就業構造基本調査のデータから海老原(2011)の記述を検証する
26:1973-1977年生まれが就職活動を行った21歳の時は、1994-1998年です。就職氷河期の、大変厳しい時期です。http://t.co/voUyCJz1
2013-02-03 23:04:4627:彼らが25-29歳になったのは1998-2002年。まだまだ雇用情勢は厳しい時期でした。彼らより上の世代は、Fig.1に見るように、正規雇用率を下げています。彼が30-34歳になったのは2003-2007年。リーマンショック前の、好況の時期です。
2013-02-03 23:05:1928:つまり、彼らが25-29歳時に比べて30-34歳時に正規雇用率を上昇させたのは、海老原(2011)p.156にあるように「入職時点でミスマッチを起こすが、加齢により社会的相場観を知」るからではなく、好況による中途採用増の動きに乗れたからではないかと考えます。
2013-02-03 23:05:3729:再びAbe(2012)に戻ると、大石先生がご指摘の通り、「若いコーホートになるほど出発点の正規率が低い」ことがわかります。つまり、若い世代ほど、厳しい状況に置かれているわけです。その厳しい状況から、加齢によって正規雇用率を上げていくことができるのか。
2013-02-03 23:05:5430: Fig.1を見ると、「たまたま」好況による中途採用増の動きが起こり、それに乗ることができた場合には正規雇用率を上げていくことができても、そうでない場合には難しいのではないかと推測されます。
2013-02-03 23:06:0432:Abe(2012)ではこの間の事情について、他の学歴の者にも目を向けながらおおよそ次のように書かれています(p.12)。(訳語に正確でない部分があるかもしれません。正確なところは原文のご確認を)
2013-02-03 23:06:1934:「1973年以降に生まれた者は、1990年代半ばの不況の最初の段階で正規雇用を失った。1990年代後半の不況期に若年労働者が正規雇用を失ったことは既に指摘されている(Genda,2003)。」
2013-02-03 23:06:3837:「1978-1982年生まれの世代は20第前半には正規雇用率が低かったが、25-29歳時には正規雇用率が上昇した。」(注:大学・大学院卒は前述の通り、この変化はグラフで捉えられていない)
2013-02-03 23:07:0938:「他方で、1973-1977年生まれの世代は25-29歳から30-34歳にかけて、(正規雇用率)をやや上昇させている。」(以上)
2013-02-03 23:07:17