ニクラス・ルーマン『自己言及性について』読書メモ集
- arishima_takeo
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相互作用は、それ自身の要素を再生産するか再生産しないか決定することによって、コミュニケートするか、あるいはコミュニケートしない。相互作用は、生き続けるか死ぬかという生命システムと同様に、それ自身のオートポイエーシスを継続するか中断するかである。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-24 16:29:01コミュニケーションは、行為の一種といったものではない。なぜならば、それは、ただメッセージを発し、それを送るということより、はるかに豊かな意味をもっているからである。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-24 16:32:01さまざまな社会がさまざまな世界を構成する。自己自身を観察するために、つまり自己自身についてコミュニケートするために、社会は、観察するシステムと他のものとを分化させる区別をかならず用いることとなる。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-24 16:35:03システムは、自分自身に関する経験を積み重ね、先行する行為を基礎に、将来の行為に関わる予期(構造)を次第に確立することで、みずからの行為と決定の習慣を学習するのである。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-24 16:38:26システムの安定性は不安定性にもとづいている。このように不連続と新しさが必須要件としてシステムに内蔵されているということは、環境あるいはシステムの状態が、きっかけとしてなにを提供するにせよ、情報を処理し加工することが必要であるということに等しい。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-24 16:42:10出来事は、「これまで」と「これから」との差異を生み出すハプニングである。出来事は、このような差異としてのみ同定され、観察され、予期も記憶される。出来事の同一性は差異である。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-24 16:51:21他人に自分の愛を確信させようとするものはだれでも、そのように試みることによって不誠実となる。唯一の逃げ道は、不誠実さの告白とならざるをえないであろう。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-27 15:37:00もしあなたが他者の役割を取得し、あなたの献身を賛美するとすれば、あなたはすでに誤った轍に入り込んでしまったことになる。すなわち、献身は、すくなくとも非意図的には、コミュニケートされえないのである。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-27 17:10:59「超越論的理論は、結局、循環性を回避しようとする絶望的な試みなのである。自己言及的システムの理論は、循環性を基礎的必然として受け入れる」(ルーマン『自己言及性について』)。いいこというじゃん。
2016-06-27 17:12:28システム内におけるシステムに関するあらゆる自己意識、およびあらゆるコミュニケーションは、自己単純化装置、すなわちアイデンティティを必要とする。政治システムにあっては、このような機能は、国家によって果たされているのである。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-28 17:04:56われわれは、空気がチックタックと鳴らないがゆえに、時計の規則的な刻み音を耳にすることができる。byルーマン『自己言及性について』
2016-06-29 12:57:30ルーマン『自己言及性について』読了。たしかに他の著作に比べれば分かりやすい。自己言及性って、俺を見る俺←を見る俺←を見る俺…って無限後退に陥っていくけど、この循環を論理のループじゃなくてシステムの進化と捉えることができるところに社会システム論の強さがあるんだな、と思った。
2016-06-29 13:04:11だから自己言及性の理解がないと、あらゆる理論は暗黙の特権的外部者に依存する。訳者の土方透のいう、世界一高いビルの比喩は分かりやすい。世界一高いビルにはそのビルよりわずかばかり高い足場が必要だけど、その足場は世界一高いビルに数えないという「お約束」。でも、そんなん勝手な話でしょ?
2016-06-29 13:09:51訳者の土方さんが紹介してるルーマン用語解説本。一冊あると便利そうだな。買おうっかなー。amazon.co.jp/GLU%E2%80%95%E…
2016-06-29 13:14:33