「食・雇用・コミュニティ――生存と持続可能性へのチャレンジ」――GCOE特別連続セミナー2日目
- myriel_june
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GCOE連続セミナー「復興元年を総括する」、2日目12/9のメモです。いろいろ力尽きてる箇所があります。粗いです。サブタイトルは「食・雇用・コミュニティ――生存と持続可能性へのチャレンジ」。ホームページはこちら。 http://t.co/67Ysdosd
2012-12-10 15:55:15大沢「趣旨説明といっても、昨日と同じで、メインタイトルとサブタイトルがすべて。昨日もわくわくしたセミナーだったが、今日も別な意味でパワフルなメンバーです。」
2012-12-10 15:55:39加瀬和俊「前座を務めさせていただきます。自分は漁村のありかたを、そのものとして理解する、というスタンスで研究をしている。その実態について、女性などを制約する条件も、合理的な面があるという見方もしている。したがって、あとのご報告内容との対立があるかも。」
2012-12-10 15:56:12加瀬「論点は三つ。1)現在の沿岸部の復興は、政府による豊富な資金投入が牽引をしている。しかし、使いにくいという側面もある。政策と現場のズレの問題。2)水産関連の産業の被害が大きい。ただし、漁村ごとの差異も大きい。自然と人間の相関性の問題。」
2012-12-10 16:01:55加瀬「3)わたしたちは資本主義社会の中で、モノとモノとの関係の中で生きている。したがって、マーケットのあり方における課題を抜きにはできない。」
2012-12-10 16:02:10加瀬「まず一番目の、財政支援が不可欠であるが、地元の事情に合わせて柔軟に対応する必要があるという論点。基本的に、被災地は自力再建は不可能という現実がある。これを理念としては、全国民で分かち合おうと。」
2012-12-10 16:06:19加瀬「ただし、財政支出は個人財産には投入されない。津波で失われた漁船を直接個人に与えることはない。共同利用施設への補助のみ。そこでも、国1/3、県1/3、漁協1/3で、漁協は個人の出資ということになる。しかし家やその他の財、家族を失った個人が支払えるか。」
2012-12-10 16:06:27加瀬「制度の弥縫策として、義援金で補填するというやり方もある。奥尻島のときはそれでカバー。しかし今回は、規模が桁違いなので、不可能。」
2012-12-10 16:06:48加瀬「そこでさまざまに制度を読み替えて対応してきた。漁船については、9分の1の負担で再建へ。就労機会の提供、金融措置、協同組合化等も。」
2012-12-10 16:07:27加瀬「個人負担圧縮の裏には、地域全体が貧困化し、丸ごと生活保護を受けるようになるという自体を避ける、という意図もある。現在はほぼ失われた漁船は回復。生活や労働の原状回復を保証する、財政支出義務を明確化する必要があるだろう。」
2012-12-10 16:07:39加瀬「問題点も残る。漁業者の間の不公平感など。たとえば、津波の時、自宅や家族の地震の被害を放置して沖へ船を出した人は、漁船を失わなかった。他方、船を流されたり、破損した人もいる。苦労して自分は船を守ったのに、努力せずに船を喪失した人は、保証されるのかという感情もある。
2012-12-10 16:09:38加瀬「家業としての漁業の問題。類型化してみると、被災した沿岸部の北半分は、養殖地帯。リアス式で静穏域。漁船は零細で、夫婦協業。みんなが被災者で、共通している。南半分は、海岸線が直線で波浪が強い。漁船漁業地帯で、女性の労働は補助的な陸上作業に限定される。」
2012-12-10 16:13:38加瀬「そのほか、漁港都市は、遠洋・沖合漁業。女性は漁業に関与しない。水産加工などのパートで働くことが多い。乗組員は雇用者、外国人。漁船の被害は軽微。」
2012-12-10 16:14:46加瀬「経営主世帯数は、上から順番に、9000、1000、50程度。北半分を中心に検討するが、地域差があることを考慮しなければならない。」
2012-12-10 16:15:42加瀬「震災による変化。1)労働が簡素化、家族協業の弱体化・停止。たとえばワカメ。震災後、自家加工から原藻販売へ簡易化することで、女性労働力が遊休化している。また仮設住宅は作業場や十分な駐車スペースがないため、家族協業が難しい。面積が狭く、世帯分離も。」
2012-12-10 16:18:33このあと、漁協の話になるのですが、ちょっとメモが取れていません。漁協ごとに事情が異なる、というような話、また倒産した漁協の話もあったかと。
2012-12-10 16:21:19加瀬「三番目として、市場=消費者との関係の問題。震災後の操業停止や、原発事故により、商人の仕入れ先が転換し、顧客を喪失。水産加工業も、産地としての再建は難しいか。資金がある層は、早期に代替地へ移動して操業再開。中小以下は脱落しているところも。」
2012-12-10 16:24:34加瀬「魚価は以前より低落しており、それを漁協の販売力低下とみて、漁業者が個別販売へ切り替える動きもある。消費者側は、「食べて支援」か「安全・安心」か、産消提携内で論争もあり、生産者の消耗感につながっている。」
2012-12-10 16:27:47盛合敏子(岩手県漁業協同組合女性部連絡協議会会長)「重茂(おもえ)から来た。アワビ、ウニ漁などは、夫婦船や親子船といって少人数での漁になる。天然物のほか、早くから養殖にも取り組んだ。漁協も「月給制」など、新しい取り組みをしている。」
2012-12-10 16:34:31「月給制」とは、漁協に獲れたものを渡してすぐにお金をもらうのではなく、ひと月の生活費はこのぐらいだから、ひと月に1回、その分をもらって、あとは自動的に貯金に回す、というようなしくみ。「ちょっぴり塩味が効いたいい漁協」という盛合さんの軽いジョークあり。
2012-12-10 16:34:43盛合「震災後は、〈結〉の力が発揮された。避難所での炊き出し、もともと小さな村で顔が分かるので、それをフル活用して、必要な物資の調達や配分などをした。」重茂は1500人ぐらいの地域で、50人ほどの方が津波で亡くなったそうです。そのことに触れたとき、一瞬言葉に詰まる瞬間も。
2012-12-10 16:37:32盛合「女性の労働は漁業では欠かせない。女が働くのは「当たり前」。「かーちゃんなしでは漁業はやっていけない」という認識はある。しかし、女性はあくまでも「下積み」。漁協の正組合員にはほとんどなれない。(夫を亡くした女性などが正組合員であるケースはある。)」
2012-12-10 16:39:10