オーズ・ディケイド・平成ライダー 火を噴け!十二人ライダー 05

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=993239 pixivの方で掲載している仮面ライダーオーズの二次創作です。以前掲載していたWの二次創作( http://togetter.com/li/462856 )との関連性は全くありません。 pixiv掲載版とこちらでは若干タイトルが異なります。 前 http://togetter.com/li/569514 続きを読む
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イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「コンキョは……有るんですか?」 「俺を信じてください、お願いします!」  一歩も退かない上に根拠はないと来た。彼らだけでなく自身の命も預かって操縦捍を握っている以上、滅多な真似は出来ないのだが、映司の必死な顔と言葉に里中もとうとう折れた。

2013-09-28 21:52:54
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「……分かりました。一瞬だけ、ですよ」 「ありがとうございます」言って、映司は再び壁伝いに士たちの所に戻る。  彼の目に映ったのは、纏った装甲の殆どを剥がされ、虫の息で横たわるディケイドと、そんな彼を無慈悲かつ嬉々として蹴り付けるゴオマの姿だった。

2013-09-28 21:54:01
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 時間の余裕は殆ど無い。改めてそう確信した映司は、ゴオマに気取られぬように彼の背後へ向かい、先程折られた刃先を握り締めた。 「里中さん、今ですッ」  折れた刃先を握り締めて映司が叫ぶ。里中は求めに応じ、今まで水平に保っていた操縦捍を思い切り右側に傾けた。

2013-09-28 21:56:57
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ダメ押しに思い切り蹴飛ばしてやろうと、右足を大きく振り被っていたことが仇となり、ゴオマは揺れに足を取られ、重力に従い体を捻らせて落下する。  そこに待っていたのは、鋭く尖った剣の刃先を手にした映司だ。ゴオマが自分の方に顔を向けたその瞬間、彼は手にした刃先を彼の鳩尾に刺し入れる。

2013-09-28 21:57:50
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 鳩尾を刺激されたゴオマは、そのショックで猛烈な咳に襲われ、喉笛に填まっていたキバのメダルを吐き出した。同時にメダルの力で強化されていた外見が、元の姿に戻って行く。 「士さん、後はお願いします!」

2013-09-28 21:59:11
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 後はこっちのものだ。映司はキバのメダルを拾い上げて距離を取り、止めを刺すよう促す。ディケイドは彼の求めに応じ、ふらつく体に鞭打って立ち上がった。  しかしどうしたことか、彼が身に纏う仮面ライダーの鎧は、彼の意思と関係なく、何の前触れもなく消えてしまったのだ。

2013-09-28 22:01:35
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 全く持って予想外の出来事に戸惑う士に対し、ゴオマはその隙を逃さなかった。変身せず棒立ちの士の頭を鷲掴みにし、ヘリが横揺れする程の衝撃を伴って壁に叩き付けた。

2013-09-28 22:03:01
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「くそォ、やめろ、やめろよ!」映司は我慢出来ず、武器も何も持たずゴオマに飛び掛かるも、赤子の手を捻るように容易く引き剥がされ、爪による一撃を喰って三度床に突っ伏した。 「ゴボゼラデデソ《そこで待ってろ》。ゴラゲザ《お前は》、ガドゼ《後で》ボゾギデジャス《殺してやる》」

2013-09-28 22:03:14
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 メダルを奪って有利になったと言うのに、それでもなお手も足も出ない現実に歯噛みする映司。  非力な自分を呪い、何も出来ないことに悔しさを募らせる中、映司は足元のモニタから、自分の名前を呼ぶ声がすることに気付く。ゴオマがヘリを襲うまで話をしていた鴻上だ。

2013-09-28 22:07:07
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「火野君、火野君。無事かね」 「俺は平気ですけど……士さんが」  自身の不甲斐なさに意気消沈する映司とは裏腹に、鴻上は彼が手にした『三枚のメダル』を見て、「素晴らしい」と声を上げた。

2013-09-28 22:09:01
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「おわっ、一体何なんですか」 「遂に、遂に三枚のライダーメダルが揃ったんだね。ならばもう何も言うまい。さぁ、私のプレゼントボックスを開けたまえ、火野君」 「えぇっ! こんな時に何を悠長な」 「さっきも言った筈だ、こんな時、だからこそだと! さぁ、開けたまえ火野君」

2013-09-28 22:10:38
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 映司は鴻上への文句を喉元で引っ込め、足元に転がっていたプレゼントボックスを手に取り、リボンを解いて箱を開く。彼は驚きのあまり息を呑む。そこに納められていたのは、メダルを入れる三つの窪みが付いたバックルと、それを読み込む円形のスキャナー。変身ベルト『オーズドライバー』だったのだ。

2013-09-28 22:12:10
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「驚いているね。まぁ、無理もないか」息を呑んだまま声の出ない映司に鴻上が言う。「それはコアメダルを作った錬金術師、マスター・ガラが作った、オーズドライバーの『プロトタイプ』。ドイツのとある遺跡で封印されていたものを発掘し、我が財団で保管していたのだよ」

2013-09-28 22:13:50
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「さぁ、オーズドライバーを手に取りたまえ火野君! 世界中の人々を救いたいと願う君の欲望に、仮面ライダーのメダルは必ずや応えてくれるだろうッ、さぁ! 変身するんだッ!」

2013-09-28 22:14:10
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 耳をつんざくような大声を耳にし、映司は漸く我に返った。改めて周囲を見回すと、身体中傷だらけの士がゴオマに成すがままにされている。躊躇っている暇は無い。映司はドライバーを腰に巻いてクウガ・ブレイド・キバの三枚をセットし、『オースキャナー』を握り締めた。

2013-09-28 22:16:02
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「仮面ライダー……。皆さんの力、お借りします。変身!」  ――クウガ! ブレイド! キバ!  バックルに嵌ったメダルを横一文字にスキャン。メダルの名前が発音されると同時に円形のエネルギーが現れ、映司の体に取り込まれて行く。

2013-09-28 22:18:01
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 一瞬の光の後、彼は金色の角に赤き瞳、中世の騎士のような青色の鎧に、両足に銀色の拘束具の付いた足の、異形の戦士にその姿を変えていた。胸には赤・青・赤で縁取られたプレートが発生し、それぞれにクウガ・ブレイド・キバの紋章が浮かび上がっている。

2013-09-28 22:19:04
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 映司の変身をモニタ越しに目にした鴻上は、惜しみない拍手を送って感嘆の声を上げた。 「素晴らしい、実に素晴らしいッ! 仮面ライダーの力で変身したオーズ! これぞまさしく、仮面ライダー・オーズ! 新たなるオーズの誕生だよ! ハッピバースディ!」

2013-09-28 22:21:09
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 オーズは変身と同時に駆け出して、士の息の根を止めんと腕を振り上げるゴオマを蹴り飛ばす。事態を把握出来ずにふらつくゴオマの首を鷲掴みにし、腹部を何度も殴り付け、前蹴りでヘリ最後部の機材搬入口に叩き付ける。

2013-09-28 22:22:19
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 壁に叩きつけられたゴオマが血走った目を見開き、牙を剥き出しにして立ってきた。オーズは来るなら来いと拳を握り、襲い掛かって来たゴオマを掴んで、彼を壁ごと外に放りだした。

2013-09-28 22:23:34
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 同時に彼もヘリから飛び降り、落下して行くゴオマを追う。胸のプレート『オーラングサークル』の脚部分が光り輝き、足全体に灯る。瞬間、彼の両足に付いていた銀色の拘束具が弾け飛び、その中から真っ赤なコウモリの翼が現れた。

2013-09-28 22:25:10
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 赤き翼は風を受けて気流を掴み、オーズは重力の枷から解き放たれて空を舞う。対するゴオマも、腕の翼を展開させて風を掴んだ。熊本上空千メートルでライダーと怪人が睨み合う。

2013-09-28 22:25:31
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 鋭い爪と牙を武器に、先んじてゴオマが仕掛けてきた。空中での戦いでは奴に一日の長がある。変身したてで動きがぎこちないオーズは、相手の動きに翻弄されるばかりだ。

2013-09-28 22:28:26
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 しかしオーズも手を拱《こまね》いてばかりではない。オーラングサークルの光が頭部に灯り、クウガの複眼が光り輝く。同時に頭部の角から強烈な雷が放たれ、ゴオマの体を撃ち抜いた。

2013-09-28 22:29:52
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「バゼザ《何故だ》、バゼゴセグ《何故俺が》ボンバレビ《こんな目に》……!」  黒焦げになって落下して行くゴオマを見、オーズは右腰のオースキャナーでバックルに嵌った三枚のメダルを再スキャン。両腕の手首の先から剣が飛び出し、脚部から供給される深紅のエネルギーによって更に長く伸びる。

2013-09-28 22:32:37