「かぐや姫の物語」ノート情報・叶精二氏（高畑勲監督ジブリ作品）The Tale of the Princess Kaguya

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

◆『かぐや姫の物語』ノート（60）◆過去の高畑作品ドキュメンタリーその1「スーバーテレビ情報最前線 初公開! 超人気アニメ マル秘制作現場」構成・演出／佐藤謙治、91年7月22日日本テレビ放映。再構成BD収録版「Making of おもひでぽろぽろ」。「夢と狂気の王国」でも引用。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（61）◆その2「スーバーテレビ 情報最前線 独占密着15ヶ月! 噂の映画「ホーホケキョ となりの山田くん」の秘密」演出／浦谷年良、99年7月26日日本テレビ放映。再構成BD版も同名。2作共約45分。記者会見、プレスコ、宮崎監督の動向などに構成に共通点。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（62）◆高畑勲監督はドキュメンタリー取材を好まないので、プレスコや会見等公的な場所での撮影が主となり、現場密着はほぼ不可能と思われて来ました。今回は初めてそこに踏み込んだ記録という点で画期的な作品となっている筈。シンプルなタイトルも熟慮の末の決断です。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（63）◆12月6日は久石譲さんの63歳のお誕生日。本年は映画『奇跡のリンゴ』『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』『小さいおうち』（来年公開）、テレビ『世界初撮影！深海の超巨大イカ』『長谷川町子物語』など、信じがたい数の話題作・ヒット作の音楽を担当されました。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（64）◆「『かぐや姫の物語』公開記念！高畑勲の世界」本日7日 17:30〜22:00 wowowで4時間半SP! 『ノンフィクションW』 『太陽の王子 ホルスの大冒険』 『ホーホケキョ となりの山田くん』 http://t.co/WI8oMgFItn

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◆『かぐや姫の物語』ノート（65）◆WOWOW放映 「ノンフィクションW 高畑勲、「かぐや姫の物語」をつくる。」 【前編】12月8日（日）10:30〜（再放映） 【後編】12月13日（金）22:00〜（初回）下記で予告放映中。 http://t.co/OCr6VC8MRb

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◆『かぐや姫の物語』ノート（66）◆先程、大塚康生さんに『かぐや姫の物語』の御感想を伺いました。「芝居も作画もとても面白かった。すごいねぇパクさんは!」と作画行程の話をひとしきり。第7スタジオの皆さんの今後を心配されていらっしゃいました。短いお言葉でしたが最高の評価ではないかと。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（67）◆作画の話-8。原画の線を活かすためパーツ毎の合成が行われていることは記しましたが、それとは別に1枚の原画は3種類に分けて描かれます。通常の原画は「実線」と呼ばれますが、これとは別に「模様線」原画と「塗線」原画と呼ばれる得意な2工程が存在します。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（68）◆作画の話-9。「模様線」とは、着物柄（内部の塗潰しも線の束）、翁の鼻や頬の赤味、黒い「実線」以外のグレーの頭髪線（姫の幼少期のフワフワの髪等も）、皮膚の擦り傷等々を線で別紙に描き分ける工程。単純な中割でなく、着物柄の微妙な歪みまで原画で設計。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（69）◆作画の話-10。「模様線」はレイアウトの時点では、実線と区別されず色鉛筆で1枚に描かれ、原画で分けられるようです。「塗線」は『となりの山田くん』で「内線」「輪郭線」と呼ばれていた2種の動画を1工程にまとめたもののようですが、スタジオでは原画と。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（70）◆作画の話-11。『山田くん』では着色時の塗分線「内線」と白味を残す為に背後に「輪郭線」の2枚が必要だったのですが、それが技術向上で「塗線」1枚にまとめられたと聞きました。『山田くん』方式だったら、更にもう1枚必要だったということになるのではと。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（71）◆作画の話-12。3種類の原画には、動画も3種類存在します。前記のようにキャラの「実線」はパーツ毎にレイアウト・作監修・原画・動画の線が活かされて合成され、その「実線」の上に「模様線」の原・動画、下に「塗線」の原・動画が重なり…と、極めて複雑。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（72）◆情報解禁につき告知させて頂きます。下記雑誌に寄稿しました。 「月刊 美術手帖 2014年1月号」（美術出版社）12月17日（火）発売。 〜特集 還ってきた革新者・高畑勲『かぐや姫の物語』の衝撃。〜http://t.co/GK0N6P8ZZZ

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◆『かぐや姫の物語』ノート（72）◆作画の話-13。西村PDがインタビュー記事で語っていらっしゃいますが、「水彩原画」も行われていました。小フレームの原画数百枚を画用紙に拡大コピーし、薄墨の水彩で陰影部を着色するという大変実験的な技法。姫の横位置の疾走カットで採用されています。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（73）◆作画の話-14。「水彩原画」はラフな線描にグレーの濃淡が塗り重ねられることで、通常の彩色（余白の白があるとは言え、基本的に色面はフラット）とは異なる異様な塊のような効果を狙ったのではないかと。余りに手間がかかる為、他カットでは不採用だったとか。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（74）◆公開3週目の『かぐや姫の物語』。累計動員93万8,892人、累計興収11億1,386万9,000円。地道に前進。 http://t.co/18hHLOCYPb 『ホーホケキョ となりの山田くん』の動員115万人、興収15.6億円は越えて欲しい。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（75）◆作画余談-1。田辺修さんは筆圧が弱い為、使用鉛筆は5Bのみ。それも、カッターで木部先端だけ削り、黒芯だけ円筒状に突き出した奇妙な鉛筆ばかり。鉛筆削りは芯まで削るのでもったいないし、これだと極太線から細微線まで筆圧加減で描き分け可能なのだとか。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（76）◆作画余談-2。田辺さんも動画の頃はHBやBを使っていたそうですが、原画になった途端2B、3B…と次第に太くなり、戻れなくなくなったとか。宮崎駿監督も慢性的な腱鞘炎で筆圧が弱く、ドキュメンタリーでよく5Bが写っていますが、鉛筆削りは使っています。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（77）◆作画余談-3。田辺さんのお隣は作監の小西賢一さんの机でしたが、そこには多種多様の鉛筆が。小西さんに伺うと、原画の方の線の癖に合わせて鉛筆を使い分けていたとか。田辺さん仕様の5Bもあって、同じように円筒芯型に手で削られていました。職人根性を痛感。

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◆『かぐや姫の物語』ノート（78）◆作画余談-4。小西さんのお話では、田辺さんは5Bを筆のように自在に使って強弱やカスレをなめらかに表現されていると。小西さんの修正も実に素晴らしい線なのですが、御本人は「色々試したが上手く行かないケースが多々あった」とおっしゃる。理由を伺うと（続

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◆『かぐや姫の物語』ノート（79）◆作画余談-5。続）小西さん曰く「動画用紙表面のザラつき、製紙の漉目による紙透けやムラ、等々微細な凹凸によって、鉛筆芯の顔料粉が紙にうまく付着したり、しなかったりする。それを筆圧でコントロールしないと、幾らなぞっても田辺さんの線は再現出来ない。」