つっちー先生に学ぶATMのしくみ

中の人は3人とも300人とも噂される"出雲の国のWikipedia"つっちー先生によるATMのしくみについて。
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(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

AMEXやJCBは、自身がイシュアーとアクワイヤラーを兼ねる企業で、特にAMEXは昔から銀行免許を取得している会社、JCBはNICOSとの資本関係が強い、旧三和銀行系のノンバンクだったという歴史的な経緯があります

2012-08-03 21:28:54
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

国際ブランドは、アクワイヤラーからギャザリングをまとめて国際ブランドでイシュアーに振り分けるという処理をやっていて、程なく電子化されます。つまり、世界的に見ると国際ブランドは、世界的な決済ネットワークを運用する組織であるといえます

2012-08-03 21:30:36
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

じゃあ、CAFISって何って話になりますが、CAFISは国内のクレジットカードのデータ処理における、オーソリーとギャザリングを処理する業態横断的なネットワークシステムで、84年からNTTデータ(旧電電公社)で運用が開始されたシステムです。あれ、なんか変ですね?

2012-08-03 21:34:53
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

本来、イシュアーとアクワイヤラーの間のデータ処理の橋渡しを行うのは、世界的に見れば国際ブランドが果たしています。しかし、わが国ではイシュアーとアクワイヤラーは、分業しているわけではなく、ひとつの企業が分割して行っている例が多いからです

2012-08-03 21:36:51
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

さっきのタクシー伝票をみて見ましょう http://t.co/3zM4nj9u

2012-08-03 21:38:14
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(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

よく、ホテルとか旅館に行くと、カード会社のロゴがべたべたと張ってあって「利用可能なカード」みたいなのがある昭和的な風情があると思いますが、日本では基本的にカードの発行体(イシュアー)が加盟店業務(アクワイヤラー)を兼ねているので、昔は特定ブランド間でしかカードが使えませんでした

2012-08-03 21:44:45
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

これは、いわゆる信販系や、ハウスカードから発達した流通系カード会社の歴史的な流れが関係していますが、80年代になって相互利用の必要性や、国際ブランドによる市場開放圧力から、カード会社間の相互利用を図るため、便宜的に国際ブランドを冠して、相互接続システムを共同的に行ったわけです

2012-08-03 21:47:35
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

これが、CAFISなわけですが、当時の規制ではデータ通信は電電公社独占とされていたので、こういったネットワークを作るには、国際ブランドではなく国営の公社がやる必要がありました。全銀ネットや、MICSなどの仕組みなどと同じですね

2012-08-03 21:49:43
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

CAFISが優れていた点は、相対的に規模が小さいカード会社でも、CAFISを通じて加盟店とのシステムを接続することで、イシュアー業務に必要なシステムだけ備えていればいい点でした。CAFISは、標準的なデータ端末であるCATを開発していましたから、特に効果が大きいわけです

2012-08-03 21:52:08
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

今は、INFOX端末が一般的ですが、昔はCATにはS-CATとG-CATの二種類がありました。S-CATは、与信照会だけを行う簡易的な端末で、決済処理は伝票を使っていました。G-CATは、オーソリーとギャザリングが同時に行える端末です

2012-08-03 21:54:23
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

G-CATでは、ギャザリングでは特にトランザクションごとの手数料が高いので、かなり最近までS-CATが残っていました。INFOXは、00年代から普及し始めた端末で、オーソリーとギャザリングに加えて、デビットカード処理もできる総合端末として一般化しています。

2012-08-03 21:56:34
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

さて、決済ネットワークの問題を取り扱ってきましたが、主にクレジットカード決済システムとして発展してきた国際ブランドは、80年代後半からそのシステムを流用して、キャッシュ提携サービスを、90年代後半から同じく銀行口座即時決済システム(デビットカード)を展開し始めます

2012-08-03 22:00:10
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

これが、VISA系のキャッシュ提携サービスであるPLUS、同じくMaster系のCirrusで、デビットカードの場合はVisa debit、Masteの場合はMaestro(イタリア語でMaster、指揮者の意)の名称で展開されています。

2012-08-03 22:04:07
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

もともと、VisaやMasterは、商業銀行がイシュアーとなって発行されるクレジットカードとして発展してきた歴史があるので、銀行間のキャッシュカード提携や、銀行口座の即時決済システムの基盤になりえたわけです。

2012-08-03 22:07:11
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

中国だと、もともと銀行というと国有銀行が主で、同じ銀行でも管轄する地方によって組織が分かれていたほどの国なので、改革解放後の急増する金融需要に対して、まずはキャッシュカードの相互運用を・・・という目的で作られたのが銀聯で、後付的にクレジットカードの仕組みが作られたわけです

2012-08-03 22:10:00
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

そもそも、中国の場合は銀行による個人に対する与信提供が、かなり最近になるまで消極的な態度だったので、デビットカードのほうがクレジットカードよりも先行したという特殊事例ですね。発展経済学や、マクロ的に成長国経済を分析する上では、非常に興味深い現象です

2012-08-03 22:14:15
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

CAFISの機能として、クレジットカードサービスにおけるオーソリゼーションとギャザリングについて書いてみたが、CAFISにはもうひとつJ-Debitサービス機能がある。J-Debitは、日本独自のデビットカード(金融機関の口座からの即時決済サービス)システムでもある

2012-08-04 20:33:20
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

もともと、デビットカードは国際ブランドでは歴史が長いサービスなのだが、日本でサービスを開始するにあたって、銀行法などの規制緩和の問題もあって、サービス設計の時点で当時の大蔵省や全銀協の強い影響下で設計された。このため、加盟店や利用者の利便性を軽視した設計となってしまった側面がある

2012-08-04 20:36:02
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

わが国では、クレジットカード決済システムがCAFISに集約されていることから、カード決済相手が銀行等の金融機関に変わっただけという設計になったが、ここに問題がある。カード会社は、その性質上基幹系システムは24時間356日サービスが原則である

2012-08-04 20:39:49
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ところが、銀行の場合は勘定系システムのサービス時間が24時間化されたのはつい最近のことで、J-Debitが開始された2000年時点でも、勘定系システムの24時間化を図っている金融機関は、都銀でも少数だった。コア稼動時間として、参加銀行には平日8時から21時までの稼動を求めているが

2012-08-04 20:43:18
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

J-debit接続対応のため、システム改修や、24時間対応(これはATM稼働時間の24時間化の問題も含めて)には、都市銀行でもSMBC、UFJでは比較的楽に対応していたのに対し、みずほなどではかなりアクロバティックな対応を行っていた例もある

2012-08-04 20:45:35
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ATMにしても、デビットカード対応にしても、欧米の金融機関は厳密に勘定系の残高を連動させるシステムを構築しているわけではない。ほとんどの場合は、利用限度額を設定してその範囲内で利用できる副データベースをフロントエンドシステムとして用意して、勘定系のサービス外時間に対応させている

2012-08-04 20:48:22
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

このFEP方式だと、勘定系に大規模な改修が必要ないばかりでなく、FEPが行う業務範囲というのはATMサービスやデビットといった非常に限定されたものだから、パッケージ化された外販製品を使用することができる。

2012-08-04 20:53:30
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

自前主義で勘定系にすべてを統合した邦銀は、都銀は別として地銀では自前でシステムを維持することができなくなってしまった。みずほを除く都銀では、80年代以降も継続してシステムの改修と機能強化を行っていたのに対し、大半の地銀は80年代後半に構築された三オンベースだった

2012-08-04 20:56:44
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

三オンシステムを24時間化対応させる最大の問題点は、バッチ処理時間にある。三オンまでの時代は、勘定系で昼間のコア時間はオンライン処理を行い、夜間はバッチ処理を行うという処理を行っているので、ATM稼働時間を延長させるには、オンラインと平行してバッチ処理を行うか、

2012-08-04 21:03:30