Kanon問題[2009-2010]

関連ありそうなつぶやきをまとめただけです。 参考 http://d.hatena.ne.jp/imaki/20100516
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@crow_henmi

@tukinoha いやそれは意外と重要な指摘で、Kanonでも現れており、そのエピゴーネン作品であるSNOWではより端的なのですが、奇跡的な物事の成り立ちはまさに奇跡的なバランスでなっていること、そのバランスは畢竟シナリオライターという神の手によっていることを明白にするのです。

2010-04-07 02:05:49
@crow_henmi

@tukinoha んーと、kagamiさんの着眼点とは違うんですけど、KanonやSNOWにおいて「奇跡的なるもの」がどんだけ物語の枠組みを支えているか、という問題があって。Kanonでは奇跡があらゆるところに代入されないとあの日常の幸福度は維持されないわけです。

2010-04-07 02:16:55
@crow_henmi

@tukinoha SNOWは「奇跡」をちらつかせておいて、最終的に現実に回収してしまうその手つきが、ある種の残酷さを醸し出しており、あれをKanonのパクリとか云われると、その、何だ、困る、という気分でもあります(tukinohaさんがそうおっしゃってるわけではないですが)

2010-04-07 02:26:27
@crow_henmi

なんとはなしに考えたのだが、「C†C」の「送還」って歪んだ構図だな、とか。自動的に人を傷つける存在である黒須太一が、自らがそういう存在であることをヒロインたちに認識させて、そこから突き離すことで自らの「加傷性」からヒロインを救うという表向きの構図が、裏では何を指し示しているか。

2010-04-09 10:19:01
@crow_henmi

それは太一が内面に構築した孤独という不幸を彼女たちに認識させ、なおかつそれが彼女たちにおいて癒すことの不可能なものであるという拒絶を突きつけることになる。その不可能性が太一とヒロインたちを引き裂き、ヒロインたちをいやおうもなく傷つける。

2010-04-09 10:22:21
@crow_henmi

ヒロインたちが彼を救済してハッピーエンドになる可能性と云うものが予め断たれていて、なおかつそれが太一とヒロインの関係性の決定的な焦点になる。こういう操作が、太一自身の、ひいては田中ロミオ自体の「他者性」を起因とするトラウマをヒロインたちに継承する行為なんでは、とか思う。

2010-04-09 10:26:59
@crow_henmi

通過儀礼としてのトラウマの継承、という欲望が裏から読み取れる、というわけなんだが、それを太一もロミオもうまく糊塗している。「他に選択肢がない」/そう描き出していることによって。

2010-04-09 10:37:49
@crow_henmi

@sato2 選択のためのループを主人公から見た際の連続性、そしてどの選択を選ぶかということに関して、大概のループは一回性に帰着すると思うのですが。

2010-04-24 04:35:15
@crow_henmi

@sato2 後まあその辺は東浩紀「動物化するポストモダン2」で「メタ物語」として語られている、とか。

2010-04-24 04:36:04
@crow_henmi

@sato2 可能性を語る形式というのであればボルヘス「八岐の園」で提示されたようなマルチストーリー並列型物語、それはつまり選択肢式ノベルゲーと近似したものなのですが、そうした形をとるでしょうし、そこで「可能性が他の可能性を排斥せず並立しうる」という荒業も可能だと思います。

2010-04-24 04:57:30
@crow_henmi

@sato2 狭めているというか、基本的な実装のような気がします。人間は線的にしか生きられない、みたいな。その上で可能性について語るために生み出された形式がループや並列化でしょう。もう少し範囲を広げると大塚英志謂う所の「世界」と「趣向」となりますが、これも並列化ですし。

2010-04-24 05:12:21
@crow_henmi

@sato2 ただ、可能性の束同士が相互に影響しあって混沌となる状態というのを大局的な観点からは観測できますし、そういう方法論を個別の作品へと応用するのもありかもしれません。

2010-04-24 05:13:41
@crow_henmi

とはいえ「人間の実装である均質で空虚な時間を打倒し、メシア的時間の全面的支配を要求する!」などというアジテーションをノベルゲー界隈でやっても、たぶんキチガイだと思われるのでやらない。今度書く田中ロミオ論の重要論点ではあるんだけど、そこまでは踏み込めないなあ。

2010-04-24 05:16:02
astazapote @astazapote

で攻略サイトを漁っていたらレビューも出てきた: http://bit.ly/dkOSfm 。全体に適切な評であると思うが、ところでこの人は「『主人公のみ知る事実』によって、ストーリー中盤の舞台設定を簡単に破壊したシナリオ」について腹を立てている。

2010-05-04 00:33:45
astazapote @astazapote

何のことかと言うと、妹ルートに入ると突然、この妹が実は義妹だったという事実が語られるのである。無論それは或る種の作品外的な事情によるものだが、妹ルートに於てのみ妹が義妹に「なる」、と言っても可い。

2010-05-04 00:39:13
astazapote @astazapote

つまりこのような凡庸な作品にあって既に、一のルートを選ぶと他のルートの意味が(プレイヤーにとって)変ってしまうという、可能世界論的・多世界解釈的議論を許容するギャルゲーの特質は余すところなく明らかなのである。

2010-05-04 00:42:13
astazapote @astazapote

とここまで書いて「クリプキ ヒトラー Kanon」で検索するが望む結果が得られない。

2010-05-04 00:49:42
astazapote @astazapote

訳す。「『ヒトラー』という名前を聞くと、あの男は邪悪であったというのが何やら分析的であるという実体のない『本能的感覚』を覚える。しかし実際はそんなことはない。ヒトラーは全生涯をリンツで静かに送ったのかも知れない。

2010-05-04 01:05:05
astazapote @astazapote

その場合、われわれは、だったらその男はヒトラーではなかったのだ、とは言うまい。というのは、別の可能世界を記述する時でさえ、われわれは『ヒトラー』という名前をまさにあの男の名前として使っているからである(これが前述の固定指示子という考えである)」(『名指しと必然性』)云々。

2010-05-04 01:06:53
astazapote @astazapote

「プレイヤーが主人公になるための三大要素(2ページ目)」 http://bit.ly/bOLTK3

2010-05-05 22:39:45
astazapote @astazapote

流石に全部は読んでないが、例えば:「『現実の学生生活でカノジョができないから、せめてゲームの世界でかわいい美少女(中略)と恋愛したい』…そういう単純かつ明確な動機でギャルゲーに走ったが、もう時代は『シナリオライターの作家性の表現』と言える『恋愛“物語”作品』ばかり。」

2010-05-05 22:40:16
astazapote @astazapote

昔、『 Kanon 』に関して、或るヒロインが救われると(そのルートを選ぶと)他のヒロインが救われなくなる、みたいな議論があって、俺は何が問題になっているのかさっぱり分からなかったのよ。

2010-05-05 22:55:22
astazapote @astazapote

複数のシナリオが束ねられて 1 つの作品になっているからと言って、それらシナリオ間の関係を問うのは完全に想像というか趣味の問題だし、少なくとも与えられているのはヒロイン A が救われる描写だけであって、「それによってヒロイン B が救われなくなる」という描写は作品内に存在しない。

2010-05-05 23:04:43
astazapote @astazapote

今思うと、あれは、作品ではなく(或いは「より遥かに多く」)、キャラクターに定位して読んだ場合に初めて出てくる問題で、だから物語とか人物とか内面とかがどうでもいい俺には理解できなかったのではないか。

2010-05-05 23:09:01
astazapote @astazapote

「ヒトラーは全生涯をリンツで静かに送った」と仮定した場合も、「いやそれはもうヒトラーじゃないからw」とは人は言わない(クリプキ)。言い換えると、「この世界」から出発している限り、可能世界においても、ヒトラーという固有名はこの世界のヒトラーと結び付いている。

2010-05-05 23:18:56
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