『魔王勇者』の作品形式について

暫定。
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@crow_henmi

この「オーバーナレッジ視点から自らを正義、発展段階的に下位のものを不正義とみなし、啓蒙を行う」というやっかいな問題は、ジェイムズ・ティプトリー・Jr「スイミング・プールが干上がるころ待ってるぜ」に出てきた脳天気な線的発展論者の主人公のそれに合い通ずる。

2010-05-17 12:05:33
@crow_henmi

メタレベルにおいて、線形発展を素直に受け入れるようなタイプの人間は、基本的に線形発展の中途段階にあるものを「見下す」――あるいは差別的に、あるいはパターナリズム的に。その見下す視線と、オブジェクトレベルでの勇者や魔王の行動とが混同されると、自己の倫理が肯定される快感を得られる。

2010-05-17 12:12:37
@crow_henmi

メタレベルにおいて、線形発展を素直に受け入れるようなタイプの人間は、基本的に線形発展の中途段階にあるものを「見下す」――あるいは差別的に、あるいはパターナリズム的に。その見下す視線と、オブジェクトレベルでの勇者や魔王の行動とが混同されると、自己の倫理が肯定される快感を得られる。

2010-05-17 12:12:37
@crow_henmi

本来線形発展自体が批判的に彫刻されるべき問題で、なおかつそれに自らの倫理を重ね合わせるとかどうよ、という、読み手への批判は可能。おそらくそういう結託は意図的に選択されたものではないのだが、とはいえそういう読み方も十分にありうるテクストとしてまおゆうはある、と云える。

2010-05-17 12:15:51
@crow_henmi

本来線形発展自体が批判的に彫刻されるべき問題で、なおかつそれに自らの倫理を重ね合わせるとかどうよ、という、読み手への批判は可能。おそらくそういう結託は意図的に選択されたものではないのだが、とはいえそういう読み方も十分にありうるテクストとしてまおゆうはある、と云える。

2010-05-17 12:15:51
@crow_henmi

もしそのようなメタレベルの問題も解消した「政治的に正しい」テクストたらんとすれば、線形発展史観やそれを内包する己の倫理自体に対する懐疑的視点を常に持っていなければならない、ということにはなるかなあ。

2010-05-17 12:20:49
@crow_henmi

もしそのようなメタレベルの問題も解消した「政治的に正しい」テクストたらんとすれば、線形発展史観やそれを内包する己の倫理自体に対する懐疑的視点を常に持っていなければならない、ということにはなるかなあ。

2010-05-17 12:20:49
@crow_henmi

あるいは線的発展史観自体を超克する、という方向で。

2010-05-17 12:22:17
@crow_henmi

あるいは線的発展史観自体を超克する、という方向で。

2010-05-17 12:22:17
北守 @hokusyu82

@crow_henmi いや、全体の0.1%ぐらいしか読んでないんだけど、amamako君も指摘するように、世界の説明として統計が持ち出されるやり方とか事実の提示の仕方とか、明らかに嫌韓流や歴史修正主義の作法にのっとってますよ。アレはそのような文脈に漬かった人でないとできない、

2010-05-17 12:26:52
@crow_henmi

まおゆうにおいて、オブジェクトレベルでの魔王と勇者の関係がメタレベルにおいて読み手とそうでない人間との関係に摩り替わって知的優越感を覚える構図、というものがあることに思い当たった罠。まおゆうフィーバーもその延長線上で、要するにおまえら得々と魔王みたく語りたいんだろう感。

2010-05-17 12:34:37
@crow_henmi

まおゆうにおいて、オブジェクトレベルでの魔王と勇者の関係がメタレベルにおいて読み手とそうでない人間との関係に摩り替わって知的優越感を覚える構図、というものがあることに思い当たった罠。まおゆうフィーバーもその延長線上で、要するにおまえら得々と魔王みたく語りたいんだろう感。

2010-05-17 12:34:37
@crow_henmi

あと、「何かを助けるためには何かを擬制にしなければならない」世界を否定するために「何かを犠牲にすること」を甘受しなければならないというねじれ方についても考えたが、まおゆうは比較的そういうねじれは少ないか。

2010-05-17 12:36:15
@crow_henmi

あと、「何かを助けるためには何かを擬制にしなければならない」世界を否定するために「何かを犠牲にすること」を甘受しなければならないというねじれ方についても考えたが、まおゆうは比較的そういうねじれは少ないか。

2010-05-17 12:36:15
北守 @hokusyu82

「嫌韓流」ですら日韓友好をうたっている。しかしそれは「日本の(歴史的)責任」をいっさい骨抜きにしたうえで、すべての問題を韓国に押し付け、日本は手を差し伸べる「よき隣人」として描かれるような世界観においての「日韓友好」である。

2010-05-17 12:36:50
@crow_henmi

@hokusyu82 しかし歴史修正主義批判などにおいても同じような方法はとられるので、「啓蒙」の文脈って大体そんな感じしませんか? 啓蒙そのもののキモさ、という問題はありますが。

2010-05-17 12:38:11
@crow_henmi

@hokusyu82 しかし歴史修正主義批判などにおいても同じような方法はとられるので、「啓蒙」の文脈って大体そんな感じしませんか? 啓蒙そのもののキモさ、という問題はありますが。

2010-05-17 12:38:11
北守 @hokusyu82

「相対主義」や「世界のままならなさ」はまさにそのようなロジックを裏付けるものにほかならない。

2010-05-17 12:38:53
北守 @hokusyu82

@crow_henmi いやまあ啓蒙はキモし、一部の修正主義批判者とかニセ科学批判者に修正主義者みたいな人がいるのも事実なんだけど、やっぱりねー、事実の取捨選択とかロジックの組み立てでは修正主義とそうでない科学のあいだでは差異があって、まおゆうは前者ですよ。あきらかに。

2010-05-17 12:42:14
@crow_henmi

おそらく「啓蒙」における優越感の文脈というのはあらゆるところにつきまとうので、それをただ批判するだけではブーメランだし、まずはその優越感と権力性に自覚的に振舞うとともに、それを動やって減少させていくかが問題になるんじゃないかしらん。

2010-05-17 12:42:15
@crow_henmi

おそらく「啓蒙」における優越感の文脈というのはあらゆるところにつきまとうので、それをただ批判するだけではブーメランだし、まずはその優越感と権力性に自覚的に振舞うとともに、それを動やって減少させていくかが問題になるんじゃないかしらん。

2010-05-17 12:42:15
@crow_henmi

@hokusyu82 歴史修正主義者の手段として、自分に都合のいい論理を展開し、それを何も知らない人間に「啓蒙」の形で押し付けるという形を取った手法がありますが、事実性についての熟議が必要ないフィクションの場合、雑だけどオブジェクトレベルではありなんじゃないかなと思います。

2010-05-17 12:48:52
@crow_henmi

@hokusyu82 歴史修正主義者の手段として、自分に都合のいい論理を展開し、それを何も知らない人間に「啓蒙」の形で押し付けるという形を取った手法がありますが、事実性についての熟議が必要ないフィクションの場合、雑だけどオブジェクトレベルではありなんじゃないかなと思います。

2010-05-17 12:48:52
@crow_henmi

@hokusyu82 問題はメタレベルにおいてそのような形での説教形態が読者=非読者間に形成されることにあるような、とか。

2010-05-17 12:50:33
@crow_henmi

@hokusyu82 問題はメタレベルにおいてそのような形での説教形態が読者=非読者間に形成されることにあるような、とか。

2010-05-17 12:50:33