牧眞司の文学あれこれ その6

牧眞司の文学あれこれ その5(http://togetter.com/li/559538)からの続きです。
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牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

書評のさわり―― このコントラストが感動的な結末を迎えるのだが、この結末を予想できるひとはいないだろう。これほど意表をつくなりゆき――ふだんは眠っている感情を揺さぶり起こす展開――は、スタージョンの「孤独の円盤」以来だ。 http://t.co/MPxdGnjcRk

2014-05-07 21:15:28
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

ピーター・ワッツ『神は全てをお見通しである』(ハルコン・SF・シリーズ)読了。ワッツはひとの意識の問題にさまざまな角度からアプローチする作家で、この短篇集に収録された3篇からもそれが如実にうかがえる。

2014-05-09 20:26:12
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

脳神経生理/認知科学のアイデアによって切実な社会倫理テーマに切りこんだ表題作、破滅後社会を覆う運命論/自然崇拝的な諦観を描いた「光差す雲」、ニューウェイヴの雰囲気がある(ただしロジックは伝統的SF)デビュー作「適者生存」、いずれも面白い。

2014-05-09 20:26:52
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはピーター・ワッツ『神は全てをお見通しである』(ハルコン・SF・シリーズ)を取りあげています。 http://t.co/p9rxa80F8o

2014-05-13 13:14:18
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

書評のさわり―― 古典的SFアイデアを脳神経生理学や認知科学の観点から吟味し、意識のありかたや社会倫理という現代的で切実なテーマに迫っている点で出色だ。しかし、それが効果的に展開されるのは、小説としての時間の扱いの巧みさゆえだろう http://t.co/p9rxa80F8o

2014-05-13 13:15:11
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

ジョー・ヒル『NOS4A2 ―ノスフェラトゥ―』(小学館文庫)とロビン・スローン『ペナンブラ氏の24時間書店』(東京創元社)、小説の趣はまったく違うのだけど、(1)活字の書体がギミック、(2)タビサという名の脇役――このふたつの共通点のせいで、印象がまだらになってヘンな気分。

2014-05-13 17:24:49
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

パク・ミンギュ『カステラ』(クレイン)読了。韓国現代作家の短篇集。目次に並ぶ題名――「ありがとう、さすがタヌキだね」「どうしよう、マンボウじゃん」「ダイオウイカの逆襲」――を見て、奇想小説かと手を出したが、ちょっと違った。

2014-05-15 21:33:28
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

『ライ麦畑でつかまえて』を思いきりスレっからしの現代ふうにしたというか、村上春樹の初期作品を俗っぽくぶっちゃけてみたというか、シニカルにしてエネルギッシュ。諦観と憤懣が入り交じる。

2014-05-15 21:33:42
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

比喩(ときにそれを超えて実際のできごとの描写になる)の使いかたが独特。〔まさかハルク・ホーガンの上腕二頭筋と胸部の間に宇宙があろうとは〕とか〔僕は自転車だった〕とか〔キリンは端正なスーツ姿で、ホームのあちこちをゆったりと歩き回っていた〕とか。

2014-05-15 21:34:06
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

フィリップ・K・ディック『ヴァリス〔新訳版〕』(ハヤカワ文庫SF)読了。山形浩生訳がじつに快調、絶好調。いっけん辛気くさい神学論議のなかに皮肉やユーモアが混じり、ところどころセルフ突っ込みになっている。おかしい。

2014-05-18 10:27:43
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはジョー・ヒル『NOS4A2 ―ノスフェラトゥ―』(小学館文庫)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2014-05-20 19:00:08
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

書評のさわり―― このあたり、ジョー・ヒルの堂々とした(というかヌケヌケとした)ところだ。(略)現代の吸血鬼マンクスの屈折したユーモアといい、〈クリスマスランド〉のオモチャめいた景観といい、(略)バートン作品と重なるところが多い。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2014-05-20 19:00:29
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

日和聡子『御命授天纏佐左目谷行』(講談社)読了。現代日本文学(非ジャンル小説)にはトンと疎いぼくだが、新刊が出たら必ず読むと決めている作家が数人いて、この作者もそのひとり。本書も期待にたがわぬ異色の幻想小説集。

2014-05-23 21:35:55
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

収録3篇は、玄妙というか面妖というか、ちょっと喩えようがない不思議なたたずまい。無理に説明するとしたら、百閒の夢幻と町田康のへろへろ感を足して二で割ったような面白さ。文章がヘンに気持ちよくて、喉をごろごろ鳴らしながら読んだ。

2014-05-23 21:36:16
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

キジ・ジョンスン『霧に橋を架ける 』(東京創元社)は11篇収録。サルの話がある、イヌの話がある、それで作者がキジかよ! そのほか、ネコの話、ポニーの話、ハチの話、おまけにエイリアンの話も。

2014-05-24 20:39:10
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

オルガ・トカルチュク『逃亡派』(白水社)読了。定住せず移動しつづける人たちの物語。といってもロマや放牧民のような民俗的なものではなく、精神的傾向であって、そのそぞろな気分が小説のたたずまい(断片が平行して語られ、ときに交叉する)とマッチして面白い。

2014-05-26 18:39:18
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

キジ・ジョンスン『霧に橋を架ける』(東京創元社)読了。11篇を収録した日本オリジナル編集。ル=グインがとなえたpsychomyth(心の神話)的な作品が揃っており、とても印象的。共同体の問題や倫理を主題化するル=グインに比べ、個人にかなり寄っているところが、ぼくには面白かった。

2014-05-26 21:08:25
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