。「お願いです長男様」「どうか彼を認めてあげて下さい」二人揃って土下座とはいいネタ掴んだかと意気揚々掲げたスマホはそっと下した。んもう！バカップルは外でやってよね！#一チョロうどん

🥦こなつ🥦 @konatsu_numa

【4*3一本】神社にお参りなんてらしくない。神も仏も信じないし信じられないと臆面もなく言ってのける弟が、こそこそと僕に押し付けた小さな紙袋。「願掛け、兄さんの就活がうまくいくように」小さなお守りを鞄につけて革靴を履く「お前のおかげでいいことがありそうな気がする」 #一チョロうどん

higuruma＠( ﾟдﾟ )＜ﾋﾟｴ……。 @higu39

【4*3一本】「猫は浮気に入りますか」「入らないよ。あ、にゃ～ちゃんは浮気に入りますか」「･･･ない。アンタの好きなもん、そこまで縛る気はないよ」そんなスパダリみたいなこと言って、それでも微かに面白くなさげな顔を滲ませるお前は、本当に僕のツボをよく知ってるよね。まぁ止めないけど。

誤字脱字予測変換混入そのままの欲望のままにDCBL夢(モブ兄受)を書いてるだけの垢 @CrazycatAlice

【4*3一本】目の前にいる黒ずくめの見知らぬ男に逃げたくなるが、此処で逃げたら大切なアレを目の前の男に取られてしまうっ!!｢さぁ……僕に渡してください｣｢!?｣遠くにいたはずの男はいつの間にか目の前に!!｢その後ろのモノはダミーです。本当に欲しいのは……貴方の全てだ、チョロ松｣

ｍｈ @mai021126

【4*3一本】「必要なものは持った？」中身の入ってない財布も携帯も、色違いのパーカーも置いてきた。彼が持っているのもあのぬいぐるみだけだ。「チョロ松兄さんがいれば、それでいい」「よし」今夜僕たちはこの家を出る。「ああでも、今すぐじゃなくてもいいから猫は欲しいかな」#一チョロうどん

ヨネハル＠基本低浮上 @yoneharu_black

【4*3一本】自称常識人の仮面なんて捨ててしまえばいいのにと思う。世間の雨風に耐えて汚されてもどうして我慢するの？おれは六つ子で真面目でいるのも疲れてしまったから捨てたのにね。チョロ松はさ、おれの代わりに真面目で居続けるのかな？おれに縛られ続けてくれるのかな。＃一チョロうどん