140ssログ7月

やまたに @mw_snc

@mw_snc じっちゃん。彼がもういない主のことを呼ぶ度に心臓が跳ねる。石切丸は何も言わない。じっちゃんはすごいひとだったんだ。何も言わない。ねぇ、君は本当にただの御神刀かい。不安でさ迷う手はすぐに握ってくれるけれど。雷雲を呼んだのは鵺かそれとも。(石かり+獅子王)

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@mw_snc 借りに来たぜ。薬研は石切丸の部屋を訪れる。出陣から戻る頃には返しておくれ。おう、昼には終わるさ。なら構わないよ。お代は返すときにな。そんなものいらないよ。和やかな会話だ。実に穏やかだ。貸し借りされてるのは僕だと言うのに。頭上でまだ話は続いている。(石かり+薬研)

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@mw_snc 残念だね。蜂須賀は呟く。柘植の櫛は緑の髪を撫でている。せっかくさらさらになったのにねぇ。されるがままの青江も返す。シャンプー作戦は失敗だった。ふふ、と不意に蜂須賀が笑った。なにがおかしいんだい。どうりで、今日はお香の香りが強いわけだと思って。(石かり+蜂)

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@mw_snc 兄様にと花を摘むと、薬研がもっと大きな花を見つけてくる。兄様を見つけて駆け寄ろうとすると、薬研が先に飛び出していく。兄様の布団で寝たと言った翌日には、薬研は側から離れなかった。意外と子供っぽい。そう話すと兄様はそこがいいと笑って。僕も、嫌いじゃない。（薬宗＋小夜）

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@mw_snc 膝丸は、彼を御神刀殿と呼ぶ。あからさまに境界線を引く。源氏に所縁のある刀は嬉しい。けれど、ああ呼ぶのだけはどうしても嫌なんだ。そう詫びる。その我儘が髭切の独占欲を隠すのだ。それは、石切丸が彼らを弟と呼ぶ日まで暴かれることはない秘密だ。（髭膝＋石切丸）

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@mw_snc 縁側に座っていると、ぺとり、内番着の青年が背中に張り付く。どうしたんだい。隠してください。庭先では薬研が辺りを見回していた。喧嘩かい。怪我を隠して出陣したので。告げられた言葉に石切丸は微笑んだ。薬研、姫君はこちらだよ。握った腕は打刀では外せまい。(薬宗+石切丸)

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治癒の御神刀にそれを言うなんて馬鹿な子だねってひょいと持ち上げて医務室まで運ぶ石切丸さんと、ついでに運んでくれやって頼んだくせに軽々やられて悔しい薬研くんと、今度から明智丸って読んでやりますから！って暴れる宗三さんに続く。twitter.com/mw_snc/status/…

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@mw_snc 薬研がどのくらい好き。鯰尾の質問に、宗三はきょとんとした。今、ふたりは馬の世話をしていたはずだ。突然ですね。急に思いついて。つまり世間話ということか。宗三は少し考えて、その黒髪に手を伸ばす。あなたを髪を伸ばした薬研という目で見るくらい、ですね。（薬宗＋鯰尾）

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@mw_snc 青江には、さんじょうに、よめいりするかくごがあるのですか。短刀は子供らしくない顔で語る。ぼくたちのひとふりを、てにしたいというのなら、たいかをはらってもらわなくては。対価とは。掠れた声に今剣は表情を幼く変えて。おいしいおうどんがたべたいですね！（石かり＋今剣）

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@mw_snc 可愛いね、と女の格好をした刀が言う。頭に淡い金色のリボンを巻いた膝丸は不機嫌だ。君が兄者に渡したんだろう。僕は贈り物に結んだら、と言ったんだよ。ああ、だから俺はこれから兄者のところへ行かねばならん。足の生えた贈り物はそう庭をぐるっと回って帰っていった。（髭膝＋乱）

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@mw_snc 青江と陸奥が話している。げにまっこと暑いちや。あつけしたらいかんで。ひやいお茶飲みゆう、なんちゃじゃない。僕にもいたあ。やお。おおきに……石切丸、どうかしたかい。なんでもないよ。少し寂しいなぁ、とは見栄を張って言えなかった。（石かり＋陸奥）

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やまたにさんの数珠丸チャレンジセカンド 1．いつものCPとドロップで140字 2．経験値目的で総員入れ替え 3．いつものCPは隊列で決定 4．上からみつくりみつ、薬宗、石かり、髭膝、じじしし、その場の気分。 5．手入れ部屋に入れたら持ち上げで交代 6．数珠丸さん来て

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@mw_snc 首が疲れる。獅子王が苦笑する。わかるよ、と蛍丸は頷いた。自分も極端なほど小さいけれど、獅子王も脇差と並ぶ程度だ、同じ種別の刀と話せば見上げてしまう。でも見ちゃうんだよ。こっそりと白状する。視線の先には、目も疲れそうなほど綺麗な太刀がいる。(じじしし+蛍)

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@mw_snc 仲良くなったのは必然だ。時折喧嘩になることも。そう堀川は思っている。自分よりよっぽど年上のそのひとは、自分よりも感情が豊かだ。兄者、兄者が。うんうん、今日も仲良さそうでなによりだね。兄者が一番格好いい。それは訂正しようか。俺の中で。それならいいよ。(髭膝+堀川)

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@mw_snc 浮気します。喧嘩の流れ弾は何故か光忠だった。先程まで宗三を睨んでいた目がこちらへ向く。彼は適当に最適な刀を選んだのだ。大人だれど老獪でなく、知った仲でも知りすぎない間柄で。ひどいなぁ、と呟く前に薬研が言う。俺も燭台切と浮気する。やめて巻き込まないで。(薬宗+光忠)

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@mw_snc 最近ね、青江が呟く。君の主の気持ちがわかってしまった。さも心外そうに。だって、僕がそう思うなんて自分でも思わなかったのさ。弁解する青江は、だって、と繰り返す。そりゃあ庭師は切りたいよね。彼とは二人で遠征に行っただけだよ。歌仙の弁解に青江は笑った。(石かり+歌仙)

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@mw_snc 髭切が歩く。その後ろを膝丸が追う。この本丸の見慣れた光景だ。陸奥はそれを見るたび少しおかしくなる。気持ちを共有できるのはほんの数振りだ。ひと冬の京都での再会は、先に離れる兄の方が惜しむように付きまとっていたのだから。今は幸せそうで、なによりぜよ。(髭膝+陸奥)

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@mw_snc 雀が鳴く。日が昇る。平和な朝だ。今日の予定は出陣。青江は夜戦部隊だ。いつもの朝だ。身動ぎすると、暖かい腕に包まれる。寝坊助が寝言で名前を呼ぶ。しわくちゃの敷布のひとつさえ愛しい。幸せな朝だなぁ、とまだ夢の中の住人にこっそりと口付けた。(石かり)

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@mw_snc 平安刀は苦手だ。和泉守は思う。なに考えてんだかわかりゃしねぇ。なのに国広はいつの間にかそのひとりと仲良くなっていて。いや、それはいい。問題は、最近弟が兼さんばっかり構うんだよねぇ。仕返しとばかりに入り浸る兄の方だ。あと、俺が兼さんだ。(髭膝+和泉)

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@mw_snc これはなんですか。問いに薬研は桜皮と答える。咳止めに使う。へぇ、と今剣は次の瓶に手を伸ばす。ここには色々なものがあって面白い。みかんのかわ。それも薬になる。 このとろとろしたみずは。沈黙。やがて気まずそうに。聞かんでくれ。ああ、よるのおくすりですね。(薬宗+今剣)

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@mw_snc 小夜、と呼ばれて振り向いた。縁側に座る兄。その膝に寝る子供。掛けるものを持ってきてくれませんか。それじゃあ、と差し出したのは自分の袈裟だ。いいんですか。今日は出陣がないから。そう告げて薬研に掛ける。兄様の香りで目覚めるなんてしなければいいと。(薬宗+小夜)

やまたに @mw_snc

@mw_snc たまには貸してよ。その言葉は、乱が選びに選んだものだ。本当は、返して、って言いたい。いつ終わるかわからないこの空間を、粟田口の皆で過ごしたい。でも、終わりに怯えるのはこの刀も一緒だろうから。たまにでいいから薬研とお泊まり会したいの、そう告げた。(薬宗+乱)

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@mw_snc 戦いたいんだ。青江の訴えはどこか切実だった。美術品ではいたくないんだ。それを拙僧に申すか。山伏が笑い飛ばすと、少し気まずそうな顔をして。君の誇りと僕の誇りが交わらないだけさ。それで御神刀と交わるのは不思議なものよ。彼も、守るために切るひとだから。(石かり+山伏)

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@mw_snc 隊長がうるさいから。いい加減現れてくれ。倶利伽羅は自棄にも似た覚悟で刀を振るう。終わったら、太鼓鐘を探しに行こう。その審神者の言葉に馬鹿みたいに頑張るやつがいるから。ただ、それだけで。みつ、ただ………来た。そう、待ち人とは違う名を呼んだ。(終幕)