「イラクの誇り」とまで言われる伝説的奏者ジャミール・バシール。日本ではいったいどれだけ知られているのだろうか。近代西欧の作曲家などに比べ、「他国の音楽文化理解」のそのあまりのアンバランスには無念を感じざるを得ない。/
2012-12-30 13:53:33素晴らしいヴァイオリンとギターで奏でる、ジャミールの名曲。 <Baghdad and Shalalat (Waterfalls): http://t.co/yHFXXMq3
2012-12-30 13:53:41この状態から近代西欧音楽への変化は、進歩史観では「発展」だが、はたしてそうか?<(ヨーロッパ)中世の音楽家にとっての音楽理論には、①振動する弦の比率 ②調律 ③数的比率から割り出された音 ④宇宙のハーモニー 等についての研究が含まれていた>http://t.co/rc6duD80
2012-12-30 14:06:29「近代西欧音楽的進歩史観」の基準で見ると、例えばムックリなどの口琴類はピアノなどの近代楽器よりも構造的にも音楽的にも「劣っている、遅れている」となってしまう。そんな馬鹿なことはない、と強く思う。
2012-12-30 14:06:41サハの口琴、ヤクート・コムズの、非常に表現力が大きな音。 <Turkic wonders - Turaditional Sakha YaKut Khomus (Harp) Music by Albina ...: http://t.co/74felYcE @youtubeさんから
2012-12-30 14:07:38この口琴の音楽なども、楽譜には到底表しきれないし(音譜にしたら非常に単純になってしまう)、複雑な倍音を含む音色などはそもそも楽譜の概念からは漏れる。
2012-12-30 14:11:30乱暴な言い方をすると、「単純な構造の楽器ほど演奏は難しく、表現も豊か」、 「複雑に機械化された楽器ほど演奏は(簡単とは言わないが)体系化しやすく、表現は画一的になりがち」。ディジュリドゥーや口琴が良い例。また、テクノロジーの極地にあるシンセサイザーの様な音も出るのが面白い。
2012-12-30 14:12:14たとえば、ムックリなどの口琴の音楽と、近代西欧のピアノ曲(まあショパンでもベートーヴェンでも何でもいいだろう)を並べて置いた場合、ほとんどの人が後者を「より高級な芸術」と捉えているだろう。「口琴『も』いいねえ」と言う人はあっても、「高級度」の優劣を付けるのではないだろうか。
2012-12-30 14:12:29電子楽器は確かに可能性を広げたし、面白いものだ。けれども、電気がなくともまったく困らない生楽器も人声も、電子楽器を経験してからはさらにそこからの新たなヒントを得て可能性が広がると思う。シンセサイザーのレゾナンス強調音を知った後の口琴とか。再評価にも繋がっているはず。
2012-12-30 14:12:45ドイツ・テクノなんかを経由して口琴に行く人、なんかもいると思う。それはやはり電子楽器時代がそれ以前の生楽器を再認識・再評価させているという好例だと思う。
2012-12-30 14:13:01楽譜に「音色変化」の細かな指示がなく、「強弱」くらいしか指定ができないのは、そもそも「各楽器の音色は不変」という考えが元にあるからだろう。例えば、口琴の音色変化や、ドイツテクノなどの「刻々とアナログ的に変わるシンセの音色」は端から頭にはないわけで。オーケストラのための部品だから
2012-12-30 14:14:23まさに「レゾナンスやフィルターを効かせたシンセは口琴への先祖返り」という持論を裏付けるこの音! <Muslimgauze - Azzazin > http://t.co/eAWUujWg
2012-12-30 14:15:04同意。西欧近代音楽はたとえレクイエムであっても個人的には鎮静にはなり得ない。ダイナミズムや緩急を重視する価値観を感じてしまうからだろうか。 <われわれはもっと鎮静的な音楽を活用すべきであると思う。> ((『日本音楽の性格 吉川英史著』より)
2012-12-30 15:43:55<西洋においてもピタゴラスによって代表される古代ギリシャの音楽観は、右の礼楽思想にきわめて類似したものであったが、それはルネサンス期の大作曲家パレストリーナを最後として、神の否定と唯物思想の台頭により、西洋近代の音楽は救い難い方向に突進してしまったのである>(吉川英史)
2012-12-30 15:46:53<洋楽においてももちろん宗教音楽というものはある。そしてそれもある意味で間接には神のための音楽と言えぬことはない。しかし厳密な意味においては直接神のための音楽とは言い難いのである。(略) あくまでも人間相手の音楽であり、決して直接神に手向ける音楽ではない>(吉川英吏)
2012-12-30 15:47:11『日本音楽の性格』で吉川英史氏が喝破したように、近代西欧音楽は激情的興奮的な要素・構成が多いように思う。そこに気づいたのがドビュッシーではなかったか。モーツァルトのレクイエムを聴いてもその要素が多いように聞こえる。個人的に好きなフォーレのものでさえもまだその部分が残るように思える
2012-12-30 15:49:03<桂離宮がヴェルサイユの宮殿より単純であるからといって、日本の建築芸術の貧困を嘆く必要はないのである。日本音楽に和声がないことが直ちに日本音楽の欠点にならないのである>(日本音楽の性格 吉川英史著http://t.co/aNjvau51 http://t.co/J8e5V3Qy
2012-12-30 16:02:43『日本音楽の性格 (吉川英史著)』は目からウロコ、衝撃を与えてくれた本だったし、何度か引用をツイートしているのだが、絶版なのが惜しまれる。なんとか再再版してくれないものか。自分が持っているのは昭和55年の再版3刷。原本はなんと昭和23年だそうだ。ドイツ語にも翻訳されたとのこと。
2012-12-30 16:03:44