黒猫亭さんが語る政治と選挙のあれこれについて。

リフレとしてのアベノミクスは盤石な今、逆再分配阻止・再分配強化のためにはどのように一票を行使すべきか語る黒猫亭さんとぶたやまさんの会話を、地元共産党後援会のバザーで「アベノミクスで景気が良くなるから面接に備えて」とか言ってスーツを買ったBUNTENがおいしく(?)まとめてみました。
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黒猫亭 @chronekotei

これは選挙に行かない若者がよく言うことなんだけれども、既存の政党や政治家には自分が完全に賛成出来る人がいない、だからそんな候補者の中から何かを選んでその人たちが行う政治に責任を持つのはイヤだ、自分は完全に賛成出来る候補者が出てくるまで待つんだ、と言う人が結構たくさんいる。

2013-07-05 09:39:40
黒猫亭 @chronekotei

でも、そんな政党や政治家はこれから先も絶対に出てこないだろう、と謂うのは、現実論の問題じゃなくて、原理的に当然の帰結なんだよね。

2013-07-05 09:40:13
黒猫亭 @chronekotei

たとえばオレ個人が完全に賛成出来る政党なり政治家なりがいるとしましょう。じゃあそんな相手に対して、オレ以外の人間は完全に賛成出来るのかと考えたら、それはそうじゃないでしょう。だって、思想も意見も利害関係も誰でもみんなちょっとずつ違うんだから。

2013-07-05 09:41:38
黒猫亭 @chronekotei

つまり、オレ個人が完全に賛成出来る政党なり政治家なりって、オレ以外の人間にとっては完全に賛成出来ないのが当たり前なわけ。オレ前提のオーダーメイドの政党や政治家なんているわけがないんだから。

2013-07-05 09:43:18
黒猫亭 @chronekotei

オレ個人が完全に賛成出来る政党なり政治家なりって、要するにオレ自身が政党を立ち上げて立候補する以外には存在し得ないわけ。しかも、その政党だって別の人が参加するわけだから、オレ個人が完全に賛成出来る考え方ばかりではなくなっていく。

2013-07-05 09:45:05
黒猫亭 @chronekotei

そう謂う状況の中で政治家として政治をやっていくしかない以上、オレ個人が公に主張する政策や意見もまた、オレ個人が完全に賛成出来るものではなくなっていく。つまり、政治と謂うのは多数者の利害の調整である以上、原理的に「特定個人が完全に賛成出来る」ものと謂うのは実現不可能なんだよね。

2013-07-05 09:46:19
黒猫亭 @chronekotei

@ROCKY_Eto 後のほうで説明していますが、自分で立候補しても最終的には完全に賛成出来る意見や政策だけと謂うわけにはいかなくなりますね。

2013-07-05 09:47:07
黒猫亭 @chronekotei

ただまあ、自分で決めて自分で立候補した以上、政治を実行するプレイヤーとして現場で実践出来るわけだから、不本意な意見を呑んだとしてもそれはまあ納得するしかないよな、と謂う意味で「賛成出来る」と謂う言い方は出来る。つまり、自分で立候補してもその程度の納得しか得られないわけ。

2013-07-05 09:48:36
黒猫亭 @chronekotei

そして、誰もが自分で立候補して政治家になれるかと謂うとそんなことはないわけだし、個々人が主体として政治の実践が可能になるとしたら、それはもう代議制民主主義じゃなくて直接民主主義の一番極端な形になるわけだから、日本くらいの規模の国家ではまず不可能、と。

2013-07-05 09:50:15
黒猫亭 @chronekotei

だから、代議制民主主義国家では原理的に特定の有権者が完全に賛成出来る政党なり政治家なりと謂うのは存在しないわけですよ。政党も政治家も、何万人と謂う有権者の意見を代表しない限り成立の余地はないわけだから、必ずその政策ポートフォリオや意見の中には気に入らないものが混ざっているわけ。

2013-07-05 09:51:46
黒猫亭 @chronekotei

だから、「完全に賛成出来る政党や政治家が出てこない限り投票しない」と謂うのは、まあ代議制民主国家においては政治への参画の拒絶にしかならないわけね。だとすると、それは完全な白紙委任状にしかなりませんよ、と謂うルールで国家の政治が廻っているわけ。

2013-07-05 09:53:17
黒猫亭 @chronekotei

それは、誰が気に入らなくてもそう謂うルールで回っているのが近代国家なんだね。だから、有権者は自分の一票をどう使うことが自分の考える政治に近付ける為に役に立つか、と謂うことを考えるのが政治参加の第一歩になるわけです。

2013-07-05 09:54:44
黒猫亭 @chronekotei

昨日話をした組織票を持っている政党・政治家とその支持者と謂うのは、政治についての最大の重要事項がその関係性に基づく利害なわけね。これはだから、どんな選挙でも長期的な政治と社会の関わりにおいてすでに決定済みなわけ。

2013-07-05 09:56:27
黒猫亭 @chronekotei

その組織票が他党や他候補に流れたり割れたりするのは、既存の利害関係が崩壊するような出来事が起こった時だけで、たとえば民主党への政権交代の時の政権与党の支持者の動向なんかがわかりやすい。

2013-07-05 09:57:30
黒猫亭 @chronekotei

だから、既存の利害関係が崩壊するような特別な事情がない限り、個々の政党の支持基盤に基づく組織票って予め決定されているわけね。これが三割くらいじゃないの、と謂う雑な推計を昨日言ったわけだけど(笑)、じゃあ残り七割の有権者は何をするのが合目的的なのか、と謂うのが浮動票の問題ね。

2013-07-05 09:59:12
黒猫亭 @chronekotei

たとえば投票率が四割くらいの選挙なら、選挙に行かなかった六割くらいの人は「自分は結果に従いますので勝手に決めといてください」と謂う意見としてカウントされるわけで、組織票が有権者全体の三割だとしたら、一割くらいの人はどこに投票するのが一番合目的的か、と謂う考え方になる。

2013-07-05 10:01:18
黒猫亭 @chronekotei

その場合、どこの政党・政治家に一番賛成出来るか、と謂う基準で選ぶのもいいし、個々の政党の政策ポートフォリオを概観して、どう謂う議席配分になるのが一番自分の政治的な考え方にとって合目的的か、と謂う基準で選ぶのもいい。

2013-07-05 10:02:52
黒猫亭 @chronekotei

つまり、特定政党・政治家と利害で紐附けられていない人々にとっては、実質的には特定の政党・政治家の政策や意見に共感して一対一の関係性として紐附ける形で投票先を選ぶ必要はないってことなんだよね。つまり、○○党の支持者だとか○○先生の支援者みたいな立場を採らなくてもいい。

2013-07-05 10:04:33
黒猫亭 @chronekotei

政党も政治家も、個々の有権者が自分個人が考える政治の実現の為の材料でしかないと考えていいのだし、別に投票した政党・政治家に対して義理を感じる必要もない。今後はそう謂うふうに有権者と政党・政治家の関係がクールでドライなものになっていくと思うよ。

2013-07-05 10:05:43
黒猫亭 @chronekotei

言ってみれば、投資家が最大限の利益を得る為に最大限に合目的的な形で株式を取得するような形で、有権者は自分の一票を使うのが合理的だとオレは考えている。だから、別にその政党や政治家の政策や意見に完全に賛成出来る必要なんかない。自分が考える政治なんてそう謂う形でしか実現出来ないんだよ。

2013-07-05 10:07:55
黒猫亭 @chronekotei

勿論、株式だって長期保有者みたいにその会社と利害があったりシンパシーがあって応援したいから買う、と謂う買い方をしてもいい。ちょっと比喩としてはズレるけど、政党・政治家の支持基盤と謂うのはそう謂う買い方をしている人たちなんだと考えればいいと思う。

2013-07-05 10:08:57
黒猫亭 @chronekotei

よくマスコミの報道なんかでは、「支持政党なし」と謂うアンケート結果を政治に対する無関心として読み解くけど、別に政治に関心があっても特定の政党を支持する必要なんかはない。今後とくに政党がイデオロギーの器ではなく現実的な方便になっていくわけだから、政党なんか支持する必要はない。

2013-07-05 10:11:28
黒猫亭 @chronekotei

「個々の政策イシューに優先順位を附け、この政局においてどんな意見や立場の政党が議席を増やすことが一番合目的的か、そして、それを投票行動を通じて実現するにはどの投票先に投票するのが一番合目的的か」これからの選挙はそんな規準で投票するのが賢いんじゃないかとオレは考えている。

2013-07-05 10:13:55
黒猫亭 @chronekotei

もっと具体的に言うなら、個々の選挙の全体的な趨勢と謂うのは大体決まっているわけだから、どんな有権者も一票しか持っていない票を死に票にしても意味がないので、どの流れに乗るのが一番合目的的か、と謂うふうに考えればいいんだと思う。

2013-07-05 10:16:42