魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」の感想を書くための記録
ツイッター見てたら「ぎゃー面白い」っていう感想の方が圧倒的に多いんですから、そこに価値付けをする人達(自分含む)のことは特に気にするまでもないことのように思う #maoyu
2010-05-13 00:36:50「その先」というレトリックが完全に誤読を招きやすいフレーズなのは間違いないし(今日はその実例のいくつかと遭遇)、だからぼくはあんまりそっちの話題にはくみしていませんし
2010-05-13 00:53:09ちょっと、そのうち書くつもりだったことを、ここで書いてみようと思います。魔王勇者は、魔王様の知識が「我々にも手に入る知識(by GiGiさん)」であるように、作者さんの知識も、我々が学べる教養とレベルは同じであって特別ではない、というのが実は大事なのだと思っています #maoyu
2010-05-13 19:31:51#maoyu だから、作中の思想や学問は、あるていど本を読んでる人にとっては全て「あるあるネタ(の面白さ)」でもある。でも魔王様の魅力がその知識の「使い方」であるように、既存の知識やテーマの使い方が、見たこともないくらいに秀でているからこそ魅力的なのが魔王勇者なのだと思います
2010-05-13 19:36:37#maoyu そこで性急な受け手は「誰も知らない知識や誰も考えつかない結論」をすぐに欲しがろうとする。その新しさだけが価値だと思い込んでしまう。今のところ、そういう評価に晒されることはまだそんなにないけれど、そういう目から守らなきゃいけないことが増えるんじゃないかなーと思ってます
2010-05-13 19:40:17#maoyu のすごさや革新性は、ある難しいテーマを「物語として成功させた」ところにある。これは言葉で言うほど簡単なことではないし、めったに見れるものでもない。難易度の高い芸を決めてみせた、という結果があるからこそ理屈を越えてみんなを感動させるのだと思うし、それこそが物語の本質だ
2010-05-13 19:46:26#maoyu そして(理屈としてはあったが)誰もできなかった難しい「芸」を達成できたということは、その先の景色も見れるようになったということ。魔王勇者が描いているのは「それが見える」ビジョンです。現在発明されてないものまで手に入るようなことは、当然ない。でも限界までは走り切ってる
2010-05-13 19:59:32#maoyu だから「向こう側」という言葉を「単なる新しい知識」のこととしか思わない人は読者として不幸で(実はぼくもその面がありました)、物語の本質である「追体験からの実感で手に入るビジョン」の貴重さをこそ「向こう側」だと思わないと。桝田さんが連れていきたいのも「そっち」でしょう
2010-05-13 20:07:49ビジョンという意味で、実は本領発揮なのはログ・ホライゾンで、まおゆう的なビジョンを持っている主人公が、「現代人相手に」「現代の知識」を駆使して世界を変える、という構造になっていること。それって普通のことなんですが、まおゆうの後で読むと輝いて見えますね #maoyu
2010-05-13 20:25:12#maoyu 蝉丸Pのこの魔王勇者感想を思い出すなど http://twilog.org/tweets.cgi?id=semimaruP&word=http://bit.ly/D8tKq
2010-05-14 00:32:42#maoyu 「あさり師匠の訓話」でいうと、「わけわかんないことはやらない」そして「燃え尽きない」ことのすごさ、っていうのはあるはずで、その一点に対しては「その発想はあった」的な感想っていうのは無力じゃないかな、って思うわけで
2010-05-14 00:39:50#maoyu 「その発想はあった」と「それは誰にもできるもんじゃない」は両立するし、そして「誰にもできるこっちゃない」ってことは「まだ誰も具体的に見たことがない」んですよね。それが創る、作る、ってことなんじゃないかなあと思うけど
2010-05-14 00:44:11#maoyu これはぼくも納得です RT @kubidarui @masahal 自分も善悪二元論の否定というのにピンと来なかったクチなので的外れかもしれませんが、善悪二元というよりも、実はWin-LoseでなくWin-Winを描いたという意味で言われている
2010-05-13 21:17:36#maoyu 「勝者と敗者を作り出す構造」と「敵と味方を作り出す構造」と「善悪二元論」はどれも階層の違う問題ですが、混同しやすい。でも、このみっつの違いをわけて考えられるようになる、っていうのが魔王勇者を読むことの収穫そのものかもなーと
2010-05-13 21:21:31離脱中のログを読んだ。僕が思うにまおゆうの話がなぜ「気持ちいい」かというと、行き詰った世界あるいは価値観を、未来の概念や技術(でも僕ら現代人からしたら近代のもの)で打破してる。(続く) #maoyu
2010-05-13 22:23:44で、行き詰ってる世界というのが僕らが生きてる現代と重ねられて、つまりは現代ももう少しすれば、新しいアイデアが出て、一杯苦労はあるけどいろんな人が意識を変えていけば、先には明るい未来があるんじゃないかと希望がわく。励まされた気分になる。そこかな? どうだろ? #maoyu
2010-05-13 22:29:42この話の中で世界を変えていくものは、夢のような魔法じゃなくて、中世から近代に移行する転換点で実際に存在したものばかり。だから、中世から近代で起きたなら、現代から未来にだって、そういうものを人は作れるはずだと、人間を肯定してる。その前向きさ、ひたむきさ。 #maoyu
2010-05-13 22:38:58これに似た快感は、宇宙開拓とかのSFにもあるんだけど、SFって知識や想像力を読者に要求する。まおゆうの場合、ネタが歴史の教科書で見たことがあるレベルだからSFより敷居が低い。そこが多くの人に共感を与えてる #maoyu
2010-05-13 22:55:34確かにそうです。歴史の再現性を、前向きな意味でとらえなおせているというか。ぼくの友達で、読後に『プラネテス』のような宇宙開発にすぐ思考が飛んでいたのも、そういうことだと思います RT @ShojiMasuda: 人間を肯定してる。その前向きさ、ひたむきさ。 #maoyu
2010-05-13 23:13:01#maoyu 大抵の人が使う「前向き」とは「都合の悪いことから目をそらす」という意味。まおゆうは真正面から都合の悪いことを見据えて、可能性のある方法を用いて解決のためにあがいている。本当の意味で前向き。こういう作品は珍しく、その中でも説得力があり、しかも面白い。
2010-05-13 23:09:48意外とフィクションでも、目ェ瞑って突撃するのが前向き、無策にただ諦めないだけで前向きという作品が多いなか、稀有な存在だと思います。 #maoyu
2010-05-13 23:14:53そこもぼくが「ヨーロッパの白人世界よりも日本ぽい」と思った要素のひとつかもですね RT @stedmans_: まおゆう世界での魔族は異人さんくらいに捉えている。そういえば言語は一つだなぁ。 #maoyu
2010-05-13 23:56:54#maoyu ちょっとヒントめいたものを思い付きましたが。「もし100人の村だったら」的なイメージづくりはできないか? ファンタジーRPG世界というと敷居は高いけど、本質は「ミニチュアにした世界を救う思考実験」なんですよね。小さな世界、現実の知識、救おうとする意思、想像力の範囲…
2010-05-14 11:12:43