昭和・大正のニーチェ
- ttt_ceinture
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近代デジタルライブラリーに、「『吾輩は猫である』のパロディを読む」という頁がある。『吾輩ハ子猫デアル』はなんかかわいい。『吾輩はフロックコートである』になると、俄然ゴーゴリめいてきて、そのやり過ぎ感がいっそ清々しい。 http://tinyurl.com/yado63g
2010-02-07 18:13:53それで思い出したけれど、白水社から刊行された杉田弘子『漱石の『猫』とニーチェ――稀代の哲学者に震撼した近代日本の知性たち』(2010/02)は、高山樗牛、夏目漱石、新渡戸稲造、和辻哲郎、阿部次郎、萩原朔太郎、芥川龍之介が、ニーチェとの遭遇でどんな触発を受けたかを跡づけた本。
2010-02-07 18:17:12@yakumoizuru 漱石の猫とニーチェ? それは面白そう。以前フラナガンって人が野口武彦ら指導教官にして日本語で書いた『日本人の知らない夏目漱石』に、英訳ツァラトゥストラの文章からの影響を『門』の文章に指摘するくだりがあり、興味を引いたことが。
2010-02-07 18:34:52@ttt_ceinture 私が読んだ限りでは、『猫』の中で2箇所ほど、ニーチェへの明確な言及がありました。先ほどの本は、漱石のメモや草稿まで見て、ニーチェの影響を論じております。こと『猫』に関して言うと、エピクテートスやストア派の思想が底流を流れているようにも思います。
2010-02-07 18:40:27@yakumoizuru それは興味深いな。読んでみようかしらその本。フラナガンのはあんまり突っ込んでなくて不満もあったんで。山本さんの猫読解はかなり惹かれるものがあるので、横目でちらちらツイートを拝読してました。猫読み直してみようかな
2010-02-07 18:59:17@ttt_ceinture 他の作家のところはまだ読んでいませんが、労作だと思います。『猫』について、先日「学術小説」と言いましたが、言及される書物と人物を並べてゆくと、一種の「読書小説」とも読めて、愉快です。人文小説と言いましょうか。
2010-02-07 19:53:38『吾輩は猫である』第8回に登場する苦沙弥先生の友人で哲学者の八木独仙が開陳する思想は、エピクテートス流のストア主義。己の権内にあるものとないものとを見極め、権内にあるものについてのみ心配せよという説。苦沙弥先生もまた、エピクテートスを読んでいる様子が猫の観察から散見される。
2010-02-08 01:59:12以前、大正前後に翻訳されたエピクテートスの訳書を手に入れたことがあった。現在流通しているのは、岩波文庫版だけだと思われる。そろそろ新しい翻訳に更新してもよいかもしれない。2002年に出たA.A.ロングのエピクテートス論はよい本だったけれど、さすがに翻訳はされないかしら。
2010-02-08 02:03:12漱石文庫見てきました。漱石の全蔵書約3000冊が収められており、蔵書には漱石の書き込みがあるものも。楽しかったです。http://p.tl/s597
2010-06-07 14:38:02@helpline そういえば、漱石の所蔵していた洋書等の蔵書一覧ってのはなんらかのかたちで文字情報にされているんでしょうか。フラナガンが漱石の英訳ニーチェからの影響を突き止めていたけど。
2010-06-07 14:39:48@ttt_ceinture データベース化されてますよ。東北大学付属図書館→漱石文庫→漱石文庫目録データベース(http://p.tl/AhrK)→洋書一覧(http://p.tl/J0hD)……で大丈夫ですか?
2010-06-07 14:45:25@ttt_ceinture 漱石文庫データベース(http://p.tl/Wwi7)→洋書一覧(http://p.tl/v_LR)ですね。こちらに移行するみたいですね。
2010-06-07 14:48:50おお! 英訳『精神現象学』やジェイムズ、ベルクソンが!RT @helpline: @ttt_ceinture データベース化されてますよ。東北大学付属図書館→漱石文庫→漱石文庫目録データベース(http://p.tl/AhrK )→洋書一覧(http://p.tl/J0hD )
2010-06-07 14:48:31ニーチェはツァラトゥストラのみか。J.S.ミル、パスカルもあるなあ。ウィリアム・モリス、ラスキンもある。ミレー、ロセッティ、ターナー、ブレイクの作品集も。これは面白い。
2010-06-07 14:52:08漱石文庫データベース(http://p.tl/Wwi7)。資料によるとベルクソン『時間と自由意志』には「哲理科学ノ書ヲ読ンデ美シイト思フノハ殆ンドナイ、此書ハ此殆ンドナイモノヽ一ツデアル」と賞賛する書き込みがあるようです。
2010-06-07 14:58:25ウィリアム・ジェイムズの蔵書も多く、意識の流れの哲学は漱石の小説作法に影響を与えているそう。『猫』や「思ひ出す事など」で「ゼームス博士」として言及されているそうです。
2010-06-07 15:01:20ニーチェ『ツァラストラはかく語りき』は書き込みが多いそう。逆にマルクス『資本論』はほとんど書き込みがなく、漱石はほとんど読んでないと言われているそう。『明暗』には小林という社会主義者が登場するので当然関心はあったはずですが、別の本で知識を得たようです。
2010-06-07 15:06:27展示ケースの自筆資料には、社会学や心理学の洋書の読書ノートが展示されてるのですが、英語で小さな字でびっしりと書く感じですね。洋書の書き込みも英語が多い。当たり前ですがインテリだなーと思いました。
2010-06-07 15:13:03漱石文庫(http://p.tl/s597)、貴重図書で図書の痛みも激しく、閲覧には大学や図書館長の署名捺印が必要のようです。規定はこちら(http://p.tl/Yxhl)。
2010-06-07 15:42:58渡欧日記は手の平サイズのノートでかわいかったですね。「道草」の原稿は漱石山房自製の原稿用紙に書かれてるのですが、これは東北大じゃなく神奈川近代文学館で販売してるようです(http://p.tl/zsGO)。版木が神奈川の方にあるみたいですね(http://p.tl/9Isr)。
2010-06-07 15:23:39小説ではメレディスの数の多さが目立ちました。ちなみにぼくはノルダウ『退化論』とロンブローゾ『天才論』の洋書の蔵書にテンションが上がりましたね。その手の際物に興味があるんですよね。
2010-06-07 15:58:44@sisterbronte 罫線が直線じゃなくて微妙にぐにゃぐにゃしてるんですよね。それがかわいい。たしかにまた原稿用紙で書いてみたい気持ちありますねえ。ワープロ買ったのって大学入ってからで、それまでノートでしたもんね。そんな世代ですよね。その後は手書きってしなくなりましたが。
2010-06-07 16:05:14@moriokatakashi もちろんノルダウ『退化論』とロンブローゾ『天才論』の近代における重要性は知ってますよ。だからテンションが上がったのです。
2010-06-07 16:31:30