2014年1月4日

牧眞司の文学あれこれ その6

牧眞司の文学あれこれ その5(http://togetter.com/li/559538)からの続きです。
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牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

坂本壱平『ファースト・サークル』(ハヤカワ文庫JA)読了。ふたつの奇妙な(やや不穏で、離人症的とも言えそうな)物語が併走して、寓意劇のような小説空間を構成している。ちょっと面白い。変わったユーモアがあったりで、山野浩一作品に似た味わい。

2014-01-04 09:09:44
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

良い夏! RT @korenkan 篠田節子『ルーティーン』、菅浩江『誰に見しょとて』の表紙デザインは気が狂ってるとしか思えないカッコよさだよなという話をしたり。「日本SF夏の時代」の一因に(主に早川書房の)ブックデザインの変化があったんじゃないかと思うんだけど//@ymgsm

2014-01-04 09:23:34
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

RT @makioono こちらも篠田節子ルーティーン』読了。いい短編集ですね。一番印象的だったのは「コヨーテは月に落ちる」。この冷たく官能的で神話的な幻想性には心底しびれた。かっこいい。//

2014-01-12 20:00:50
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

RT @makioono //「まれびとの季節」には何となくマイクル・ビショップの文化人類学SFを思い起こした。ホラーにもロジックがしっかりある。

2014-01-12 20:01:07
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ありがとうございます! さすが万紀さん、鋭いご指摘。官能性や幻想性とロジックがしっかり結びついているところが、篠田節子作品の素晴らしさであり、SFファンにアピールする点だと、ぼくは思っています。 @makioono

2014-01-12 20:04:47
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

先週、家を離れていたあいだに読んだ本のことを、ちょっとずつ書いていくことにします。

2014-01-13 19:39:52
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

まず、莫言『天堂狂想歌』(中央公論新社)。この作家は情景描写の鮮やかさが独特なのだけど、本書は極貧に苦しむニンニク農家の暴動を扱っているため、意図的に臭気や汚穢なイメージが強調されている。動きがあって面白いけど、胃の弱い人にはちょっと勧められない。

2014-01-13 19:40:40
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

『いま、世界で読まれている105冊』(テン・ブックス)。世界にはいろいろな言語で書かれた面白そうな本がいっぱいあるなあ。ワクワクするなあ。紹介文も執筆者ごとの個性があって面白い。ちょっとまえに話題になった『三体』も紹介されています。

2014-01-13 19:42:58
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

チヌア・アチェベ『崩れゆく絆』(光文社古典新訳文庫)。これは前々から読みたかったのだけど、旧版が入手できずにちょっとヤキモキしていた本。光文社さん、ありがとう。

2014-01-13 19:48:43
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

『崩れゆく絆』はナイジェリア出身の作者が、『闇の奥』のようなアフリカの扱いへの批判もこめて書いた作品。生贄や魔術医者みたいな土俗と、キリスト教布教の文化的戦略とが、おなじ水準や色合い、リアリティの強度で描かれているところが面白い。

2014-01-13 19:50:06
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ジャック・リッチー『ジャック・リッチーのあの手この手』(ハヤカワ・ミステリ)。あっさりした皮肉やトボけたユーモアが楽しい異色短篇集。習俗的な部分(とくに男/女のネタの扱い)など古びている部分もあるけど、その古びぐあいも含めて微笑ましい。

2014-01-13 19:54:31
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

小川一水『天冥の標Ⅶ 新世界ハーブC』(ハヤカワ文庫JA)。楽しみにしているシリーズだが、だんだん設定を追うのが大変になってきた。この巻は、極限のサバイバルSFであり、数手先を読み合う政治的駆け引きであり、エクストラビターな恋愛小説。

2014-01-13 19:56:34
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

宮澤伊織『ウは宇宙ヤバイのウ』(一迅社文庫)。途中で読む本がなくなって、あわててもとめた一冊。なんだか凄く説明的だが、こういうのがラノベの文体なのだろう。ぼくが読み慣れている小説ではこういう描写のしかたはゲテなのだが、まあ、けっきょくは慣れの問題だろう。

2014-01-13 20:02:42
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

しかし、「タイムパラドックスが発生したらそこで時が止まる」というのは、いくらなんでもね。ただ、これはSFのロジックをわかったうえで、けっこう確信犯的にやっているふしがある。これはほかでも使えるかも(ムリか?)

2014-01-13 20:03:02
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

グレアム・グリーン『国境の向こう側』(ハヤカワepi文庫)。これも外出先でもとめた本。こちらはアタリでした。短篇集でホラーやSFも含まれている。どの作品がSFかというとネタばれになってしまうのだが、抑制された筆致の破滅もので感心。アンソロジーに採りたい(すでに採られているかも)。

2014-01-13 20:05:38
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

『国境の向こう側』収録作品の多くは異色短篇といってもよいのだが、その一歩手前というか、「奇妙な味」を表面化せずに隠し味的に利かせてふうで、そのへんがたいへん玄人っぽい。

2014-01-13 20:08:47
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

あ、さきほどのツイート、「確信犯的に」というのは誤用か。「愉快犯的に」と言うべきだったかもしれない。こういうところに目くじらを立てるSFマニアを嘲笑っているのかも。考えすぎか。

2014-01-13 20:11:54
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

お読みいただき、ありがとうございます! プロの小説家の観点からは、ぼくではわからない篠田さんの魅力も見えてくるのではないでしょうか? RT @fujitama3 『ルーティーン』読み始めて一気に読了。「小羊」は雑誌で読んだだけと思うのだけど、よく憶えていた。

2014-01-13 20:38:18
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

一緒に仕事をしているカメラマン(SFをかなり読んでいる人)が『ルーティーン』を読んでくれて、篠田さんの情景描写(視点の置きかたなど図像的センス)を褒めていた。やっぱりその道の人が読むと、別の面白さが見えてくるものだなあ。

2014-01-13 20:44:54
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

RT @fujitama3 「小羊」は笛を教えてもらうシーンがとても印象に残ってます。解説にも書かれてますが、音楽のモチーフが効いているんですね。SFベストと聞いて「はぐれ猿…」のようなのを思い浮かべたのですが、より幻想的でホラーな感じの作品が編まれていて楽しませてもらいました。

2014-01-13 21:11:38
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

「子羊」の笛もそうですが、篠田作品は芸術と身体、イデアルとフィジカル、情緒と技術、ふたつの極の「依存/齟齬」するモチーフがあります。読めば読むほど陶然となります。 @fujitama3

2014-01-13 21:19:24
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいは坂本壱平『ファースト・サークル』(ハヤカワ文庫JA)を取りあげています。 http://t.co/YrqUOEDmNA

2014-01-15 14:19:49
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

書評のさわり―― まるでルネ・マグリッドの絵のような景観。こうした現実離れした要素が、なんの辻褄もなくひょこりとあらわれるのがこの作品の特徴だ。しかし、それは鬼面人を驚かす演出や効果というより、この世界そのものの空間性といったふうだ。 http://t.co/YrqUOEDmNA

2014-01-15 14:20:54
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ロバート・ジャクソン・ベネット『カンパニー・マン』(ハヤカワ文庫NV)読了。SFの設定は黄金期以前のアイデアだが、こういうのを堂々とやれるところがスティーヴン・キングみたいで天晴れ。ハードボイルド・ミステリとしては人物造形・配置はドライにキマっている。

2014-01-17 11:53:06
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

天瀬裕康&渡辺玲子 『カラスなぜ啼く、なぜ集う』(文芸社)読了。探偵小説の分野で知られる渡辺啓助だが、詩人として、またSFの理解者・実作者としての側面も持っていた。その全体像をさまざまな資料を用いつつ、簡潔・平明にまとめあげている。

2014-01-19 14:49:43
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