新幹線で救命処置を行う医者はバカか?

先日から話題になっている、病院外での緊急Drコールに応じた医師へのリスク評価についてまとめてみました。 緊急Drコールに応じて、対象者が不幸な転帰に至った場合でも、現実的には医師が、民事、刑事責任とも問われる可能性は非常に低いというのが法律クラスタの評価です。 ただし、訴訟に至らなかった、損害賠償請求事例も報告されており、現在の医療に対する社会の見方を考えると、若い医師にDrコールに応じることを、積極的に勧めるべき状態では無いと考えます。 続きを読む
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@mhlworz

新幹線車内で蘇生処置を行うとどうなるか。法務省からの回答 http://t.co/kJBNtKXXcC

2014-03-06 13:12:00

医療従事者による傷病者への心肺蘇生について  法務省

1  路上や列車内・ 航空機内などで傷病者が発生し、居合わせた者が手当てを開始した場合、医療関係の資格を持たない一般市民であれば、 たとえ不幸な転帰となったと しても、 悪意がなければ、民法上・刑法上とも責任を問われな いものと承知している。 この認識は正しいか否か。
(回答)
○ 民法上の責任について
一般論と しては、上記事例のような場合、当該一般市民の行為は、義務なく他人のために事務の管理を始めたものとして事務管理が成立する。 そ して、当該一般市民の行為が、「本人の身体・・・に対する急迫の危害を免れさせるために」 行った事務管理と して緊急事務管理になる場合には、当該一般市民は、悪意又は重大な過失がない限り、損害を賠償する責任を負わないと考えられる (民法第698条)。
(参考条文) 民法 (明治二十九年法律第八十九号)
(事務管理)
第六百九十七条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において 「管理者」 という。) はその事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理 (以下「事務管理」という。)をしなければならない。
2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
(緊急事務管理)
第六百九十八条 管理者は、本人の身体、 名誉又は財産に対する急迫の危害を免れ させるために事務管理をしたときは、 悪意又は重大な過失があるのでなければ、 これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

○刑法上の責任について
 犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されることとなるものであるから、 お尋ねのような仮定の事例について、犯罪の成否をお答えすることは困難(なお、刑法37条1項本文の 「自己又は他人の生命、 身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を越えなかった場合に限り、罰しない。」 という規定についても同様。)。

2 医師の資格には 「応召義務」 が伴うが、市井で遭遇した傷病者にできる限りの応急処置を行うだけでは足りず、不幸な結果が生じた場合にも民事・刑事事上の責任を負わなければならないのか。
(回答)
○ 民法上の責任について
(1)医師法第19条9第1項の診療義務等の性質やこれに伴う責任については、医師法を所管する厚生労働省に確認していただきたい。
(2) 医師が市井で遭遇した傷病者に対して応急措置を行った埋合について も、基本的には1の場合と同様であり、当該医師の行為が、「本人の身体に対する急迫の危害を免れさせるために」 行った事務管理として 緊急事務管理になる場合には、当該医師は、悪意又は重大な過失がない限 り、損害を賠償する責任を負わない。
(なお、医師が、傷病者からの依頼に応じて応急措置を行った場合など、医師と傷病者との間で診療契約が成立したとみうる場合には) 医師は医療契約上の義務を負い、 医師の行った応急処置などに過失があれば、 医師は債務不履行責任を負う可能性がある。)
〇刑法上の責任について
1と同様

3 過去に「 院外で遭遇した傷病者に対して医師が手当てを行ったが、不幸な転帰となったことにより、民法上の責任及び刑法上の責任を問われた裁判等はあったか。 あれば概要等をご教示願いたい。
(回答)
○ 調査した範囲では'、そのような裁判例等は見当たらなかった。

野田隼人 Atty. NODA Hayato J.D. @nodahayato

ガイドラインの記載が引用のとおりなら,ガイドラインがおかしい。 RT @mhlworz 新幹線車内で急病人発生。医師だと名乗り出て手当を始めたら刑法第37条2項で緊急避難にあたらない。だから、不幸な結果で罰せられたくなければ最初からスルー推奨、ってホンマかいな。

2014-03-02 12:07:42
@mhlworz

ご指摘ありがとうございます。原文はこちらです。“@nodahayato: JRC(日本版)ガイドライン2010(確定版) 普及・教育のための方策  http://t.co/jx0morqLnO  34~35頁 

2014-03-02 12:16:22
野田隼人 Atty. NODA Hayato J.D. @nodahayato

@mhlworz 拝読。「医療従事者による蘇生行為の法解釈」ですが,1)該当部分は医師法19条の解釈を誤っている。2)該当部分に引用文献が2つあるが,樋口論文は刑事責任について言及せず,大塚論文は刑事責任について否定的なので,ガイドラインに文献的基礎がない。(続

2014-03-02 12:37:47
野田隼人 Atty. NODA Hayato J.D. @nodahayato

@mhlworz 3)民事責任と刑事責任という別個のものをまとめて論じている,という問題があります。刑事責任については否定になることが多く,民事責任は通常の診療時と責任範囲は同じで,めったに問われない+保険がきくはずです。

2014-03-02 12:41:05
@mhlworz

クリアカットな解説ありがとうございます。職責を果たすべく、がんばりたいと思います。@nodahayato

2014-03-02 12:43:04
@mhlworz

やはり、法曹って只者ではない。

2014-03-02 12:43:37
@mhlworz

ほどほどに頑張ります笑。こちらに連絡先が載ってます。http://t.co/22h6TMJBHU よく見たら、この章は編著者に法曹がいなかったのですね。専門家に聞けばよかったのにと。@nodahayato

2014-03-02 12:48:51
@mhlworz

法曹にフルボッコにされるようなガイドラインをドヤ顔で出すな。救急財団って厚労の天下りも行ってんだろうに、クソの役にも立たねえな。

2014-03-02 13:00:36
@mhlworz

道端で倒れた人を救うためのガイドラインが、逆に救助者の足を引っ張ってどうすんだ。補助金で作ってんだろうが、厚労省医政局や総務省消防庁の担当がスルーしたとあれば由々しき問題。

2014-03-02 13:05:58
@mhlworz

新幹線車内で蘇生処置を行うとどうなるか。法務省からの回答 http://t.co/kJBNtKXXcC

2014-03-06 13:12:00
@mhlworz

承前)結局、「人助けすんのも自己責任だぜ。訴えられても泣きごと言うな」というだけの法務省の回答である。まあお役所ですもん。

2014-03-06 13:23:16
KGN @KGN_works

繰り返すが、若い人には現在のところ「絶対に名乗り出るな」としか言えない。一人の救助(野次馬だらけで妨害が入りまくる、機材はない)に失敗した時のリスクが大きすぎる。 「正義感はケツのポケットにしまっておけ」 「ヒーローになろうとするな」 「生涯に救える命の数を減らすな」 になるな

2014-03-06 15:59:49
@mhlworz

もしも車掌が本社とか指令にドクターコールしてよいか確認、なんてマニュアルになったら、時間を空費してしまい、助かる人も死んでしまうかもしれんね。そんで株主総会で血祭りにならないと社風は変わらんのかもな。

2014-03-06 16:14:42
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

よくわからない方のために説明すると、我々は医療業務の中で起こった問題で訴訟を起こされた時に、その多額の賠償で人生が終わらないように保険をかけてるんですね。それが医賠責保険。掛け金は結構高いですが、これ効かないと危なくて診療なんてできないので、臨床医は渋々ながら大抵入ってる。

2014-03-06 15:37:48
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

で、この話は、業務時間外に「お客様の中にお医者様はいませんかー」って呼ばれて対応した場合、それは業務じゃないから万一訴訟を起こされても保険の対象外になって、賠償金が全部自分に降りかかる恐れがあるということ。院外だから被るのは病院ではなく、医師個人です。

2014-03-06 15:38:13
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

要するに、医師はホイホイ名乗り出てはいけないし、一般の人や交通機関の側も名乗り出ることを期待してはいけない、ということですな。それが嫌なら医師が安心して名乗り出られるような法整備なり何なりしないとダメではないかと。

2014-03-06 15:38:40
こりさん @koli_san

@PKAnzug しかし、これは解釈でなく明文の条文で「賠償する責任を負わない」ですし、解釈の問題だろうか?とは思います。 先のRTで読みました法務省の回答について、「結局自己責任だ」読み替えるのは正しくはないのではないかと、 むしろ法務省は賠償責任の発生を否定しているのでは

2014-03-06 16:31:29
こりさん @koli_san

この回答は、ドクターコール→医療行為の過程で起きた過失によって発生する民事あるいは刑事の責任について、むしろほぼ否定していると言えるのではないか。 RT @mhlworz: 新幹線車内で蘇生処置を行うとどうなるか。法務省からの回答 http://t.co/ePmFbxvvI3

2014-03-06 16:34:36
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

なんでこう信用しないかって、法律は科学と違って人が運用してるからなんですよね。しかも微妙な法解釈は専門家でもよく意見が割れる(ということは、運用上も他の専門家の思惑と違う運用がありうるということ)。「科学者vsニセ科学屋」みたいに人の解釈とは別に科学の法則があるならいいんですが。

2014-03-06 18:20:27
@mhlworz

法律クラスタの方々からすれば、「医者どもなにビビってんだよ。倒れた人がいたらとっとと助けろや。法務省もこういってんだしよ。法律論的にはここまでしか言えねえって。大丈夫だっつーの」という感覚かなあ。

2014-03-06 16:43:24

Aprildiamond先生が、医賠席保険が、院外の救命処置での事故に関して支払い対象となるか、保険会社に電話で質問しています。

Aprildiamond(坂山) @Poker_April

あいおい損保に電話してみたら「調べて、折り返しお返事いたします」とのことだった 面倒くさいこと頼んでごめん>オペレーターの方

2014-03-06 14:18:10
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