六甲の甲状腺検査について、ちょっとだけ超音波の関係者さんから

六甲でとってくださった対照データ http://rokko-mcoop.sakura.ne.jp/sblo_files/rokko-news/image/E5B08FE58590E794B2E78AB6E885BAE8B685E99FB3E6B3A2E382B3E383B3E38388E383ADE383BCE383ABE8AABFE69FBBE5A0B1E5918A_2ppt97_2003.pdf なかなか厳しい意見だけれども、慎重であるためには必要なのかもしれないと、、、
71
じぇりい(裏) @t_jerry_z

神戸で調べたというデータと、福島で今行われている県民健康管理調査の甲状腺検査との事について。

2012-11-27 00:06:44
じぇりい(裏) @t_jerry_z

先日まとめた福島県立医大放射線医学県民健康管理センターによる甲状腺検査説明会(郡山市) http://t.co/mRtt63RI にあった通り。福島では一次検査の段階で、すでにそれなりの専門の人間が施行している。

2012-11-27 00:10:37
じぇりい(裏) @t_jerry_z

一次検査実施者の条件。甲状腺の超音波検査に係る資格について。医師〜内分泌・甲状腺外科専門医(甲状腺外科学会、内分泌学会)。甲状腺学会専門医(甲状腺学会)、内分泌代謝専門医(小児)(小児内分泌学会)。超音波専門医(超音波医学会)。技師〜超音波検査士(体表)(超音波検査学会)。

2012-11-27 00:10:48
じぇりい(裏) @t_jerry_z

ちなみに超音波検査士であっても、6領域の中の体表領域のものだけが施行を許されていて、他の5領域でどれだけ優秀であっても体表領域で持ってなければ検査できない。当然。

2012-11-27 00:12:54
じぇりい(裏) @t_jerry_z

超音波検査というのはCTやMRIなどと違って自動化されていない。あくまで検査をする人間が、プローブを自分の手で持ってその技術で走査し、その目で確実に見つけ、その知識でそれが何か考えつつ、所見を1つ1つ丁寧に取って診断に有用な、いわば裏付けを取り、計測をして画像を残す。

2012-11-27 00:16:50
じぇりい(裏) @t_jerry_z

例えば私の肝臓には結構いい大きさの肝嚢胞があるのだが、それを出すにはもちろんその場所を描出できないと見えないし、結構深い所にあるので技術もいるし、何より楕円形なもので、立体である嚢胞の大きさを計る以上、一番大きく見える場所を画面という二次元で探して、その上で計る。

2012-11-27 00:20:26
じぇりい(裏) @t_jerry_z

これを初心者にやらせた場合、まぐれでちゃんと出せる事もあるのだけど、例えば本当は17mmあるのに綺麗に出していなくて10mmしかないとか、他にも嚢胞があるのに一番大きいのに目を奪われて見てないとか、そもそも他にも病変があるのに走査が甘くて出せてないとか、そういう事はある。

2012-11-27 00:23:57
じぇりい(裏) @t_jerry_z

もちろんそんな初心者のデータを検査結果として出すわけではないから、ちゃんとまず自分とか、職場の人などで練習して、実地に立っても熟練者ががっちり見て計り直させたりする。独り立ちまで普通は何ヶ月もかかる。

2012-11-27 00:26:07
じぇりい(裏) @t_jerry_z

領域によるんだとは思うけども。でも初心者から一ヶ月でOKって事はない。対象とする臓器の解剖や病理、超音波画像の典型例、計測の方法、値の解釈、などなどいろいろ学んだ上で、さらにプローブを走査して描出する技術がある程度のレベルに達して(これが結構難しい)、やっと独り立ち、かな?

2012-11-27 00:30:31
じぇりい(裏) @t_jerry_z

独り立ち=一人前ってわけでもなくって、「この画像のこれは一体なんだろう?」と悩む事は多々ある。その時適切なアドバイスをくれる人がいるというのも重要。あとは直接の医師はもちろん、他の画像診断だとか、病理の先生だとか、外科の先生だとか、違う領域の人から学ぶ事はたくさんある。

2012-11-27 00:32:59
じぇりい(裏) @t_jerry_z

超音波検査士というのはそういうのに精通しているだけでなく、多くの症例を検査して、所見について考察できる力があって、初めて受けられるもの。受験の際にまず超音波専門医のお墨付きを頂いた症例のレポートを結構な数提出し、それが通って初めて受けられる。試験は超音波工学の基礎と臨床各領域。

2012-11-27 00:37:55
じぇりい(裏) @t_jerry_z

なので、福島での一次検査に携わっている医師でない超音波検査士であっても、それなりの知識・技術・経験を元々持っている人達。他は甲状腺に関わる専門の医師。

2012-11-27 00:39:33
じぇりい(裏) @t_jerry_z

その専門の人達が、たとえばただ集まって、じゃあ検査しましょう、よろしくねといきなり始めても、データとしてある程度は出るかもしれないけど、やっぱり多少は検査をする人の間で差が出るはず。人間がするものであるから当然。

2012-11-27 00:41:08
じぇりい(裏) @t_jerry_z

だから福島では、どの程度までかはわからないけれど、検査し計測する上での約束事を、しっかり統一されたものとして講習もしてトレーニングし、「目を合わせている」。

2012-11-27 00:44:06
じぇりい(裏) @t_jerry_z

技術も知識も申し分ない人達であるからこそ、この責任ある検診データをしっかりしたものとして出せるよう、そして今後も継続して行えるように、この検診の中で検査の計測などの約束事を標準化してある。

2012-11-27 00:47:30
じぇりい(裏) @t_jerry_z

そうじゃないと、例えば二年後計った時に、技量が全然違う人が、全然違う手順で、いい加減な方法で計ったとしたら?値の誤差の大きさは、想像できると思う。もしかしたらそもそも描出できないかもしれない。そんな事があってはならないから、一定以上のレベルの人達が決め事にしたがって検査している。

2012-11-27 00:51:19
じぇりい(裏) @t_jerry_z

では、そのまねっこをして、誰かが一人でやろうとしたら?

2012-11-27 00:54:14
じぇりい(裏) @t_jerry_z

まず、甲状腺の解剖や病理からがっちり勉強しなきゃいけない。超音波の専門の人に手取り足取り教えてもらって、臓器というのはそれぞれ標準的な描出方法というのがあるから、それに従ってまんべんなく見て、というか綺麗に出せるようになって、プローブの走査をマスター。

2012-11-27 00:56:21
じぇりい(裏) @t_jerry_z

さらに、正常の超音波画像、病変のある超音波画像をたくさん見て、それぞれどんな病気の時にはどういう画像が見られるか、それは組織の何を反映しているかを学ぶ。しかも超音波というのにはいくつも弱点があって、空気のある所は見えないとか、手前にある他の物が見たい場所に変な影を落としたりする。

2012-11-27 00:59:08
じぇりい(裏) @t_jerry_z

それは超音波工学の基礎で、知らなくても検査できると思っている人もいるみたいだけど、必須。じゃないと今自分が見ている画像が本当にそこにあるのか、判断できない。

2012-11-27 00:59:56
じぇりい(裏) @t_jerry_z

一通りお勉強も終わったとして、では実際に検査できるようになったと思ったら、「何だろう、これ」と思うような悩ましい画像に次々ぶち当たる。そういう時に相談できるのは超音波の熟練者や、病理に詳しい人や、画像診断に詳しい人など。そうして1つ1つ疑問を解決して、経験を積んでいく。

2012-11-27 01:02:08
じぇりい(裏) @t_jerry_z

さて、では一人で出来るようにたぶんなりました。「あの施設のデータと、自分の所と比べてみたいから、やってみよう」と、自分なりの手順、計測方法で計ったら…そのデータ、本当に「あの施設のデータ」と比べられる計り方、できてますか?誰がそれを確かめてくれるのですか?

2012-11-27 01:04:26
じぇりい(裏) @t_jerry_z

超音波検査というのは、データが独り歩きしやすい検査で、へっぽこが出したデータでも、全国的に有名で医師が舌を巻くくらいの美しい画像を出せてしっかり必要な計測もできる人が出したデータでも、データはデータ。値として出てしまう。

2012-11-27 01:07:50
じぇりい(裏) @t_jerry_z

使われるのは画像の美しさよりも検査データである以上、それがそのまままかり通るわけ。

2012-11-27 01:09:14
じぇりい(裏) @t_jerry_z

幸いにして甲状腺の嚢胞というものは見つけやすいものだし(と思うのだけど、実際に甲状腺を見てないので強く断言できない…。コントラストが良くついて見やすいのは確か)、あるかないかというのはわかりやすいだろうから、ある程度は技量がそれなりでもデータとして出せると思うのだけど。

2012-11-27 01:13:04