140ssログ９月

やまたに @mw_snc

花を贈ろう、名も無き花を。薬研は無造作に束にして渡す。なんの花です。籠の鳥は野花を知らない。物珍しそうに、知らないことを寂しそうに眺めるから。俺っちもわからねぇから、辞典借りてきた。一緒に知るのも悪くないだろう。一頁一頁、知る花をふたりで増やすのも。時間はあるはずなのだ。(薬宗)

やまたに @mw_snc

花を贈ろう、薔薇の花を。意味は知らないだろうと七本を青江は贈る。たまたま見つけたから。君の部屋に神棚以外も飾ったら。言い訳を並べて。綺麗な花だ、彼は何も知らずに笑う。私だけでは勿体ないから、君も飾りなさい。一本手渡して、私の気持ちだよ、なんて。君は、何も知らないはずだ。(石かり)

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花を贈ろう、向日葵の花がいい。三日月の選んだ花に彼は太陽のように笑う。ありがとなっ。背より大きなそれを抱き締めて。俺と思って飾っておくれ。あんたは月の方だろ。おかしなことをと首を傾げる彼はわかっていないのだ。月も向日葵も太陽を追いかけるのだと。眩しい愛し子よ。(じじしし)

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花を贈ろう、両腕にいっぱい。髭切の渡した花束に、弟はきょとんと幼い顔をした。綺麗だが、どうしたんたんだ。赤白桃色紫に黄色。様々な花の名前を知っているかい。いや、詳しくない。だよね、と髭切は笑う。名を知らなくても花は綺麗で、弟は可愛くて愛しいものだ。だから、仲直りしようよ。(髭膝)

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花を贈ろう、意味を変えたその薔薇を。綺麗だろう、と石切丸はその花を見せる。自然にはない色だね。青い薔薇を彼は見つめる。君からの祝福かい。なんて意味を知ったそぶりをするから否定はしない。人が年月をかけて不可能に奇跡を起こしたのだ。君の何百年後にそれが起こせることを。(石かり)

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花を贈ろう、偽物でいいから。世話は、忘れるでしょうから。宗三は言いながら、勝手に医務室に花瓶ごと置いた。ひでぇなぁ、男はけらけら笑って。花を愛でる趣味はあるんだぜ。その視線が宗三をなぞる。頭から、爪先まで。手折る趣味じゃないんですか。呆れた声は、けれど拒みはしなかった。(薬宗)

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花を贈ろう、彼に似合いの花の王を。すごい大きいねぇ、それに色も綺麗だ。いけた牡丹を眺める兄に、膝丸は満足そうに唇を緩めた。立派な花だと褒めたら歌仙がくれたのだ。そんな膝丸の話に、兄は表情を変えて。贈り物に、他の男の名前は無粋だよ。そう言われると、ますます顔が緩んでしまう。(髭膝)

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花を贈ろう、彼を引き立てる最高の花を。まさか、彼岸の花をもらうとは。面白そうに茎を回す男は、それでも美しいと獅子王は思う。そして赤色こそよく似合う。似合うなぁ。呟くと、彼は花を置いて。俺の手で、戦場で咲かせてやろう。見たいのだろうと微笑む男は、やはり刀だ。(じじしし)

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僕ら初めから一対だもの、って言いだすから両片思いがあったのかわかりません。　あなたの本丸の髭膝 どんなふたりですか？ #めけぽんビンゴ utabami.com/bingo/?cid=r8i…

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@mw_snc 少しは隠せ、と真面目そうな男が言う。どうして。どうしても。その返答に髭切は弟を見た。彼は難しいことを言うねぇ。全くだ。僕らが二振一具なのは皆の知るところじゃないか。その通りだ、と頷く弟に唇を重ねる。だから公でするなと。あの男はうるさいねぇ。長谷部だ、兄者。（髭膝）

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@mw_snc 柿を２つ貰った、と膝丸はそれに紐を通す。干柿にしよう。いいや、切ってしまいなよ。今食べようと兄は言う。ほんの少しだけ嗜好の違う兄弟は、結局一つを分けて口にした。しゃく、と噛んで目を細めるのは膝丸だ。干柿が出来た頃には髭切が同じ顔をするだろう。(髭膝)

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@mw_snc 僕が誰を好きか、弟が誰を好きかはどうでもよかった。だって僕には君しかいないし、君には僕しかいないもの。それが当たり前で、少し困る。この感情をなんと呼べばいいのか、髭切は正解を知らない。愛しくて慈しみたくて守りたくて壊したくて側にいたくて。弟も、きっと同じ。(髭膝)

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貞ちゃんチャレンジ 1．いつものCP＋ドロップで140字 2．いつものCPはその時誉れを取った刀に準じる 3．小夜一期（薬宗）、今剣光忠（髭膝）、平野歌仙（石かり）で対応 4．遠戦は短刀（極）のみ 5．戦拡か140字に飽きたら一旦終了 6．貞ちゃんに会いたい

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@mw_snc どちらも刀種にしては大人びている。頼られがちなふたりは割と仲が良い。まるで年の近い少年同士のように。それはわかっている。わかっているけれど、と石切丸は頭を掻いた。そんなに幼い笑い顔、私だけ知っていればいいのに。短刀相手にと自分でも呆れるけれど。（石かり＋薬研）

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@mw_snc 目利きをしちゃくれないか。頭を下げられて蜂須賀は店に短刀と赴いた。洒落っ気はさっぱりでな。肩を竦める彼は、木目の違いも付いている歯の間隔も確かにわからないんだろう。それに。君は、櫛を贈る意味を知っているのかい。ぽかんとした顔に、噴き出しそうになった。（薬宗＋蜂）

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@mw_snc 薬研。たった三文字だけの鳴狐の声に疑問と叱責を感じて恐る恐る振り返る。厠に行こうとしただけだ。言い訳は言い訳にしか聞こえない。薬研。今度は呆れた声だ。同時に諦めた声にも聞こえて、薬研は助かったと手を合わせて抜け出した。勿論、行き先は厠じゃない。（薬宗＋鳴狐）

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@mw_snc 祭だなぁ、と愛染は頬杖をつく。庭の外れでは普段頼もしい脇差が赤くなったり挙動不審だ。その向かいの御神刀は普段の落ち着きも無い程だらしなく頬を綻ばせて。まるで祭の喧噪に浮かれる人々のようだと思う。それは、愛染のまだ知らない恋と言う名のお祭り騒ぎだ。（石かり＋愛染）

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@mw_snc 青江と仲良くしてあげて欲しい。そのお願いは、石切丸と小夜の秘密だ。あの子は母と子を切った側の刀だけれど、どうか避けないでおくれ。珍しい懇願を忘れられない。だから。本当に僕でいいのかなぁ。弱気に呟く彼に、それを伝えられないのがひどく歯がゆいのだ。（石かり＋小夜）

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@mw_snc おふたりはよく似ていますね。前田の言葉に、膝丸は唇を綻ばせる。そうだろうか。落ち着かないような声は、嫌がってはいなくて。はい、そっくりの兄弟ですね。頷くと子供のように笑うそのひとは、まるで自分を見ているようだった。僕も、そう言われたら嬉しいですから。（髭膝＋前田）

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@mw_snc 宗三の指が頬を滑る。期待した心を無視して眼鏡を抜き取る。おい。なんですか。わかって笑う顔は可愛らしくて、なおかつひとの眼鏡をかける姿も新鮮でいいけれど。オイタにゃ仕置きが必要だよなぁ。そう頬に手を伸ばしたのは当然取り返すためではなくて、唇を塞ぐためだ。（薬宗）

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@mw_snc 野菜もね、大事だよ、好きだよって沢山聞かせると美味しくなるんだよ。とは光忠の弁だ。確かに、それだけが理由かは知らないが彼の育てる野菜は美味しい。けれど。何故、今言うんだろうか。青江くん、最近色っぽくなったよね、その発言のすぐあとで。（石かり＋光忠）

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@mw_snc 薬研。呼んだ声は少し掠れて。無理させちまったか。心配そうな声が覗き込む。平気ですよ、と答える前に腰をするりと撫でられて、眉をひそめたのは鈍痛のせいか、それとも。悪いな。謝る声も眼差しも、まだ夕べの熱を孕んでいる。だから。謝るなら、今から優しくしてください。（薬宗）

やまたに @mw_snc

@mw_snc いいね。可愛いな。好きだなぁ。髭切という刀は素直だ。好ましい点があればすぐに口に出すから、乱がそう言われたことも一度や二度では無い。その度に彼の弟が寂しそうな顔をするのを見たのも。でも、彼は欲しがらない。僕の、というのはその弟にだけだと乱は知っている。（髭膝＋乱）