すみゆ忍テキスト【悪のニンジャ王国を討て!】#1
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(これまでのあらすじ:悪虐ニンジャ王が支配する死の島イーノ・アイランドからの攻撃を受け、危機に瀕した貿易都市キビシイ・アイランド。彼らは傭兵ニンジャを雇い、最後の反撃に出る。5忍の傭兵たちは命名教会メイド・エーデルヴァイスの手引きで島へ向かった) #smytxt
2016-06-20 12:04:59(しかし、イーノ・アイランドの前哨基地、石造りの灯台には恐るべきニンジャ、ドラゴンズブレスが待ち構えていた。彼の吐く四属性ブレスによってキビシイ海軍は進撃を阻まれてきたのだ。一度でも食らえばほぼ即死、オワタ式の戦いが始まる...) #smytxt
2016-06-20 12:07:09「フォヤーッ!」 「「「「「イヤーッ!!!」」」」」 エーデルヴァイスの怒号に続いて5つのスリケンが空を斬った!カカカカカッ! 「グワーッ!」そしてドラゴンズブレスの岩のような胸板に同時に突き刺さる! つづいてバウ!バウ!バウ!バウ!バウ!バウ!バウ!バウ! #smytxt
2016-06-20 12:11:32バウ!バウ!バウ!バウ! エーデルヴァイスの対空砲が火を噴く! 「イヤー「イヤーッ!」ーッ!」イヤーッ!」「「イヤーッ!」」ッ!」 傭兵たちも負けじとスリケン連続投擲! バウ!バウ!バウ!バウ!ボンボン!!ボン!!バスッ! 2.0cm弾が塔の石壁を砕く! #smytxt
2016-06-20 12:14:36「グオオオオオ!!」ドラゴンズブレスは飛来するスリケンを苛立たしげに左手で払いながら憤怒に顔を歪め、渾身のちからで肺を空っぽにした。 ゴオオオオオーーン!!!!!! 周囲を昼間にしてしまうかと思われるほどのまばゆい炎熱が放射された!こりゃメラ○ーマよりスゴイ! #smytxt
2016-06-20 12:17:58ボシュウウウウウウ!!! おお見よ!火炎のブレス(威力100d3)は標的のランチを逸れ、むなしく海面を焼いた! アッブネー! これはどうしたことか!? そう、ドラゴンズブレスが死の息を吐き出す直前、対空砲の弾が彼の陣取る展望台の真下に着弾、足場を揺らしたのだ!#smytxt
2016-06-20 12:21:56「ウオオオオオオ!」ドラゴンズブレスはよろめきつつもすぐに体制を整える。 バス!バス!ガン!バス!ボン!ガン!ガン!ボン!砲弾とスリケンの雨を受け崩れ始める塔に見切りをつけた彼は胸を大きく張り、咆哮と共に身をのけぞらせた。ググググゥ~ッ!メリメリメリ #smytxt
2016-06-20 12:24:03ドラゴンズブレスの背から青緑のコウモリめいた翼が出現!腰からは同色の尾! バケモノが大きく羽ばたバス!バス!バス!バス!バス!バス!バス!バス!バス!「グエエエエエ!」機関砲が翼を一瞬でぼろきれに変えた!直後飛来するスパイクホイールのブーストスリケン!右手首が飛ぶ!#smytxt
2016-06-20 12:27:00スリケン!砲弾!砲弾!スリケン!砲弾!砲弾! ドラゴンズブレスは呻く間もない。左肩が千切れ飛ぶ!丸太のような太腿が爆ぜ、膝を付く怪物の頭部に砲弾が続けざまに食い込んだ。 「グオ!」そしてトドメのスリケン!首が無慈悲にはじけ飛ぶ!「サヨナラ!」塔もろとも爆発四散! #smytxt
2016-06-20 12:30:05ロードオブザリングの最後のあたりめいてなんかスローモーションで崩れ落ちる塔!無数の石材が海の藻屑と消える! 「ハァ、ハァ、ハァ… みなさん、オツカレサマデス!」エーデルヴァイスが爆音ラジカセのスイッチを切り、肩で息をしながら傭兵たちを振り返った。#smytxt
2016-06-20 12:33:35静寂を取り戻した海に蒸気船の音だけが響く数十秒間。 パッショネイトが口を開く。「こんなハデにやっちゃってダイッジョブ?忍び込めないでしょ」 「いいんです。いずれにしろこの塔と怪物を破壊しない限り味方の船は一隻も進めません。ニンジャが束でかからねば倒せぬ相手でした」#smytxt
2016-06-20 12:36:30「ウウ~~~~~~!」 突如静寂を破り、耳をつんざくようなサイレンの音。キビシイ・アイランドからだ。 つづいて不気味な鐘の音だ!「ゴォーーーン! ゴォーーーン! ゴォーーーン!」これは東より。イーノ・アイランドだ。 「両陣営が動き出しましたね。準備を!」#smytxt
2016-06-20 12:38:35メイドが右舷に取り付けられたボートに駆け寄り、綱をほどく。「そちらもです!」 バックギャモンも左舷のボートを取り外し海面に落とす。すばやく荷物を積み込み、傭兵たちは急いで分乗する。 「こちらで派手にやりますから!チャオ!」 メイドは快活に笑い、一行を送り出した。#smytxt
2016-06-20 12:43:07バックギャモンとムシュスーがそれぞれオールを握り、荒波をかきわけてボートを操った。 闇の中をしめやかに滑りイーノ・アイランドに肉薄したころ、後ろをふり向いた一行が見たものは、火に包まれながら敵の船に全速で突入する「ヴィア バウエン フュア デン ズィーク」であった。#smytxt
2016-06-20 12:46:27「どうです?」 「なかなかだな」 ヴァイキング風の甲冑を着こんだニンジャが、淹れたてのオーガニックコーヒーの半ば入ったカップを置く。足は机に投げ出したままだ。 「そうでしょう! カチグミでないとなかなか飲めないような逸品ですよ」 向かい合って座る黒衣の男は満足げだ。#smytxt
2016-06-21 17:47:52この黒衣の男もニンジャだ。嬉しそうにコーヒーをすすっている。 「自慢げに言うな。どうせバントウの稼ぎだろうが」甲冑のニンジャ、ハスカールが鼻を鳴らした。 対するニンジャ、ゴッドファーザーはにやりとして。「ところがですね、これはわたしが買ったんですよ。今回の報酬でね」#smytxt
2016-06-21 17:51:05このゴッドファーザーこそが、キビシイ・アイランド長老連の依頼を受けバックギャモン率いる傭兵たちを死の島に送り込んだ元締めであり、エーデルヴァイスと船を手配したのも彼であった。そして彼は、自らの拠点であるこの命名教会に傭兵ニンジャ、ハスカールを呼びつけた。#smytxt
2016-06-21 17:55:08「あなたをお呼びしたのも他でもない、今回の仕事に関連してです。これを…」 ゴッドファーザーはタブレットUNIXをハスカールに差し出す。歴戦の傭兵は厳しい目(なんと右目は紫水晶)で画面に映る依頼書を追った。「死の島か…噂は聞いたな」「ちと骨が折れそうだな、こりゃア…」#smytxt
2016-06-21 17:58:59彼は文面を追っていたが、ふと表情を変え、ゴッドファーザーの顔を睨み付けた。「…全額前払い? 冗談か?」 相手は表情を変えず応える。「いえいえ。あなたが仕事上の契約を違えたことが一度もないのは知っています。どうせ払うものなら後でも先でも同じことです。それに今回は…」#smytxt
2016-06-21 18:02:28「今回は?」 「生きて帰れるか知れません。せめて、はなむけに。」ゴッドファーザーは目を細めた。 「ヤバイのか?」 「ウーン、まぁ相手はレイハブ・ニンジャですからね」 レイハブ・ニンジャは江戸戦争においてセトナイ諸島で奮戦しもっとも頑強に抵抗したニンジャのひとりだ。#smytxt
2016-06-21 18:05:06死の島の首領、悪虐ニンジャ王にはそのレイハブ・ニンジャのソウルが宿っているのだ。ツヨイ! 「そんな厄介なことなら、なんでその5人だけ先に行かせたんだ?」ハスカールが訝しむ。 「相手がどう出るか予想もつきません。控えのメンバーは馬車で体力を温存しておくものです」#smytxt
2016-06-21 18:07:14「先発隊は捨て駒か?」 「いえいえ、彼らも粒ぞろいです。あなたが着いたころには終わってるかもしれませんよ。アハハ」 「リーダーはあの暑苦しいやつか」 「彼は相当なカラテ強者にして策士ですよ。それに、彼のソウルはシジミ・ニンジャです」 ハスカールは渋い顔をした。#smytxt
2016-06-21 18:10:20