ゲームデザイン討論会 第二回

アナログゲームの専門家の草場純 @kusabazyun 先生(遊戯史学会)をお招きして、 アナログゲーム、デジタルゲームをまたいだゲームデザインの議論を展開します。 今回は前回を第二回として第一回の続きである「アナログゲームとデジタルゲームにおけるゲームにおけるルールの役割の違い」についてです。 続きを読む
32
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn ここで重要なキーワードとして「比喩」が出ました。確かにデジタルゲームでは「可能な限り全てを描く」必要があります。逆にアナログゲームでは言葉だけで済ませる場合が多い。或いはボードやカード上の操作を、ある意味として解釈する。例えば、カードの交換=貿易、とかです。

2014-01-05 23:40:16
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn 逆に言えば、デジタルゲームは「比喩」の使い方が下手なような気もします。アナログゲームはうまい、というか、もはや洗練される一方ですね。

2014-01-05 23:40:56
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn はい、(アナログゲームは)ルールを頭の中で構築するという意味で、小説にたとえました。

2014-01-05 23:41:22
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn それでは @kusabazyun 先生に質問です。アナログゲームのデザインでは、「比喩」をうまく使うことがポイントだと思うのですが、アナログゲームデザイン上で、それはどのような役割・機能を持っているでしょうか?そして、その巧みな例を説明頂けますでしょうか?

2014-01-05 23:42:58
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn 比喩という言い方はあまり正確ではなかったかも知れませんが、アナログゲームではプレーヤーに「世界観」を提供すればいいのですが、デジタルゲームはユーザーに「世界」を提供しなければならないのだと私は思います。

2014-01-05 23:46:47
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn 質問にお答えします。「デジタルゲームにおけるルール」とは、二つ種類があります。まず明示的なルールとして、敵は体力がなくなると退散する、とか、ここにボールを入れると10点、とか、ゲーム世界に敷かれたルールです。これはどんなゲームか、というのとほぼ同義です。

2014-01-05 23:47:04
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn もう一つは非明示的なルールです。キャラクターのジャンプの起動や、ゲームステージで現れる敵のスピードや、ステージの仕掛けはそこに行って始めてユーザーが観測し理解します。正確な数値はわかりません。しかし、ルールが設定されたステージがそこにあり了解しプレイします。

2014-01-05 23:49:29
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn なるほど、疑似物理的な世界を作るわけですね。

2014-01-05 23:51:23
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn ありがとうございます。デジタルゲームは「世界を提供」しなくてはならない。その通りです。我々はプログラムとデータによってそれを行います。アナログゲームでは「世界観」を提供できれば良い。確かに、それは本来「紙と木」でしかない物を「世界」たらしめている比喩です。

2014-01-05 23:51:29
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn なるほど、ロジックが明快になりました。

2014-01-05 23:52:57
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn そうであるからこそ、デジタルゲームは感覚に訴える、特に視覚と聴覚を通して世界を提供しなければならないのです。それが「デジタルゲームが受動的」と言われる由縁です。しかし、アナログゲームは「比喩」によってルールから「世界観」を積極的に解釈しようとします。

2014-01-05 23:53:32
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn 少し大雑把な議論になってしまいますが、ここで、まずデジタルゲームは感覚(五感)を優先し、次にその世界の上でルールがある。一方でアナログゲームはまずルールから世界を論理的に解釈させ「世界観を理解」する。その次に感覚がある。

2014-01-05 23:55:29
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn 確かにそうです。私はコンピュータチェスをやったことがあります。将棋の銀は横には行けません。それがルールだからです。でも横に押せば横に動きます。(笑) ところがコンピュータチェスのビショップは横に動かそうとしても動かない。

2014-01-05 23:56:39
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn それでは @kusabazyun 先生に質問です。「感覚と理解」がデジタルとアナログでは逆になっているように思えます。どこからユーザーにゲームに入って貰うか、という違いでもあります。アナログゲームはどうやってユーザーに世界観の奥深くに誘導しますか?

2014-01-05 23:57:08
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn その質問にお答えするのは難しいです。その理由は、一口にアナログゲームと言っても非常に幅があるからです。例えば「人狼」のようなゲームは世界観の提供が不可欠です。一方、チェッカーの世界観、連珠の世界観などと言われても、困ってしまいます。

2014-01-06 00:01:43
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn ありがとうございます。それがもっとも適切な答えであると思います。それでは、ここで、まったく別の視点からご質問させていただきたいと思います。

2014-01-06 00:03:14
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn デジタルでもアナログでも、複数でプレイする場合、ユーザー同士のインタラクションというのはとても重要です。特にアナログゲームではユーザー同士のインタラクションこそがゲームデザインの主となるように思えます。

2014-01-06 00:04:41
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn 私見で申し訳ないのですが、逆転してみれば、アナログゲームは、ユーザー同士の間にあるインタラクションの可能性を一つ一つ探求し形にして来たと思うのです。「渡す」「交換する」「戦う」「守る」「だます」「交渉する」

2014-01-06 00:06:02
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#game_dsgn それでは @kusabazyun 先生に質問です。大きな質問で申し訳ないのですが、アナログゲームのデザインにおいて、ユーザー同士のインタラクションはどのような意味を持ちますでしょうか?

2014-01-06 00:07:14
SiFi-TZK @SiFi_TZK

#game_dsgn クラマーも言ってるけど、アナログゲームの場合の「世界」はあくまでルールを理解させるために利用できるツールであって、VR的に「世界そのもの」に浸らせることが主たる目的になるTVゲームとはそもそも必然性が違う。

2014-01-06 00:08:13
iio yuichiro @iiou16

近頃アナログゲーム好きだけど、別にデジタルアナログ問わず、設定にはまれる遊びは好き。ただデジタルで設定にはまれるゲームがそうそう無いのは確か。 #game_dsgn

2014-01-06 00:09:28
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn これも、アナログゲームを二つに分ける必要があります。その分類は簡単で、二人ゲームと多人数ゲームです。ちなみにアナログゲームでは3人以上が多人数げーむです。(2と3で大きく違うということです。) 続きます

2014-01-06 00:10:16
草場純 @kusabazyun

#game_dsgn で、二人ゲームではインタラクションは考えなくていいです。インタラクションがないとも、インタラクションがすべてとも言えます。なにしろ相手が負ければ自分は勝つのですから、ルールにのっとって相手に勝とうとするだけです。従ってここで問題になるのは多人数ゲームです。

2014-01-06 00:14:10
SiFi-TZK @SiFi_TZK

#game_dsgn これは「創発型ゲーム」「進行型ゲーム」の区分と非常に近い概念だと思うけど、アナログゲームにはそもそも創発型しかなく、進行型が生まれる前提として、「プレイヤーが知りえない展開」を予め用意しておく、という発想の転換と、その実現のためのメディアが必要だった。

2014-01-06 00:14:11