イタリアの小児甲状腺乳頭がん:250例、14年間の多施設共同研究
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2016年1月公表の米国甲状腺学会の成人用の「甲状腺結節と甲状腺分化癌患者の取り扱いガイドライン』online.liebertpub.com/doi/pdf/10.108… p.10の甲状腺結節取り扱いガイドライン「直径1 cmを超える結節だけを評価すべし。1 cm未満の結節の診断治療は益より害が大きい」
2016-08-27 05:29:03すみません、Twitterの字数制限のため書き落としてしまいましたが、引用部分は頭に「原則として」を追加して読んで下さい。
今にして思えばウォールストリートジャーナルが2015年10月21日に次のような記事を掲載していたのも、米国甲状腺学会のガイドライン改訂の動きを知っての上のことだったのかもしれません。
「初期のがん、治療すべきか―議論促す日米の研究結果」
http://jp.wsj.com/articles/SB11130368917055384376704581306231372246602
この記事に登場するスローン・ケタリング記念がんセンターのR・マイケル・タトル博士は改訂版ガイドラインを掲載した論文
http://online.liebertpub.com/doi/pdf/10.1089/thy.2015.0020
に共著者として名を連ねているところから、ガイドライン作成委員会のメンバーだったことがわかります。
この記事で取り上げられた研究成果について、詳しくはこのまとめの「参考2:治療方針を考え直す動きも」をご覧ください。
2016年1月公表の米国甲状腺学会の成人用の「甲状腺結節と甲状腺分化癌患者の取り扱いガイドライン』online.liebertpub.com/doi/pdf/10.108… p.10の甲状腺結節取り扱いガイドライン「1 cm未満の結節でも、自覚症状やリンパ節転移があればさらなる評価が必要になる」
2016-08-27 05:45:55米国甲状腺学会は成人用の「甲状腺結節と甲状腺分化癌患者の取り扱いガイドライン』online.liebertpub.com/doi/pdf/10.108… に「1 cm未満の結節を症状やリンパ節転移がないものまで全部診断治療することは益より害が大きい」と明記し、神戸の隈病院流の非手術経過観察戦略を取り入れた
2016-08-27 05:58:55神戸の隈病院で採用されている甲状腺微小乳頭癌における非手術経過観察の適応基準(微小癌とは腫瘍の直径が1 cm以下のもの)(宮内昭, 伊藤康弘. 微小乳頭癌の取り扱い. 日本甲状腺学会雑誌 2015;6:25-29 より) pic.twitter.com/W10XqDy0DQ
2016-08-27 06:13:18引用の2015年の論文より:
われわれは,2003年に非手術経過観察を選択した162症例の早期結果を報告した。(中略)われわれより2年後の1995年から癌研究会附属病院(現 がん研究会有明病院)でも同様の臨床試験が開始され(中略)非手術経過観察のまとまった症例の報告は,当院と癌研究会附属病院の2施設のものしかないが,これらの報告を受けて,日本内分泌外科学会と日本甲状腺外科学会による『甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010年版』は,非手術経過観察を選択肢の1つとして採用した9)。これは非手術経過観察を取り扱い方法として認めた世界で最初のガイドラインとなった。
低リスク微小乳頭癌に対する非手術径観察が1993年に隈病院にて世界で初めて開始され,1995年に癌研究会附属病院でも同様の臨床試験が開始された。わが国においてはこれら2施設からの報告を受けて,日本内分泌外科学会と日本甲状腺外科学会のガイドラインに非手術経過観察も取り扱いの選択肢の1つとして採用された9)が,これがわが国全体のどの程度に普及しているかは全く不明である。まして世界からみると,非手術経過観察は極々の微少意見であるといわざるを得ないのが現状である。
日本内分泌外科学会と日本甲状腺外科学会の『甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010年版』は日本癌治療学会のホームページ
http://www.jsco-cpg.jp/item/20/index.html
にオンライン公開されており、腫瘍径1 cm以下の微小乳頭癌の非手術経過観察は推奨グレードC1(6段階の推奨グレードの上から3番目)で取り入れられました。
http://www.jsco-cpg.jp/guideline/20_2.html#cq20
(反回神経とは甲状腺のすぐ後ろを走る神経で、声帯を動かす筋肉を支配。近くにできた腫瘍が大きくなるとこの神経が圧迫されて声がかすれる。また甲状腺切除手術で傷つくと声がかすれる、会話時に息切れするなどの後遺症が残る)pic.twitter.com/W10XqDy0DQ
2016-08-27 06:28:05それにしても隈病院の甲状腺微小乳頭癌における非手術経過観察の適応基準が出ているこの論文(宮内昭, 伊藤康弘. 微小乳頭癌の取り扱い. 日本甲状腺学会雑誌 2015;6:25-29 )、日本甲状腺学会はここのページjapanthyroid.jp/public/informa… に無料公開してほしい
2016-08-27 06:45:16余談2:イタリアルネサンスの宗教画にみる甲状腺疾患
イタリアルネサンスの画家、ピエロ・デラ・フランチェスカが描いたマグダラのマリアhomepage2.nifty.com/yamasaki-clini… が甲状腺機能低下症(瞼が腫れぼったく、頸部にも腫れ)ではないかという内科開業医の考察。中部イタリアはヨード摂取量が少ない地域として知られるとか。
2016-05-04 12:07:24(↑是非リンクを開いて一度絵をご覧ください↓)
イタリア北部と中南部を分ける等語線(言語境界線)、ラ・スペツィア=リミニ線。commons.wikimedia.org/wiki/File:La_s… この論文ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2712998… の研究が行われた4つの医療機関のうちパドヴァとミラノはイタリア北部、ピサとローマは中部にあたる
2016-05-04 12:44:02医師がヨード欠乏性甲状腺機能低下症と診断するマグダラのマリアhomepage2.nifty.com/yamasaki-clini… を描いたピエロ・デラ・フランチェスカは、ヨード摂取量が少ない地域として知られる中部イタリアのトスカナ州に生まれ州都フィレンツェで活躍。この絵のような人を見慣れていたのだろう
2016-05-04 12:58:15ピエロ・デラ・フランチェスカ(1415-1492)はイタリアルネサンス初期を代表する画家の一人。代表作のいくつかをこちらでどうぞ。一番下の2枚の横顔の肖像画は「これ見た!」という方もおられるかもしれません。
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/piero.html