特定秘密保護法案について考えるなら知っておきたいこと
あと、情報公開法だね。この法律では行政文書の開示義務が定められるとともに、不開示情報が載っている行政文書は開示しなくていいってことも定められているよ(5条)。行政文書があるか無いかを答えるだけで不開示情報を開示したことになる場合には有無を答えず開示を拒否することもできる(8条)。
2013-12-03 22:50:38特定秘密保護法案と絡めて見てみると…
不開示情報は幅広く定められているんだよね…。特定秘密に指定されるような防衛、外交に関する情報はもちろん特定有害活動(スパイ活動)の防止、テロリズムの防止に関する情報もほとんど全て不開示情報として開示を拒否されるんじゃないかな。現行法の下でも。まあ、そうじゃないと困ると思うけど。
2013-12-03 22:56:19情報公開法5条3号「公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」 法案別表1項(防衛)と2項(外交)に対応するね。
2013-12-03 22:57:25情報公開法5条3号「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」 法案別表3項(特定有害活動)と4項(テロリズム)に対応するね。
2013-12-03 22:58:424 特定秘密保護法を制定する意義
わたしの調査不足じゃなければ……別に特定秘密保護法が制定されなくても、情報を機密に指定して、機密指定の情報を行政機関の外には公開せず、一度も公開されないままその機密指定の情報を廃棄するってことは現行法制の下でも可能だと思うんだ。
2013-12-03 23:02:10そうだとしてもなお特定秘密保護法を制定する意義を考えてみると、(1)友好国に対して機密情報取扱いの制度を整えているとアピールできる、(2)行政機関の内規ではなく法律で秘密保全法制についての基本事項を定める、(3)罰則を強化して秘密をより手厚く守れるようにする…ってところかな。
2013-12-03 23:03:115 秘密保全法制の整え方についての意見
秘密保全法制をどう整備すべきかを考えるなら、公文書管理法や情報セキュリティ政策会議の決定に基づく機密情報の取扱い、情報公開法など周辺の制度も含めてどうするかを考えていかないといけないと思う。 これらでの規律を変えずに特定秘密保護法案の成立だけ阻止しても、意義はかなり薄れそうだよ。
2013-12-03 23:07:25わたしは秘密保全法制を整えること自体には賛成だよ。でも今の特定秘密保護法案をそのまま成立させるのはどうかなって思ってる。もう少し内容を練って固めてから制定すればいいのに、なんで今国会中に成立させようとしているんだろうね。
2013-12-03 23:16:45(特定秘密保護法案では行政法分野より刑事法分野の方に大きな問題が潜んでいそうなんだけど……そっちは刑事法系の学術たんに任せることにするよ。)
2013-12-03 23:19:13行政法分野と刑事法分野に共通する問題点を言えば、内閣をはじめとした行政機関の暴走を抑える安全装置が貧弱な気がするんだよね…。 いや、安全装置が備わってなくてもいいような法律、あえて備えるまでもない法律もあるとは思うんだ。でも特定秘密保護法に備わってないのは怖いものがあるよ。
2013-12-03 23:29:54(参考1) 刑事法上の問題点について読んでおきたい記事
昨日のつぶやき http://t.co/6GJ5oa7Kh9 では特定秘密保護法案の刑事法上の問題点には触れなかったけど、元公安検事・落合洋司弁護士の「国家機密と刑事訴訟~特定秘密保護法案の刑事手続上の論点」っていう講演をまとめたものが2つあるみたいだね。素晴らしい内容だと思う。
2013-12-04 20:58:33一つはご本人の記事「国家機密と刑事訴訟特定秘密保護法案の刑事手続上の論点」 http://t.co/YKxc5kR6Xp もう一つは落合弁護士の講演を聞いた江川紹子さんの記事「落合弁護士による『特定秘密保護法案の刑事手続上の論点』」 http://t.co/mFGrVOx98Y
2013-12-04 21:00:06