昔の人は何故写実的に描かなかったのか?(かなり誤解あり)

 昔も今も人の能力は変わっていないのだから、写真のような写実的な絵を描く能力と技術はあった筈。なのに歴史の教科書に出てくるような肖像画や、生物画に『見たままのようなリアルな絵』が無いのは何故だろう、という素朴な疑問をスタートにして。  基本的に美術史を勉強していない人間の放言から始まっておりますので専門家の方には噴飯物の部分もあるかと思いますが私は非常に面白いと思ったので纏めさせて頂きました(補足歓迎)。 ■なお、各方面と独立に並行してお話しておりましたのでまとめは時系列順ではなく、話し相手ごとに並べ直しています。ご了承下さい。
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荒城ルーン / ゲーム制作ディレクター(Game production director) @lune_arashiro

古生物クラスタが素晴らしい。復元図の話に紐付けての、人文関連事項への考察が興味深い。ワクワクする。ワクワクさあん!

2011-03-19 20:28:20
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria 昔っていつ頃の想定でしょう?

2011-03-19 20:03:33
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang あ、はい。特に想定してないのですが、歴史の教科書に出てくる人物などが東西洋問わず技術的な可能なはずの写実よりも様式美に走った物ばかりなのが前から気になってまして。

2011-03-19 20:09:16
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria 西洋ではルネサンスまで教会が禁じていました。写実的な技法が生まれたのはこれ以降です。

2011-03-19 20:16:52
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang 禁じられていたんですね……それで様式的な絵画ばっかりに。納得です、ありがとうございます!

2011-03-19 20:20:33
職人/げるびらりあ @gervillaria

様々な制約があって『描くことが出来なかった』(西洋~イスラム)、デフォルメの美に傾倒した(東洋)ということなんですね……

2011-03-19 20:22:51
職人/げるびらりあ @gervillaria

そもそも見たとおりに写し取る絵の需要そのものが無かったんだ。絵画に求められる物そのものが変遷してるからひとくくりに出来ないんだなぁ

2011-03-19 20:28:33
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria どの文明でも、ある期間絵は呪術そのものだった事が多いので、そういう時期には特に商売としてそれ以外に需要がなかったとも言えます。現在のお客さんを為政者とか宗教的指導者に置き換えて、萌絵とかに照らしても状況は理解頂けるかとw

2011-03-19 20:28:23
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria ですから、商売から外れたところには結構写実的な物も残っていますよw

2011-03-19 20:28:41
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang 絵ってやっぱり呪術ですよね! そのものではない筈の絵と現実に存在する物をイコールで結んでしまうことが出来る、って凄い事だと先日以来のツイートで思ったところでして。 萌え絵、凄く納得です!w

2011-03-19 20:31:25
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang そうなんですか! 全く知りませんでした。不躾で申し訳ありませんが、もしネットで手軽に見られる物など御座いましたらご教示頂けませんか?

2011-03-19 20:32:52
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria http://bit.ly/eXDMWq 例えばエジプトなんかでも、実在の人物をモデルにした肖像は結構リアルでした。その辺は東洋でも同様です。 http://bit.ly/gUuXqg

2011-03-19 20:45:10
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria http://bit.ly/hjzaAH それに対して、聖像は描き方が相当厳密に定められ、そこを踏み外すと怒られるw

2011-03-19 20:49:13
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang 凄い……紀元2世紀に此処までのリアルタッチの絵が有るんですね。しかも保存も奇跡的!王心渠像も凄く丁寧に写実に徹していますね。一方の聖像は構図の安定感が……有り難う御座います!

2011-03-19 20:55:21
職人/げるびらりあ @gervillaria

今日は色々勉強させて頂いて嬉しい限り! 今度日を改めて『絵画の呪術性を脳の仕組みから考察する』とかやってみたい。 たくさんのリプライ本当に有り難う御座います!(継続中

2011-03-19 21:03:44
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria 始まりまで遡っても、「暗い洞窟で松明の明かりを頼りに、酸化鉄と炭で、記憶に基づいて指とか霧吹きで描いた」洞窟壁画も非常に“似てる”具象絵画ですよね。

2011-03-19 21:08:00
中北晃二 @bing_chang

おそらくコレは @gervillaria さんも関わる分野かと思いますが、“似てる・似てない”“美しい・美しくない”という感覚は既にこの頃、石器や道具を作る際の“切れる形・上手く切れない形” “よく飛ぶ形、飛ばない形”のような感覚として培われたのではないと言われています。

2011-03-19 21:10:35
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang はい、私もそれに凄い意味が有ると思うんです。壁に線を引いただけで、そこに『獲物』の意味が現れるって昔の人に取ってとても凄い事だったんじゃないかと。炭や錆の線でしかないもので全く関係のない『獲物』を再現するという、まさに呪術ですよね。

2011-03-19 21:11:10
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria だから現代人が考えるように“呪術として描いた”のではなく、強い欲求をイメージして描いた物が、概念としてそれ発生するより以前に“既に呪術”だったのではないかと私は思っていますw

2011-03-19 21:19:27
職人/げるびらりあ @gervillaria

形に価値(良い悪い)を見いだす感覚ですよね。この部分の脳の働きが判ったら凄く楽しいと思う所です。『人は何を美とするのか』というのは時代の文脈や、幾何学性、精緻さなど色々混じった物だと思いますが、それが文字に出来たら面白いな、と。 @bing_chang

2011-03-19 21:20:44
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria いえ、こちらこそむやみに長い文にお付き合いいただき、どうもでしたw

2011-03-19 21:22:54
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang 呪術を『他者へ思い通りの変化を引き起こす』として考えるなら、絵画は呪術そのものですよね……“呪術として描いた”のではなく、“描く事が呪術の先駆け”というお考え、ディスプレイの向こうで首肯しきりです!

2011-03-19 21:27:12
中北晃二 @bing_chang

@gervillaria そうなんですよ。名前が付くのは常に後、というのをいつも念頭に置かないと、古い物は解釈出来ないんですよねw

2011-03-19 21:42:26
職人/げるびらりあ @gervillaria

@bing_chang 判ります! 最初は私的なメソッドだった物が伝達と洗練を繰り返す中で適切なセットになって、それを表す言葉を獲得して『ミーム』として拡散するイメージですね! 現在TLで進行中の『○○作戦』なんかもまさにそれですよね!

2011-03-19 21:46:20
職人/げるびらりあ @gervillaria

@studiocorvo @geo_bellwood @tashirotakahiro @lune_arashiro @tikuwa_ore @bing_chang すみません、今回の絵画の写実性に関する話、当方にて編集、まとめさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

2011-03-19 21:49:41