検出限界と定量下限を考える
玄米等の暫定規制値は500Bq/kg。それ以下の米は普通に流通。仮に規制値内で安全とされる30Bq/kgがどんな値かを過去のデータと並べて折れ線グラフにしてみた。その値の異常さが分かる。どんなに甘く見積っても子供には食べさられない。 http://t.co/t03acgh
2011-09-05 07:02:01玄米等の定量下限値は10Bq/kgとされている。この聞き慣れない定量下限値という言葉の定義が曖昧。これは計器の性能の限界だと思っていたが、そうではない。過去にはミリBq単位で統計が出ている。この辺の誤魔化し方は、はっきり言えば詐欺だと思う。 http://t.co/q7Pjo8v
2011-09-05 08:04:22放射線の測定値の公表で「検出せず」という表記が問題になっている。たとえば,http://t.co/6qbAttrの資料では,「検出せず」と表示した上で,「「検出せず」とは、検査機器で測定できる定量下限値未満であることを示す。」とし,さらに定量下限値を併記している。
2011-08-19 19:23:49表中の「検出せず」の意味が明示されているのはよい。しかし,「検出せず」=「定量下限値未満」は理解しがたい。この2つは明確に異なる概念である。
2011-08-19 19:26:14「検出せず」は対象を検出したかしないかを統計的に判断するときの基準である。つまり,あるかないかの基準である。あるのにないと判断してしまう誤りと,ないのにあると判断してしまう誤りの確率をどの程度に設定するかによって,検出限界の定義は変わる。
2011-08-19 19:28:28分析化学の分野で一般に使われている検出限界の定義は,ブランク値の変動の標準偏差の3倍の信号を与える対象の量である。この基準は,測定値が正規分布するとして,ないのにあると誤って判断する確率を0.15%に設定したものである。
2011-08-19 19:38:18一方,定量下限は,これ以下の量では定量値を表示する精度が確保できないという意味で使われる。定量値にどの程度の精度を要求するのかによって,定量下限は変わる。精度をよくしようとすれば,定量下限は大きくなる。つまり,精度を明示しない限り定量下限は定義できない。
2011-08-19 19:41:07以上のように,検出限界と定量下限はそもそも考え方も(そして当然に)算出法も異なるので,「検出限界」=「定量下限値」とはならない。一般には,精度を有効数字1桁確保するようにしたときには,「検出限界」<「定量下限値」となる。
2011-08-19 19:43:07それはともかくとして,表中に「検出せず」(あるいは「不検出」)などと記載し,その定義を併記したとき,その表と定義をセットで見たときには誤読はしないであろう。しかし,「検出せず」の定義が異なる複数の表を比べたときに,表間で「検出せず」の定義が異なっていたら,問題であろう。
2011-08-19 19:45:06そして,おそらく一般の人にとっては,「検出せず」の一般的定義よりも「○○Bq以下」などの個別的定義の方が有効であろう。すると,表には「検出せず」などと記載するのではなく,「2以下」などと記載して,表の注として,その一般的意味の解説を付記することとした方がよいだろう。
2011-08-19 19:47:42RT @parasite2006: @hayano 定量下限値なり検出限界値を公表すればしたで、こんどはよそと比べて大きいと言われて非難を浴びせられる事態がすでに発生中http://t.co/cHAVFXF (小数点以下の定量下限値を実現するために必要な装置の性能と測定時間を知らないからこそ言えることではある)
2011-08-20 08:10:25なるほど,数値を出したらこういうことが発生するのか・・・これはリテラシの問題なのだろう。(ある一時期を除いて)有効数字や誤差の問題をおざなりにしてきた学校教育の責任も大きいと思う。
2011-08-20 08:12:58(定量下限と検出限界は異なる概念.検出限界は検出誤差の3倍とすることはほぼ定着.しかし検出限界の何倍を定量下限とするかは,諸説あり.詳しくはこちらが参考になる→http://t.co/mFHcUUH )
2011-08-16 13:57:46そうかNDは必ずしも3σ未満ではないんだ。ややこしい RT @hayano: (定量下限と検出限界は異なる概念.検出限界は検出誤差の3倍とすることはほぼ定着.しかし検出限界の何倍を定量下限とするかは,諸説あり.詳しくはこちらが参考になる→http://t.co/Kg8KLq0 )
2011-08-16 14:33:25官庁がまとめファイルを作ると結構その段階で入力、転記ミスが発生します。厚生労働省は8/6まで都道府県レベルの放射線検査の報道発表資料を日報にそのまま別添ファイルとして添付し公開していましたが、8/7以降書式を統一してまとめ直したものを公開するようになり、かえって検証が大変(続く)
2011-08-19 15:28:03(続き)市レベル以下だと個々の測定結果を報道発表資料として公開してないところがあり、消費者レベルでは検証手段なし。自治体の農林水産、食品衛生担当の方々は、検査結果が報告の通り間違いなく厚生労働省の専用ページhttp://t.co/gU2QLNo に公開されているか確認と監視を
2011-08-19 15:39:02(米の検査では,「定量下限値」が示される.検出限界は検出誤差の3倍が定着.定量下限値は検出誤差の10倍とする場合が多いらしいが http://t.co/ErkWlFl どこにも定義がない.厚労省は定義を示したほうがいいな.)
2011-08-19 17:34:23@hayano 厚生労働省に自治体が報告する食品検査結果(8/6までそのまま別添資料として日報に添付されていたプレスリリース)を見ると、検出・不検出の判定基準に定量下限値と検出限界値のどちらを使ったか明記していないものが大半を占め(続く)
2011-08-19 17:56:29@hayano (続き)明記している場合は検出限界値を使用している例がやや多いように見受けられます。定量下限値(=誤差の10倍)では消費者の立場からは不確定要素が大きすぎるので、検出限界値を基準に検出・不検出を判定するよう厚生労働省が指導すべきだと基本的には考えていますが(続く)
2011-08-19 18:04:14@hayano (続き)明記している場合は検出限界値を使用している例がやや多いように見受けられます。定量下限値(=誤差の10倍)では消費者の立場からは不確定要素が大きすぎるので、検出限界値を基準に検出・不検出を判定し、測定値は検出限界値付きで報告するよう厚生労働省が指導すべき
2011-08-19 18:08:01@hayano ただし、埼玉県の報道発表資料http://t.co/9ldbr2m にある国立保健医療科学院の例(放射性ヨウ素 0.2~0.3Bq/kg、放射性セシウム0.3~0.4Bq/kg)のように、定量下限値がBq/kg単位で小数点以下の場合は(続く)
2011-08-19 18:21:02@hayano (続き)検出限界値ではなく定量下限値を基準に検出判定を行うことを例外的に認めざるを得ないでしょうね。(現実には、群馬県と長野県の依頼を受けた日本食品分析センターの測定ではセシウム134、セシウム137、放射性ヨウ素とも定量下限値20 Bq/kg未満が不検出)
2011-08-19 18:35:26食べても微量なので健康に影響ないそうです。玄米から放セシウム“52ベクレル/kg” http://t.co/GCsnUze ........って、毎日食べるものだぞ。いいのかこんなこと認めてて!!!
2011-08-19 18:09:24@miraiclel 玄米のセシウムの大半はもみ殻と米ぬかに分布。玄米の測定値を読む時には、精米すると約半分に低下することを頭に置いて読んで下さいhttp://t.co/ORdE62Y それでも納得がいかないから買わないというのは消費者の選択の自由。
2011-08-19 18:58:42はい.依然として定量下限が定義されていない.発表側は区別してるのかな.だろうな. @wildcop: 10日前は同じだと言ってたじゃん…(´・ω・`) @hayano: (定量下限=検出限界.用語統一しないと混乱が生じる) ... http://ow.ly/67hMt
2011-08-19 18:59:39