140ssログ7月

やまたに @mw_snc

いやだやめて。拒否の言葉を告げる瞳は笑ってる。どうしてだい。乗ってあげると、待ってましたと言うように。だって、まだ明るいから。布団を敷いたのは君のはずで、なんて責めることはしない。本当に駄目かな。ねだれば、いいよと渋々に見せかけて頷くのだから。そんな、無駄な遊びだ。(石かり)

やまたに @mw_snc

しらじらしい。自分でも馬鹿みたいだと思いながら、嫌がるそぶり。いいの代わりに嫌。しての代わりに駄目。どうしてもかい。そうねだられることが嬉しくて、求められてると思えば安心出来て。そうしないと不安になってきて。だから、今日もこのくだらないやり取りを僕らはするんだ。(石かり)

やまたに @mw_snc

かまって。珍しく素直だと思えば酒の臭いがする。飲みすぎたのかい。水を渡せば飲ませてとごねて。畳に寝かせれば離れないでとすり寄ってくる。仕方ないね。前髪を避けてやると赤い瞳がふにゃりと蕩ける。本当は、外でこんな姿になるまで飲んで欲しくないのだれけど。さて、平常心平常心。(石かり)

やまたに @mw_snc

りせいを飛ばして、体を熱くさせる水を飲んだ。お酒のことだ。こうでもしないと大脇差では大人に甘えることが出来ないから。だから、たまにそうしたいときには限界まで飲み干すのだ。でも、そうしてるのは僕なのに、素直だと可愛いと言われると、悲しくなるんだから勝手なものだろう。(石かり)

やまたに @mw_snc

のこり三つ。手当てしてない傷を数える。痛いだろうに、彼は歯を食い縛ったまま何も言わない。やっと手入れ部屋が空いたようだ、連れていこう。抱きかかえようとする手は弾かれた。ひとりで行ける。ふらつくくせに。頼りなさい。頼りたくない。こんなときでも、彼は背伸びをするのだ。(石かり)

やまたに @mw_snc

ひどい失態だ。応急手当をされながら思う。こんな姿を見られるなんて。弱いところを見られるなんて。なにが元大太刀だ。今は一体倒すのがやっとのくせに。自己嫌悪の最中に抱きかかえようとした手を弾く。だから、弱いもの扱いしないでくれ。よりによって君が。僕は君に並びたいんだ。(石かり)

やまたに @mw_snc

ちいさいと思うのはきっと自分が大太刀のせいだろう。彼が顔をあげなければ視線すら交わらないから。小さい。子供。脇差。繰り返すのは繰り返さねばその体格差を忘れてしまうからだ。守らねば、そう思うのもなにより自分の欲望からそうしたくて思うことで。忘れたら、君を傷つけてしまう。(石かり)

やまたに @mw_snc

こども扱いするくせに、その瞳には苛烈な炎が宿ってる。握りつぶさないように重ねられた手は、けれども僕が抜けられないようにもなっている。それなら、無理しなくていいのに。そう思った。ああ、もう、好きにして。君の望むままでいいから。言いたい気持ちは全部君の唇に飲まれた。(石かり)

やまたに @mw_snc

くだらない見栄はやめにしよう。そう言い出したのはどちらからだったか。私は素直になれない君も可愛いし、素直に誘えない君も、強がる君も好きだよ。僕だって、大人ぶれない君も好きさ。なら、と布団に潜ったのもどちらが先か。結局、素直じゃないし無理もさせなかったけれど、それでいい。(石かり)