ドメスティックな批評とグルーバルな言説

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Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@kktnk エディターとは、一般的に、誤字の訂正や表記の統一をすると同時に、表現が的確か、論理が整合的かなどをチェックして執筆者に助言を与える人のことです。本全体の主題や構成に関する提案をしたり、出版プロジェクト全体のマネジメントを行ったりする場合もあります。

2012-06-05 21:22:26
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@kktnk コピーエディターとは、本全体のマネジメントには関与せずに、文章表現のチェックを行うエディターを指しますが、単に「エディター」と呼ばれることもあるので、注意が必要です。

2012-06-05 21:23:23
田中功起 koki tanaka @kktnk

@kenji_kajiya ありがとうございました。「コピーエディター」というのが「エディター」とどのくらい違うものなのか気になってしまったもので。こちらも続きはメールでお返事します。

2012-06-06 05:37:07

 

Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

RT @shnchrOSAKI: 私が危惧するのは、「英語圏の読者に伝える」という目的が、テクストの内容を規定する点だ。英語圏の読者に日本の現代美術を解説するにあたってはオリエンタリズムのバイアスをかけた方が理解しやすい。実際に英語圏のキューレーターや研究者はこのような立場から日本の現代美術を欧米に紹介している。

2012-06-06 18:23:22
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

RT @shnchrOSAKI: 真正のモダニストであった吉原治良によって主宰された具体美術協会の活動が、英語圏の研究者によってローカリズムやオリエンタリズムへと回収されることに私たちは断固として反対すべきではないか。これは一種の文化闘争であり、英語に翻訳されるテクストの書き手はこの点に意識的であるべきであろう。

2012-06-06 18:23:27
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

尾崎さんが触れている最近の具体美術協会の研究は読んでいないので、それに関する判断は留保するが、私の経験では、研究の良し悪しに対する感覚は、国境を超えても、それほど大きく異なるものではない。したがって、問題がある研究は長期的には淘汰されていくと思う。

2012-06-06 18:25:06
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

現状では、英語で日本の美術を論じる場合、英語圏の主要な議論と関連づけながら論理を構築する必要がある。しかし、それができる日本の研究者はそれほど多くない。戦後日本美術の言説史の中での語り方とは大きく異なるからだ。

2012-06-06 18:25:32
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

しかし、近年ジェームズ・エルキンスなどが主張している「世界美術史」の考え方が広まっていけば、西洋中心主義的な論理構築よりも、それぞれの地域の論理が尊重されるようになるのかもしれない。非西洋諸国の言説史に対する関心が芽生えつつあると感じているのは私だけではないだろう。

2012-06-06 18:27:58

 

中島 智 @nakashima001

その為にはリージョナルな論理(の対等性)の認知と、その各論理を支えるリージョナルな欲望への視座が不可欠。 @kenji_kajiya: …エルキンスなどが主張している「世界美術史」の考え方が広まっていけば、西洋中心主義的な論理構築よりも、それぞれの地域の論理が尊重されるように…

2012-06-06 18:49:24
林道郎(michio hayashi) @michio_ha

@kenji_kajiya ちょっと補足をすれば、日本でも英語のエディターはいなくはないのだけれど、美術業界ではそういう人を使った例を聞かないですね。翻訳者と編集者が別の職能だという意識があまりないのと、日本語文脈でも編集者の役割が「企画と交渉」に絞られているのが一つの原因?

2012-06-07 10:04:13
林道郎(michio hayashi) @michio_ha

加治屋さん言うように、コピー・エディターという職能があまり日本では一般的に認知されていないんじゃないかという気がします。

2012-06-07 10:05:34
林道郎(michio hayashi) @michio_ha

追加すれば、伝統的にアメリカは編集者の権限がとても強い。どんなに偉い作家や哲学者の文章にもバンバンと手を入れて修正を提案する(もちろん、最終的な権利は著者にあるのだが)。前提として「誰でも間違いや分かりにくい文章を書く」ということが共有されている気がする。

2012-06-07 12:22:40
林道郎(michio hayashi) @michio_ha

承前)結果、文体が平均化されてしまうというリスクもあるが、そこに弁証法的な関係が成立すればうまく機能する。

2012-06-07 12:23:55
林道郎(michio hayashi) @michio_ha

承前)別の側面から見れば、その編集権の強さは、伝統的に、英語が非母国語のライターを多く受け容れてきたことから来る必然の要請という側面もあるに違いない。

2012-06-07 13:10:05
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@michio_ha その通りだと思います。これまで何人もの人にプルーフリーディングやエディティングをしてもらってきましたが、私にとってはいずれも得がたい経験でした。

2012-06-07 17:08:14