140ssログ9月~11月

石かり、薬宗、髭膝、くにちょぎログ
1
やまたに @mw_snc

唇が触れ合う。珍しい弟からの口吸いに、髭切は動揺を隠した。兄者、兄者。息継ぎの合間にも求められて、悪い気はしないけれど。なにかあったのか、どうしたんだろう。原因を考えようとしても、抱きつく体が邪魔をする。兄者、こちらを見てくれ。そう言われては、夢中になるしかないじゃないか。(髭膝)

2018-09-02 06:59:44
やまたに @mw_snc

御神刀を椅子代わりに出来るのは僕くらいだろう。青江は背中にその体温を感じながら、本を読む。青江、まだ読み終わってないよ。石切丸も後ろから見ているのか、そんな声が時折かかって頁を戻す。お互い別に読んだ方が、絶対にいいだろうに。それでも、青江は椅子にするし、石切丸の抱き枕だ。(石かり)

2018-09-02 07:09:11
やまたに @mw_snc

いつも綺麗に纏めた宗三の髪が今朝はぐちゃぐちゃで、食堂が騒然とする。寝坊したのか。長谷部が言い。具合が悪いのですか。兄が尋ねる 。俺がやり直そうか。不動の提案を拒むと、小夜が近付いて。兄様、なんだか嬉しそう。薬研にやってもらったんです。下手でしょう、と宗三は笑った。(薬宗)

2018-09-02 07:16:10
やまたに @mw_snc

刀とは、切るものだ。置物連中はどうだか知らないが、少なくとも青江にとってはそうだった。だから、慈しみも愛情も、遠いものだ。遠い、ものだった。大きな手のひらに包まれたい。強い力で求められたい。それは、武器の感情ではなくて。あの、紫の瞳に見つめられたい。愛を、語られたいのだ。(石かり)

2018-09-03 17:35:21
やまたに @mw_snc

お願いします。神様、どうか。その願いを聞いて、聞き続けて何百年だ。この身は人を切る武器でないのだと、石切丸は病を切るための手を握る。神様、どうかお願いを。請われ、求められることに慣れたこの身が、何故かあの脇差だけにはうまくあれない。君が欲しい。どうかこの手に。ねぇ、青江。(石かり)

2018-09-03 17:43:25
やまたに @mw_snc

総領たれ、と誰が言ったのか。賢く強く堂々と、敵ならば親兄弟であろうとも。その狂気とも重責とも言える血脈に握られた髭切の性質は総領のそれだった。そして、弟は。兄者はすごいな。敬愛の眼差しが眩しくて、髭切は微笑むふりで目を細める。本当は、身も蓋もなくお前を請うていたいのに。(髭膝)

2018-09-03 17:56:26
やまたに @mw_snc

高く結った髪を青江がほどく。ふわりと瞬きの間だけ広がって、すぐに垂れる長髪は、夜の始まりを教えるようだと石切丸は思う。なんだい、見つめて。照れた君も、それは気付いているだろうに。その髪を、今夜も乱していいかな。君の好きにしなよ、そう言いつつ、君の指先は髪を揺らすのだ。(石かり)

2018-09-04 07:08:30
やまたに @mw_snc

幅広のベルトに弟が自ら手をかける。髭切にとって難解なそれはいとも容易くぶらりと垂れて。おいで。すっかり軽装になった弟を呼べば、待ちかねたように抱きつかれる。兄者、兄者。我慢の出来ない子だね。咎めるも、それは自分も同じで。その細腰が暴かれる瞬間をまじまじと見ていたのだ。(髭膝)

2018-09-04 07:20:32
やまたに @mw_snc

普段の格好があれなくせに、と薬研はきっちり着ている浴衣に思う。閉じた襟元、見えない素足。それが拒絶と感じないのは、宗三の視線が泳ぐからだ。まるで生娘だ、と幾夜の事を忘れて思うが、それがまた愛しくて。今夜も俺が崩すためにそれはあるのだ。手のひらを、差し込んだ。(薬宗)

2018-09-04 07:26:23
やまたに @mw_snc

さくらが舞う。ひらひらと舞う。綺麗だな、と石切丸は口にした。ひらひら、はらはら。その中央にいる君はとても綺麗だ。そう重ねれば、落ちる桜。喜びの桜。たくさん降るね。君に言えば、むっとして。君が、綺麗だなんて言うからっ。そう、また桜が舞うのだ。ひらひら、はらはら。私への桜。(石かり)

2018-10-07 10:10:34
やまたに @mw_snc

くれる夕日に手を繋ぐ。君は夜目が効かないからね。おとなしく従う君が愛しいと、青江は手のひらの体温に目を細めた。誰そ彼時というけれど、こうしていれば、わからなくなることもない。青江、青江。君が呼ぶ。その声も、間違いようがないもので。はいはい、なんだい、石切丸。僕も君を呼ぶ。(石かり)

2018-10-07 10:17:36
やまたに @mw_snc

みえない闇に、君が手を引く。大太刀は不便だねぇ。君は特にどんくさいから。言われる言葉は辛辣でも、声はひたすらに柔らかい。そうやって、優位に立っているつもりなのかい、とは心の奥へしまっておいた。食らうなら、闇の一番深いときがいい。それまで、君よ、どうか油断していて。(石かり)

2018-10-07 11:43:53
やまたに @mw_snc

ぎもんはある、と青江は思う。まず刀である。次に双方雄の形をしている。合理性なんてどこにもなくて、ひたすらに野暮ったくて泥臭い。どこまでは、疑問ではなく。そう思ってまで、どうして閨を共にするのか。石切丸の体が近付く。触れる。疑問は、すぐに敷布に溶けた。(石かり)

2018-10-07 23:43:26
やまたに @mw_snc

⑥京博で並んでるとこれしかでなかった。(髭膝、薬宗) pic.twitter.com/mw71Ngv6my

2018-10-27 10:46:21
拡大
やまたに @mw_snc

⑨一人称、僕の弟、俺の兄者で誰視点かわかるから楽なところ選んでしまった。(髭膝) pic.twitter.com/B2XpLDhmdO

2018-10-28 08:12:52
拡大
やまたに @mw_snc

⑫装飾が多いと薬研くん視点に見えない(裏技)(薬宗) pic.twitter.com/QZRLy5uxUg

2018-10-28 08:55:39
拡大
やまたに @mw_snc

⑰石かりはなんだか皆に見守られてる気がする。 pic.twitter.com/bw6v0lnQAz

2018-10-28 09:29:17
拡大
やまたに @mw_snc

おや、と月の刀は微笑んだ。この人の子は北野から来たらしい。梅の香を纏わせて階下へ降りる。まったく、と黒田の刀は肩を竦めた。いずれか北野へ行かないか。誰彼構わず春の気配を乗せている。そうやって、東に北に互いのことを届けるのだ。主は伝書鳩ではないというのに。(髭膝)

2018-10-30 13:04:04
やまたに @mw_snc

いしきりまる、とあの子は呼ぶ。石切丸、この件だけど。石切丸、夕飯だよ。石切丸、石切丸。まるでそれは雛のようだと、数珠丸は暖かな瞳で見つめる。私は、遅く来てよかったのかもしれません。でなければ、頼る機会もなかったでしょう。そう彼も、にっかりと微笑むのだ。(石かり+数珠)

2018-11-24 00:56:40
やまたに @mw_snc

いち兄。駄目です。いち兄。却下。一期兄さん。許しません。一期お兄ちゃん。薬研、気持ちが悪いことはやめなさい。だったら、許可をくれてもいいだろうに、と薬研は唇を尖らせた。駄目だよ、この兄の目が黒いうちは。元々が金色だろ。また、遠出の逢瀬はお預けらしい。おひぃさんと抜け出すか。(薬宗)

2018-11-24 09:12:17
やまたに @mw_snc

にいさま、と甘えた声がする。兄様、兄様、お願いがあるんです。自分と背の変わらない弟は、そうしなだれて。どこかへ、お泊まりしてきてくださいな。予想通りの言葉は、あの短刀を招くものだ。お小夜が、いないときだけですよ。ええ、ええ、わかっています。嬉しそうな弟は可愛らしいので。(薬宗)

2018-11-24 09:22:24
やまたに @mw_snc

いくさは先走るくせに、と髭切は下に敷いた弟に思う。布団の上の弟は、ひたすらに奥手だ。兄者、兄者。はいはい、いるよ。すぐに目を瞑ってしまって、それで僕を探して。手を繋ぎたがるから、片手はいつも塞がれて。動きにくいったらありゃしない。それが、可愛い、愛しい僕の弟。(髭膝)

2018-11-24 09:36:08
やまたに @mw_snc

さてはて、三条に用かな、背の君。ある日はそれで。おやおや、北の方、長男殿はあちらだよ。ある日はそれで。なんだろうなぁ、と青江は思う。歓迎されてはいるのだ。皆、優しい。大家族の恋人って大変だねぇ、宗三くん。化け物集団より、粟田口の方がずっと楽でよかったですよ。(石かり(+薬宗))

2018-11-24 09:51:50
やまたに @mw_snc

寒い夜には、と膝丸は布団をめくる。軽い羽毛とふわふわの毛布に挟まれるのは、心地いい。けれど、ひとつ足りないと、障子の外を思う。もう少し、あと少しでそれはここに。ただいま、また僕の布団で寝ているのかい。そう笑う極上のゆたんぽに甘やかされるまでが、寒い夜のお決まりだ。(髭膝)

2018-11-24 22:49:12
やまたに @mw_snc

寒いのが、悪い。長義はそう言い訳した。寒いから、寒いせいで。俺は体温が高い方だな、なんてにやにやする男を布団へと招く羽目になったのだ。暖かいか。暖かい。抱き締められて、そう答える。寒いのだから、もっと張り付いてもいいのかな。長義はまだ、湯たんぽという道具を知らない。(くにちょぎ)

2018-11-24 22:54:34
1 ・・ 7 次へ