こじらせたリーマン 20160822-20160828
- tsutsujishika
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台風の影響もあり、今日は残らず帰るように言われた。そーいうことはもーっと早く言ってくんねえかな、と思いながら経理部へ。 すっとチョロ松の席に寄って、耳打ちする。「一緒に出よう。玄関で待ってる」 チョロ松ははじかれたように顔を赤くして、ぎこちなく頷いた。うんうん。悪くない反応だ。
2016-08-22 17:56:02他の社員が居る前でこういうことをするのをチョロ松は嫌がる。現に今も、瞳には抗議の色がにじんでいた。でも、だって。これからの時間だけは、お前は俺のものだって。誰でもない誰かに見せびらかしたかったんだもん。
2016-08-22 17:57:11朝平気だった?いやー結構濡れて大変だったよ。なんて、他愛もない話をしながら電車のつり革を掴んでいる。台風はいくらか北上したようだが、未だあちこちで電車が遅れている。今日はどこへ行くんだろう?そういえばおそ松に行き先を聞いたことなんてない。乗り換えなんてあったら面倒そうだと思った。
2016-08-22 18:21:02駅を降りた時点でおかしいと思った。そしらぬ顔で傘をさすから何も言わずについてきたけど……おそ松の家に連れてこられるなんて。 さすがに戸惑って立ち止まり、「おそ松、あの…」と言ったところで腕をひかれる。
2016-08-22 18:47:02慌てて傘を閉じ、引きずられるようにして階段を二階までのぼって、左手のドア。おそ松は素早く鍵を差し込んでドアを開けると、そのまま僕を部屋に投げて入れるようにした。足がもつれて転びそうになったが、しっかりと腰をつかまれる。後ろ手にドアは閉められて、ガチャンと重たい音をたてた。
2016-08-22 18:48:03「お、おそ松」 「何。やめろって言われてもやめねえよ?」 やめないのか。とりつくしまもなく、するりとシャツをたくしあげられる。僕は期待に甘い息を漏らしてしまい……。じゃなくて! 「ぼく、うしろのじゅんび、まだしてない」 耐えかねるように言うと、おそ松がにやりと笑った。
2016-08-22 18:51:06「へえ。じゃあ、俺がやったげる」 おそ松の指は体をなぞりながら、僕のスラックスのポケットへたどり着く。そのまま侵入して、たやすくそれを探り当てた。……いつも使っているパッケージのローションだ。 「大当たり」 アイスの当たり棒が出た子供みたいに言うな!
2016-08-22 18:52:06彼の手際にあっけにとられている間に、下着ごとスラックスをずらされて、下半身が外気にさらされた。 「だめっ……!おそ松、はずかしい……!」 「いいじゃん別に。いつも恥ずかしいことやってるでしょ?」 「それとこれとはワケが違うんだ、……ッあ」
2016-08-22 18:53:13ひくひくと収縮するそこを、じっくりと見るのは初めてかもしれない。雨で冷えた身体のなかで、ここだけが熱く温度を持っている。 玄関でなんて、と最初は文句を言っていたチョロ松も、今は大人しい。急所を晒しているからか、単に快楽に弱いのか。どっちにせよ、簡単すぎて心配になる。
2016-08-22 18:56:03好き勝手やっている俺が言えた口ではないか。指で良いところを探ってやると、甘やかな声が漏れる。そんな声を、他の奴にも聞かせているの?土曜日一緒にいた、あいつにも。 今まさに嫉妬の怪物が、目の前の身体に噛みつこうとしていた。
2016-08-22 18:57:13床にうつぶせになって、おしりだけ高くあげて。すべてを暴かれるような状態で後ろをほぐされ、そのまま挿れられた。床が冷たい。硬い。
2016-08-22 19:16:01「チョロ松、考え事?」 荒い息の合間におそ松が言う。誰か、他の、ヤツのこと、考えてるの? お前こそどうなんだよ。とは言わずに、床が冷たいからベッドに行きたいと伝える。 すると「一回出しちゃってからね」と追いたてるように突き上げられた。
2016-08-22 19:18:03ずるずると頭を上げると、玄関、部屋、そしてベッドまでいくつかの使用済みゴムが散乱している。ヘンゼルとグレーテルか。自分を嘲るように笑うと、傍らのチョロ松が呻いた。やりすぎたね。あやすように頭を撫でてやったら、そのまま眠ってしまった。
2016-08-22 23:46:02チョロ松の体はまっさらだった。日焼けはいくらか薄くなって、キスマークのひとつもない。例の相手とは、なにもしなかったのだろうか。わからないが、主張するように自分の痕をいっぱいつけてやった。腹、腰、太ももの際、それからうなじにも。
2016-08-22 23:47:00