「東北の女性はなぜ立ち上がったのか」――GCOE特別連続セミナー1日目

2012年12月8日、9日に、東京大学(本郷)で開催された特別連続セミナー、『復興元年を総括するー持続可能な社会の条件』のメモです。 このまとめでは、1日目の「東北の女性はなぜ立ち上がったのか――ジェンダーと多様性」をまとめています。 2日目の「食・雇用・コミュニティ」のまとめはこちら。→ http://togetter.com/li/420898 参考URL: http://ow.ly/fVNYK
5
高橋 準 @myriel_june

李「今年春に石巻での実態調査。二十歳以上の外国籍市民426人にアンケートを郵送。戻ってきたのは92通。面接調査を希望者40人に実施。9月までに35人から聴き取りをしている。」男性14人、女性78人だそうです。うち中国籍29人、韓国籍22人、フィリピン21人。

2012-12-08 23:25:10
高橋 準 @myriel_june

このあと、李さんが調査した個別事例の報告が続きますが、省略します。

2012-12-08 23:26:33
高橋 準 @myriel_june

李「石巻調査から見えてきたこと。まず、結婚移住女性が不可視化されていること。孤立しており、夫や夫の家族への依存度が高い。日本語の壁が高い。外国人に対する社会的偏見と女性の脆弱性。外国にルーツを持つ子どもの問題。」

2012-12-08 23:30:33
高橋 準 @myriel_june

李「移住女性の新たな動きも震災後見られる。フィリピン女性の組織化がされていること。大船渡、気仙沼、南三陸、仙台、福島、いわき。中国出身の移住女性たちも、ネットワーク作りを模索。日本語教師との縦のつながりは強いが、横のつながりがこれまでなかった。」

2012-12-08 23:31:55
高橋 準 @myriel_june

李「移住女性のエンパワメントに必要なことは2つ。支援だけでなく、社会の構成員としての承認。可視化することも大事。そのほか、ジェンダー問題であるという視点を持つこと。男性稼ぎ主型社会の再考。」

2012-12-08 23:33:50
高橋 準 @myriel_june

菅野真由美さん(ユニバーサルデザイン結)「まず福島の現状から。昨日も地震があって『原発は』と気になった。そして、もし原発にまたなにかあっても、『国からも県からも情報はおりてこないよね』という不信感。」

2012-12-08 23:35:52
高橋 準 @myriel_june

菅野「原発から北西方向に線量が高い地域が広がっている。自分が住んでいる集落の一部は、特定避難勧奨区域に指定されている。」「南相馬市小高区、新地町のようす。津波のあともまだそのままに残っていたり、がれきが積んであったり。」

2012-12-08 23:39:21
高橋 準 @myriel_june

菅野「自分の家の周囲はこんな感じ。林があって除染のために木の枝や下生えを刈って、仮置き場へ。この時はまだ空きがあったが、そのあとでもういっぱいになっている。たわわになった柿も、セシウムが多いので、加工されずに廃棄されている。」

2012-12-08 23:41:30
高橋 準 @myriel_june

菅野「仮設住宅の調査。2万戸が必要だということだった。その中で、ユニバーサルデザインが置き去りにされているように感じる。広さや設備の点で、自分にあった住まいを選べない。どこに入居できるかは、抽選で決まってしまう。ユーザーの声を届けて改善につなげたいと思って報告書を作成した。」

2012-12-08 23:47:23
高橋 準 @myriel_june

説明が抜けていましたが、菅野さんは建築士です。菅野さんたち「ユニバーサルデザイン結」の報告書は、評価は高いのですがあまり知られていないようで、わたしも実は、今日コピーで初めて中を見ました。

2012-12-08 23:49:05
高橋 準 @myriel_june

菅野「事例をいくつか。(仮設住宅の写真)このように、玄関に高い段差がある。この家などは、70cm。車いすでは入ることができない。家の中にも段差がある。元住んでいた家をUDにしていても、仮設は設備を選べない。」

2012-12-08 23:50:53
高橋 準 @myriel_june

菅野「段差があると単に危険ということだけではない。行動すべてに抑制がかかってくる。たとえば、車いすが必要なある女性は、入浴回数が減った。外出もしないで引きこもってしまうことにもつながった。生活上の困難を引き起こしている。」

2012-12-08 23:52:14
高橋 準 @myriel_june

菅野「会津若松の木造仮設では、板倉工法を取り入れて、断熱効果を。また基礎の部分を、冬は板でふさいで保温もできる。手間はかかるが。」

2012-12-08 23:53:31
高橋 準 @myriel_june

菅野「スロープ付きのプレハブ仮設もある。だが、あと30cmあれば、というようなものも。利用者の側に立った、『あと少し』の配慮がほしい。」

2012-12-08 23:54:22
高橋 準 @myriel_june

菅野「仮設住宅はこのように、早期に入居した人ほど、住みにくさを経験している。あとで追加の工事などをしないといけなくなっている。阪神淡路や中越の経験が活かされていない。また、木造仮設とプレハブとの格差もある。同じ仮設住宅に二つが併設されているような場合も。」

2012-12-08 23:55:54
高橋 準 @myriel_june

菅野「原発の影響がある福島では、仮設に長く住むことも考えないといけない。そうした居住に必要な『長期仮設住宅』の仕組みが必要なのではないか。」「仮設にはすぐ改善できること、中長期的に改善していくべきことがある。」報告書の中に詳細なまとめが掲載されています。

2012-12-08 23:57:48
高橋 準 @myriel_june

菅野「ハードだけでなく、ソフト面も。飯舘の仮設では「管理人」を置いている。10カ所の仮設で7人。(管理人がいないところもある。)全員が女性。住民の引きこもりなどを防ぐねらい。相互の情報交換も。」

2012-12-08 23:59:10
高橋 準 @myriel_june

休憩をはさんで、都留文科大学の田中夏子さんのコメント。「高橋さんの報告について。サンプリングという点では不備だが、貴重な調査をされている。特にデータの解釈。『無回答』の意味を探ろうとしている。それは、支援者にとっては「語っていいのか」という思い。」

2012-12-09 00:00:40
高橋 準 @myriel_june

田中「被災者にしてみれば、気持ちが整理されていない、などか。」「復興計画のモニタリング、ということばがあったが、この調査は同時に、『調査のモニタリング』になっているのではないか。少数者のようやく引き出されてきた声だ。これを当事者にもう一度ひきとってもらうことが必要だ。」

2012-12-09 00:02:06
高橋 準 @myriel_june

田中「山屋さんの報告。中間就労支援の考え方が印象的。「労働市場にいかに入れていくか」だけではない、固有のステージであるように思う。継続して働いていくことをどう考えるかだろう。」

2012-12-09 00:03:01
高橋 準 @myriel_june

田中「イ ソンヒさんの報告。自分が調査した釜石でも、外国人への情報の流し方が問題になっていた。自分が目にしたアナウンスは、みんな日本語だった。また、アジアからの花嫁のネットワーク化は当事者には難しい側面もあるだろう。他県ではJAの生活指導員がかかわっている場合などもある。」

2012-12-09 00:04:22
高橋 準 @myriel_june

田中「菅野さんのお話。自分も仮設にいったことがあるし、泊まったことも。四畳半と仏壇の大きさのアンバランスが、単に物理的な大きさを超えて印象に残っている。仮設は震災で傷ついた人々の、立て直しの場であるべき空間のはずが、そうなっていない、ということでもある。」

2012-12-09 00:05:52
高橋 準 @myriel_june

田中「時間が少しあるので、釜石での調査から。釜石のある町内会の聴き取りでは、介護者女性の犠牲が多かった。「てんでんこ」というが、介護者についてはそれが機能しにくい。実はケア役割を担わない男性の避難原理かも知れない。」

2012-12-09 00:08:35
高橋 準 @myriel_june

以下は総括討論の議論の紹介。大沢「厳しい状況についての報告だったが、希望もあったと思う。それぞれのスピーカーのまわりには何人もの志の高い人がさらにいると思うと、心強い。」

2012-12-09 00:09:59
高橋 準 @myriel_june

高橋「防災会議に女性がいない原因はという質問ですが、行政にも女性の側にも原因はある。防災行政ではこれまで逃げるまでのことしか考えてこなかった。そのあとの生活については考えて来なかったということ。女性も、思っていることは、陰では言うけど、表だっては言わない。そういう社会」

2012-12-09 00:11:23