作文教育とワープロ

glocomの豊福先生(教育工学などを習った私の恩師です)が、ワープロを活用した作文教育について興味深い一連のツイートをしていたので、まとめました。
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Naohiko Yamaguchi @nycity1022

さて、徒然なるままに行きませう。 豊福先生の問題意識の根源は、極めて大雑把に行ってしまえば、教育への情報技術導入なので、どうしてもパソコン(あるいはそれに類する情報機器)を授業に導入しようとする論点が目立ちます。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 19:55:11
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)ですが、今回の豊福先生の問題提起はそこではなく、パソコン(ワープロ)で文章を各時代になったが故により重要となった、「骨組みを立て、取捨選択とソートを経て、最後に文書として結合する」方法の重要性を説いている。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 19:57:21
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)勿論この方法は、従来から「メモにプロットを殴り書きして構成を見てから書き始める」「カードに要点をバラして書いて並べなおす」(名著 「知的生産の技術」(梅棹忠夫 著)にある有名な方法)のようなやり方で昔からある。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:02:32
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)しかしこのような、「バラした要素を結合して書く」手法を学校でちゃんと学んだかというと、確かに記憶にない。作文を書くテストでは原稿用紙だけが配られて、先生がメモ用紙まで用意してくれたこともない。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:04:58
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)そういう書き方を、パソコンで文章を書く時代「だからこそ、改めて」きちんと教えよう、という豊福先生の主張は大賛成。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:07:29
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)その一方で、じゃあ学校の作文にもパソコンを導入しよう、となるとこれは違う意味で悩ましい。大橋さんの指摘する通り、(他者の文章を)コピペする問題、現実問題として学校に十分なパソコンがまだまだ揃わない問題もある。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:09:45
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)一番の問題は「パソコンがないと文章が書けません!」ということにならないか、という危惧。情報学を学び、コンピュータに長けた人ほど、かえってアナログに立ち返るものであって、アナログもデジタルも両刀にならにゃいかん。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:13:11
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)ある程度の文章の組み立てというのは、慣れればパッパッと頭の中で出来る。その訓練のためには後戻りしにくい「手書き」で文章を書かせる意味は大いにあるだろう。でも訓練なしにそこだけやっては本末転倒。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:17:52
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)ちなみに私の場合、小、中と作文は苦手だったが、高校(工業高校)で毎週書いた実験レポートがとても良い訓練になった。ある主題を伝えるために、どのような流れで情報を提示し、どうやって文章や段落を繫ぐかが体に染みついた。(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:20:28
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)それができるようになると、後はアウトプットすれば作文が出来上がる。書いて読んで考えてを繰り返せば推敲になるのも同じ。PCは推敲が楽だし、私は思考と同じ速度でキーを叩けるのでPCの方が楽だけど、本質は変わらない(続く) @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:25:49
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)つまるところ本質は「文章のちゃんとした組み立て方を教えてないのでは」という問題点で、それはパソコンを使う今だからこそ重要。そして、アナログもデジタルも使える人になってくれないと困るなぁ、と思うわけです。 @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:33:38
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

ついでに余談として、私はは作文で「何を書かせるか」も大事で、感想文だけでなく、「要約文」をもっと書かせるべきだと思う。感想文の出来そこないとしての要約文ではなく、正しく内容を伝えるための要約を教える。 @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:38:49
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

(続き)感想を以前に、内容をきちんと整理して飲み込めていないと意味がないですし、「感想文」というのも、心や頭のなかのもやもやした思考や感情の「要約」だと思うので、国語教育には大切なことだと思ってます。 @stoyofuku @oh_mitsukitei

2012-07-12 20:41:06
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

国語の教科書はもっと取り上げる作品を増やして欲しいし、数学とか理科とかも、+αの知識をどんどん書いて欲しいなぁ。なんで指導要領なんてワクに嵌められた教育を強いるんだろう。私が中学や高校で出会った、個性ある先生はそれぞれ強い信念があって授業が面白かった。

2012-07-12 21:18:28
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

私は、少なくとも小学校、中学校は幅広く、沢山の知識に「触れさせる」事が大切だと思ってるので、学習指導要領と、それにかっちり則った教科書はあまり良くないと思ってる。授業で扱わなくてもいいから、ページを開けば沢山の知識が目に入る環境を作ると、それだけで世界は変わっていくと思う。

2012-07-12 21:16:01
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

そういえば、 @oh_mitsukitei さんの書いていたライティングセンター(WC)というのは気になるなぁ、どういう場所なんです?

2012-07-12 20:49:16

大橋さんからのレスポンス

大橋崇行 @oh_mitsukitei

@nycity1022 私は授業でひたすら部分要約→段落要約→文書全体の要約を繰り返しますけどね(鬼)。で、「感想」と見せかけて意見文。書き慣れてきたら序論―本論―結論の様式から固めて、意見文を結論にもっていかせる感じ。高校の現文ではかなり珍しい授業だという自覚はありますw

2012-07-12 20:59:14
大橋崇行 @oh_mitsukitei

@nycity1022 1つの教え方にこだわるより、いろいろ試してみて生徒の様子を見ながらという感じ。その分、引き出しは常に増やさないとですが。作文教育は楽しいけど、読むのがね(爆)

2012-07-12 21:03:04
大橋崇行 @oh_mitsukitei

@nycity1022 ちなみにWCはアメリカの大学にある作文教育の方法で、校正とか添削はしないで、ブレストと構成の相談だけを1対1の対話式で受け付ける場所です。最近は日本でも設置する大学増えたけど、高校では珍しいですね。

2012-07-12 21:07:07
大橋崇行 @oh_mitsukitei

@nycity1022 院生とかがチューターになって、1回30分とかでやってます。この方式は生徒の作文が劇的によくなるので、もっと日本の高校でももっと取り入れていいかもしれないですね。文書はネタとその整理の仕方なんだなとつくづく

2012-07-12 21:11:27

豊福先生からのレスポンス

豊福晋平 (GLOCOM/JDiCE) @stoyofuku

平たく言ってしまうと、手書きにしろワープロにしろ、着想・構成の方法を教えずに、いきなり「自由に」文章を書かせるのは無謀だということ。基礎的なスキルもないのに「自由に書かせれば個性表現になる」と考えるのは間違いなのです。@nycity1022

2012-07-12 22:50:42
豊福晋平 (GLOCOM/JDiCE) @stoyofuku

僕はこれまでいろいろ試した上で、ワープロで着想・構成する方に落ち着いたので、人によって方法選択が違うのは当たり前。できれば複数選択肢から、一番フィットする方法を選ぶ機会があればなおよいと思う。@nycity1022

2012-07-12 22:58:19

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