ふぁぼ企画 小説化

ふぁぼってくれたひとを小説にしたときの書き出し
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ぴよらっと @piyorat

( @kugai_18 ) 意識はつまるところ、池に浮かぶ波紋のようなものだ。 そこにあるのは模様ではなく、単振動する水面が、そう見えるというだけのこと。 (そんなものに私の文字を邪魔されてなるものか) そう、強く想う。 私は水面の凪を感じて、それから筆をとった。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:25:48
ぴよらっと @piyorat

( @nekopyarou ) 私の恋人はとても甘やかし上手。 お母さんだってこんなによく面倒を見てくれたりしないと思うの。 爪が伸びたらいそいそと、私の手を取って切ってくれる。 ご飯の準備もいつも彼任せ。彼、私の好みは把握済みなの。週に一度はお刺身をくれるわ。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:38:07
ぴよらっと @piyorat

( @a_igarasi ) 紅が好き。黒とも白とも合う色だから。 昏い紅に身を包むと、私の裡の血が全部ひっくり返って表に曝け出されてしまったようで、変わりやすい私の気分は大抵良くなる。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:44:49
ぴよらっと @piyorat

( @1000xxx ) 誰よりも私のことを好きでいられるのは私だけだと思ってた。でも私より私のことを好きでいてくれる人が現れちゃった。 私が一番大切なのは私だけだと思ってた。そんな私に私より大切なものができるなんてね、ねえ信じられる? #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:47:54
ぴよらっと @piyorat

( @imaginally ) 「君と僕世界の果てで二人ぼっち、それって最高だと思うんだけど?」 「悪くない。でもどうかな、僕ら二人ともあまり料理が上手くないから、コックがいたほうが良くないか」 「君の作ったものが僕の好物だよ」 そう言ってジルは僕の指を舐めた。 #ふぁぼ書出

2016-06-30 21:52:19
ぴよらっと @piyorat

( @R_M_Fleuve ) 最果てを巡回するサーカス団だけが、あの虚無に抗する術を持つという。 一瞬の輝きに魅せられた人々が、そのまま虚無に飲まれて消えゆくその理由が知りたくて、僕はサーカスの入団試験を受けることにした。 #ふぁぼ書出

2016-07-01 01:01:42
ぴよらっと @piyorat

( @103itiaw ) 「私はロボットメイドです。この人格はインタラクティブインターフェイスであり、それ以上の機能は持ち合わせていません。何故あなたは私を『口説き』続けるのですか」 「寂しいからだよ、お嬢ちゃん。おじさん一人っきりでずっと寂しいんだ」 #ふぁぼ書出

2016-07-01 01:19:57
ぴよらっと @piyorat

( @_seraphim41 ) 枯れない花はないなんて、ありきたりな言葉は聞きたくなかった。 「どこかで聞いたような言葉を使われると、冷めちゃうんだよね、私」 頬杖をついたまま、智恵はそう零した。 「もう喋らなくていいよ。無理なら縫い止めてあげてもいいけど」 #ふぁぼ書出

2016-07-01 01:31:06
ぴよらっと @piyorat

( @irag433 ) どうして私じゃ足りないの? 他にも要るのは分かってる、仕事も大事、生活も大事、それは重々承知してます大丈夫。 その上で、私だけを甘やかしてくれてもいいじゃない? って言ってるんだけど! なんて吠えてたら一人ぼっちに元どおり。 #ふぁぼ書出

2016-07-01 01:35:00
ぴよらっと @piyorat

( @Yujin_K ) 「ずっと待ってたんです」 「何を」 「運命」 少女の顔に、暴力的な微笑みが咲く。 右手の剣がアスファルトを引っ掻いて澄んだ音を鳴らす。 射るような視線の先には、無数の光点。 「来た、来た、来た! 私の運命! おいで、全て飲み下してやる」 #ふぁぼ書出

2016-07-01 01:41:53
ぴよらっと @piyorat

( @yayau774 ) 屋上に幽霊がいるという噂は、果たして真実だった。それもとびきり人懐こい、おかしな奴。 「でもさあ、未練とか言われてもわかんないんだよねー、死んだとき何考えてたのかも曖昧でさ」 幽霊はあはは、と幽霊らしくもない眩しい笑顔でそう言った。 #ふぁぼ書出

2016-07-01 02:02:37
ぴよらっと @piyorat

(@abc_peace ) 底抜けの青空に落ちてゆく。 ここは酷く独りきりだ。 「5時方向に敵機接近」 「管制を切れ。私が出る」 私は後ろを振り向き、唇を小さく歪ませた。 「さて、お手並み拝見といこうかね」 私と踊るに足る相手は、ここに独りで来たろうか? #ふぁぼ書出

2016-07-01 02:10:52
ぴよらっと @piyorat

( @supply_yhue ) 入力される情報の洪水から、微かな旋律を追って、集中する。 この世は僕にとって眩しすぎる。 ただ一つの音楽だけで十分なのに #ふぁぼ書出

2016-07-01 08:09:32
ぴよらっと @piyorat

( @takami_florist ) 手に入らないと知ってても、追い求めてしまうものってあるよな? 分かってるはずなんだ。自分がそれを手に入れることは出来ないって。 それでもどうしても、夢を諦めることができない── #ふぁぼ書出

2016-07-01 08:12:24
ぴよらっと @piyorat

( @hosahosa666 ) 俺は月。 天から鬱陶しい太陽がいなくなってからが俺の時間。 星々を押し退けて、誰よりも輝く。 「月は光を反射しているだけだわ」 腕の中の女が、蕩けるような声でそんなことを言う。 「そうかい? もっと近くに来て確かめてみるといい」 #ふぁぼ書出

2016-07-01 08:16:54