少子高齢化で膨れ上がる医療費をどうするか、という議論は、新聞を開けば見ない日がないような気がする。新聞の社説や、新聞の財政学者の意見によると、多剤投与の見直しなどで医療費の無駄を改善するべきらしい。
2016-07-06 19:44:07確かにこれまた新聞やテレビを見ると、「あちこちの病院から大量の薬を処方され、飲むのが大変」という高齢者の嘆きが流れてくる。だけど待てよ、日本の医療は「薬漬け」が問題だ、ということはずっと前から言われていた。ろくに診察をせず、すぐ薬で済ませる悪い医者の話はさんざん繰り返された。
2016-07-06 19:44:33だから、そのための改革もすでに行われている。薬を出すほど医者の稼ぎになるのはよくないということで、医師は処方箋だけ書いて、薬局で調剤されるという方式もその一つ。私も当時、そんな議論やシステム変更は知らなかったが、それまで病院が薬を出していたのが、薬局に変わったのを経験した。
2016-07-06 19:45:08医者が薬に頼りがちなのは、医者の金儲けという低レベルな問題だけだろうか。たとえばイギリスでは、うつ病患者のための精神療法、カウンセリングなども保険がきいていたが(2016年現在は知らない)、日本では効かない。
2016-07-06 19:46:24病院は混雑しがちで、診察にも時間が取れないとなると、医師にとって確実なのは多剤投与になってしまう。薬に頼らない精神療法を充実させようとすれば、結局医療費がかかるのは明白だ。
2016-07-06 19:46:53医療費のような、人間の健康・生命にかかわる予算は、軽々しく減らせるとか抑制できると考えないほうがいい。ところがまぁ、「これまで聖域として守られてきた」から「聖域なき構造改革」だ、といわれるとコロッと支持してしまう人がいる。
2016-07-07 16:50:20最近、山本七平「日本はなぜ敗れるのか 敗因21カ条」という本を見た。これは、太平洋戦争中フィリピンに赴任した軍属の手記を、同じくフィリピン戦線に従軍していた経歴を持つ山本氏が読み解くというスタイル。
2016-07-07 16:51:55(山本七平の体験記は別に出版されている。)山本氏は、「ユダヤ人と日本人」で外国人をかたって好き勝手な日本論をやったとか、百人斬り競争をめぐって本多勝一氏にいちゃもんをつけたとかで、リベラル派から厳しく批判されている。
2016-07-07 16:52:22「米人と日本人の個人の計算能力を比較してみると、日本人のほうがいいように思うとこの前書いたが、この戦争で両国の最高首脳部が敵国の国力、工業力を計算しあった。米国は日本の力を大雑把に大きめに計算し、日本は米国の力を少なめに計算し、それにストライキ、
2016-07-07 16:53:24その他天災まで希望的条件を入れて計算した。そしてその答えは現実にあらわれてきているが、日本のは計算が細かすぎて大局を逸しているようだ」(267~268ページ)
2016-07-07 16:53:39手記の著者は農科学者なので、インテリらしい緻密な洞察をしている。日本人の計算能力が優れていることを認めながら、間違った使い方をしてしまった、と嘆いている。
2016-07-07 16:54:17もちろん、アメリカ人が大雑把に計算しても大丈夫なのは、アメリカの資源が豊富で、物量に勝っていたからだ。アメリカ人だって、歴史上、財政赤字などが突き上げられると、おおざっぱで効果のない削減案を出しては、失敗するということもあった。
2016-07-07 16:54:46日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) 山本 七平 amazon.co.jp/dp/4047041572/… @amazonJPさんから
2016-07-07 16:55:47ほかにも小松秀樹「医療崩壊」など調べたい本はあるが、体調が悪いので今はこれでまとめておく。数日前、気分が悪くなって吐いたばかりだ。腹痛や下痢も頻繁に起こっている。それでもあれこれツイートしたい気分はおさまらず、ネットをやっていたが、今は体を気遣って抑制しておく。
2016-07-07 17:03:19医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か 小松 秀樹 amazon.co.jp/dp/4022501839/… @amazonJPさんから
2016-07-07 17:03:25